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(30) 時 所 人

人とは不思議なもので、指摘されると「あ、そうか!」と納得します。今日の話題は「時・所・人」ですが、この言葉は、この語順が大事です。

♣ 私どもは、まだ元気なうちに「」を失うことがあります。「今日は何日?何曜日?」など、ザラにあります。その欠点を補うために「手帳」を利用します。人は4次元の空間を生きる、と言われます:つまり、「立体(縦・横・奥行)と時間、あわせて4次元」です;4次元目の時間は正常な人でも認識しにくく、だから私たちは“腕時計”を持ち歩きます。時間を教えてもらっても理解できなければ、その人は完全に「時を失って」います(4次元目の喪失)。もちろん、そんな場合には 過去も未来も分かりません。

♣ 認知症は、時の喪失から始まります。昼夜の別はもちろんのこと、昨日も明日も分かりません。さらに進行すると、てきめんに「」を失います。自分の家や学校・会社などの区別ができません。そこで徘徊が始まります。そのうち、「」の区別が困難になります。在宅サービスで複数のワーカーを識別できず、色々な問題が発生します。ご自分の子供たちに向かって「あなたはどなたかのう?」とおっしゃいます。このように、「時・所・人」の認知が困難になった状態を「見当識の喪失」(disorientation)と呼び、症状は この順に進みます。

♣ 認知症の大事な特徴は「短期記憶の喪失」がありますね。もう食べ終わったのに、「朝ご飯を、まだもらっていない」などのトラブルは有名です。

 そこで提言:あなたがケアに入っているご利用者は、「時・所・人」のスケールで、認知症がいまどのレベルの状態なのかを推定しましょう。これは、良いケアの遂行上、とても役立つ視点だと思います。

職員の声

声1: まだ足腰の元気なご利用者を何年も看ていると、たしかに「この順で」見当識が失われてこられます、以後もこのスケールで観察します。

声2: 私はお休みを4~5日もらい、中間の日になると 今日が何日・何曜か たちまち分からなくなります(係り:働いている人は 日にち・曜日で働きますから、たえず新しいデータで更新されます;非日常的なお休みが入ると、データ更新がなされず、てきめんに「時の音痴」になります、みんなそうですよ)。

声3: 毎日銭湯に通う道は忘ないのに、途中で出会った人の名前を忘れるご利用者があります(係り:パールのデイサービスでも、音楽会で楽しんだ方々が、エレベーターで移動したあと お尋ねすると、「何もなかった!」とおっしゃる方が沢山あります)。

声4: 認知症の「中核症状」は記憶の喪失ですよね、これに対して「周辺症状」はとても多数の状態が書いてあるので、覚えきれません;「時・所・人」と覚えれば、楽に理解できます。

声5: 夜になると「所」を失う方があります;声掛けして自宅にいることを案内しています。

声6: 認知症とは過去・未来を持たず、ただ「現在のみを生きている状態」と考えます(係り:一般の動物は すべてそうですね。したがって“死の不安”がありません)。
プロフィール

ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
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