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(286) コギト エルゴ スーム

  (286) コギト エルゴ スーム    

  私は 中学生の頃 このように耳から“コギト・エルゴ・スーム”と聞きました。今 思えば、歴史の教師もたぶん ご自分が昔聞いた事をオウム返しされていたのかも知れません。その頃 下宿生が父親に宛てた電報がはやりました:“カネオクレタ ノム”、父からの子への返信“ノムナ チョキンセヨ”のゴロとも似ていました。

♣ これを、ずいぶん後になって、ローマ字で聞くと“Cogito ergo sum.”と知りましたが、相変わらずチンプンカンプン。さらに後になって、「それはローマ語だ、英訳すると “ I think, therefore I am.” であるという。和語に直すと「我思う、ゆえに我有り」。オー ! デカルトではないか !! やっと分かりました。

♣ 4世紀前までは 彼らはローマ語で意思疎通をしていたんだ !! (ヨーロッパには、国も言語も多数あるので、自分の国の言葉だけでは みんなに伝わらないから、共通の「ローマ語」で伝え合ったのだ)。

♣ フランスの哲学者 ルネ・デカルトは徹底的な「懐疑(かいぎ)主義の哲学を唱え、人が思考するに当たって「先人の教えを まず疑ってかかれ」と呼びかけました。思考体系を「建築物」にたとえると、基礎が磐石ばんじゃく)でなければ「砂上楼閣」になるからです。彼は「自分自身の感覚」さえ疑いました。感覚というものは、くるくる変わって、当てにならないからです。そして、ついに「我思う、ゆえに我有り」という、有名な真理にたどり着きました。その意味は「どんなに疑い続けていても、疑う元のワシ、つまりワシは間違いなく存在しておる(アイ・アム)ではないか ! 」、その基盤から哲学が始まったのです。そして小さな「思考の断片」さえも、きちんと取り扱い、矛盾のない真理体系を築きあげました。

♣ 同じ時代にガリレオ・ガリレイという天文哲学者がいて、自作の望遠鏡で木星(もくせい)を観察し、四つの衛星が親星の木星を回っていることを確認、コペルニクスの「地動説」の傍証を得ました。これを公表したため、彼はローマ法皇から破門を言い渡され、さびしく死にました。それから400年後(2008年、4年前 ! )、現法皇は、死んだガリレオに謝り、破門を解きました。時間的にスケールの大きい事件でしたね。ガリレオはこんな主張もしています:「測定できるものは測定せよ測定できないものは、測定できるように変換した後、測定せよ」と。これは、あとで述べる 物事の言語化」「数量化」の基礎になりました。

♣ 私たちは「介護の世界」に住んでいます。この世界には圧倒的な情報が満ち溢れています。デカルトやガリレオの言うように、情報は、まず「言語化」しなければなりません。また、同時に「数量化」せねばなりません。職員によって、得手・不得手はあるでしょうが「言語化・数量化の大事さ」を歴史に学び、現実に応用して行きたいと思います。

♣ 「コギト」とは「私は思う」でしたね;つまり「思った事を口頭で、または文書で表してください。表す以上、簡単・明瞭・美しく1) 述べましょう;これが「言語化」です。「スーム」とは「私は居るよ」でしたね;存在しているあなたが人間なのだから、「鶏(にわとり)少し、羊はいっぱい . . . 、」のような愚かなしゃべりをやめ、5羽、15匹のように「数量化」します。

♣ 意識が遠のいた「お年寄り」を見て、オロオロとするだけではダメ ! 「86歳女性、倒れています;意識は少しあり、問い掛けに対して 弱く返事をします(意識レベル20)、脈拍は . . . 」などのように、コギト も スーム ばっちり行なってください。そのうえ、記録が「簡・明・美」であったら あなたは もう100点満点です。私たちは それを目指しましょう。

参考: パールの安全管理 1) # 25 : 言語化して煮詰める。

職員の声

声1:コギト・エルゴ・スーム」って学校で習ったけれど、忘れていました;実生活でも役立つのですね(係り:コギト」とは「私は思う」;でも、思うだけでは「裏」がとれていない;できるだけ、「スーム」の所で、 I think 何々, because 何々 のように 理由と結果をつなげてください)。

声2: 先人の教えをまず疑うとは 福祉体系をも疑うことですか?(係り:人生すべてを疑います;でも「身の丈にあったサイズの問題」からスタートしましょう;たとえば「胃瘻」の問題をどうするか、とか . . . )。

声3: 仕事は、言われるままにするのではなく、自分で考えながら することが必要、と感じています(係り:考えながら行なうと、改善の路も見えてきます)。

声4: 「言語化」といっても、ご利用者が理解しないこともあります(係り: 「言語化」とはもっぱら仕事仲間に対する問いかけです;ご利用者に対しては「分かりやすい言葉に言い換えて説明」、または body-languageで行きましょう——だって、お地蔵様に説法しても無理でしょう?)。

声5:数量化」とは「大・中・小」などでは不十分ですか?(係り:それはナイよりマシです;でも工夫してみてください。たとえば、「」なら長さ2cmなどと言えばよいけれど、「足のむくみ」なら「自分の指で押して、5ミリへこむ」など;「意識の状態」なら「意識の三々九度の表」があるので、それに従うとか、工夫と勉強を組み合わせましょう。
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ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
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