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(3) ソロモン大王の介護

「ユダヤ教の神」は「エホバ」と呼ばれますが、実質的な神は「モーゼ」でした。紀元前1300年、モーゼはエジプトの奴隷として苦しんでいたユダヤ人たちを引き連れ、エジプトから脱出しました。目的地はカナン。しかし、もともとカナンに住む住民たちは、それを許しません。そこでモーゼはシナイの山に篭もり、エホバ神と対話をし、有名な「モーゼの十戒」を伝えました。

♣ モーゼの死後、ユダヤの民は困難な時期を過ごしましたが、前1000年ごろ、ダビデが現れ、カナンの巨人・ゴリアテを倒し、ユダヤの建国に成功しました。その子・ソロモンはイスラエルを最強の国にし、「ソロモンの栄華」をもたらしました。

♣ しかし、そのソロモン大王も年老いてくると、体温が下がり、ただの老人になりました。国民は冷たい体のソロモンを救うために、二人の若い女たちを裸にし、大王の両脇にはべらせ、体温をお移し申し上げました。女たちの体温が下がってくると、別な女たちで入れ替え、大王の体温を維持し続けました。当時、それ以外の延命法はなかったのです。

♣ しかし、残念なことに、大王は亡くなりました。ソロモンの死後、ユダヤの国は南北二つの国に分裂し、周辺の国々の襲撃を受け、三千年後のイスラエル再建国まで(1947年)、ユダヤ人たちは祖国の地がない民族になりました。

話は変わりますが、日本でも大正天皇がお亡くなりになる時、日本で最初のケースになる「点滴」をして差し上げました。欧州から取り寄せたリンゲル液は、今の値段でいうと、一本百万円もする高価なものでした。しかし、それでも大正天皇はお亡くなりになりました。

♣ 現在の治療法では、酸素・点滴・胃瘻など何でもありで、しかも王や天皇でなくて「普通の国民」がその恩恵を受けています。

♣ 前回の「安全管理・井の中の蛙」で、私は「欧米では衰弱した高齢者に点滴・経管栄養・胃瘻などをしない」と、お伝えしました。他方、古代ギリシャの医聖・ヒポクラテス(前400年) は「誰に対しても最善を尽くせ」と言っています。

♣ 歴史の流れの中で、むしろ欧米諸国は、先の見えない患者さんを「切り捨てる国々」と思えなくはないようです。しかし、この問題は東洋の不合理性尊重と密接な関係があります。以後も、時に臨んで一緒に考えたい、重要なテーマです。

職員の声

声1: 「体温を移す」という介護法にビックリです。

声2: 医聖・ヒポクラテスは「最善の医療・介護を尽くせ」と言いましたが、点滴や胃瘻の無かった3000年前の知恵は、娘たちの体温をもらうことだったのですね?

声3: ソロモン大王の時代に比べ、現在の介護は大きく変わり、今のお年寄りは幸せだと思います。

声4: 「現在の欧米では老人介護に見限りをつけた . . . 」とありますが、日本もそうなるのでしょうか?(答え: 日本は忠孝仁義礼の国です、金庫が破産しない限り、このままでしょう。

声5: 「幸せな最期とは技術的にできるだけの事をしてもらうだけではない」と考え、たっぷり哲学をしています。
プロフィール

ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
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