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(315) 賢い? アホ?

 (315) 賢い? アホ?     

 人は 「賢いのか、アホなのか、それとも物知らずなのか? 」 。

♣ 例を挙げます。コロンブスがアメリカを発見 し、欧州人が入植し始めた後、先住民のアメリカ・インディアンは 欧州人から感染した「疱瘡 (ほうそう、Small Pox)の流行により、人口の9割を失いました。人体内の「抗体」は欧州人ではできていたけれど、隔離された世界のインディアンの血中にはなかったからです。

♣ また、初期のアメリカ移住者は、インディアンたちが一枚岩でなく、部族間抗争に明け暮れていたことを察知し、一部のインディアンだけにを提供しました。この政策でインディアンたちは、激しい内部抗争を強め、その人口を減らして行きました結果的に欧州人はアメリカ大陸を容易に我が物にできた のです。

♣ また、アメリカ北部に住むイヌイットたち には別な方法で臨みました。イヌイットたちは広大な土地にパラパラとすみ、海獣相手の生活をするので、「銃」ではなく「」を持ち込んだのです。酒に酔ったイヌイットたちはアメリカ人の敵ではありませんでした。

同じ時代、イギリス人は「阿片」(あへん)を中国の富裕層に持ち込みました。阿片に溺れた人々は、自分たちに不利な貿易を唯々諾々(いいだくだく)と飲みこんだのです。そのうえ、阿片戦争 1) に負かされ、莫大な賠償金をイギリスに払いました。

♣ さて、ここからが私の考えです。医療・福祉の面で欧米の業績はすばらしいものです。私たちは そのおこぼれに預かり、多大な便益を得ています。身近なもので言えば、酸素吸入・持続点滴・延命胃瘻などがあります。でも、欧米人は賢い !! 次のことを、早くに学んだのです

♣ 「持続酸素吸入」は必ず「社会問題」に発展する。 
「持続点滴」は「生と死の区別」を曖昧にする。  
「胃瘻」は「呼吸する屍(しかばね)」を量産する。

♣ この学びにより、欧米人は「正しい医療適応がある場合に限って、酸素・点滴・胃瘻を 賢く使い分けます。「透析」も同じくで、サッチャー・英首相は 同法の適応を60歳まで と指導し、国家の財政破綻を食い止めました。つまり彼らは「命とは何か?」を早々と学習したのです。

♣ 学習は 一種の「結果の徳」です。たとえば、「疱瘡の伝染」は欧州人が意図したものではありませんね。また、仲良くなった身近なインディアンに「銃」を渡したのは、仲良しの印しであって、インディアン同士の殺し合いに加担したわけでも何でもありあせん。イヌイットへの「酒」も好意の印しであったし、阿片だって 求められた貿易だったのでしょう。

歴史とは「早く物事の蘊奥(うんおう、奥の奥)に気が付いた者の勝ち」という側面があります。疱瘡・銃・酒・酸素・点滴・胃瘻・透析 . . . 日本人は どれほど早く気が付いているのでしょうか?

もし日本人が本当に理知的な人間であれば賢い判断ができる」と信じますぶざまな呼吸する屍 (しかばね) 」の存在2~3)  などを許すハズはありません。

 参考: 1) 陳舜臣、実録アヘン戦争中公文庫、1989年。 2) 寝たきり老人施設: 「胃瘻アパート」 ;p30~32、週刊文春2012.4.12号。3) パールの安全管理 # 290 : 五箇条のご誓文。

職員の声

声1: アメリカ・インディアンが あの頃、人口の9割を失った、とは初めて聞きます(係り:疱瘡は命に関わる病気です;ご存知 450年前、独眼流・伊達政宗は疱瘡にかかり 命は拾ったものの、右目を失いました)。

声2: 銃・麻薬・点滴・胃瘻 . . . そう考えると、私たちの心は見事に侵されたことが分かり、恐ろしい;でも欧米人たちも苦しんで学んだのだ !

声3: 歴史は「早く‘奥の奥’に気が付いた者の勝ち」と言うが、まことに興味深い ナ(係り:500年前のスペイン・ポルトガルの勃興、250年前のイギリスの産業革命の進展、100年前からのアメリカ工業の脅威:以後、地球は豊かに、そして悩み多いものになりました)。

声4:ご家族の自己満足のために胃瘻を付けられると、それが 高齢者の幸せな「生命の質」と言えるでしょうか?4) 係り:延命は、いったん開始すると、それを中止すれば「お縄頂戴」(= 告発される)となる社会の仕組みがあります)。

声5: 医療上の発明が老人を苦しめています 5) ;欧米の賢さに見習うべきです(係り:もちろん 分かっています、でも問題が「自分の親の延命」となると、多くの子が理性を失います)。

声6: 呼吸する屍 (しかばね) 6) という言葉にビックリしました(係り: 英語では その実態が “ breathing cadaver ”と紹介されます、直訳です)。

声7: 現代の日本人は「賢くなく、その上、アホ」と感じること しばしばです(係り:たとえば、簡単に「胃瘻 !!」と叫ぶけれど、胃瘻の人の介護を嫌がるし、心が‘ずる賢い’ですね——外国人は理解に苦しみます)。

声8: 福祉の世界では、何が正しく、何が賢い選択なのだろうか?(係り:繁殖期間にある人間なら、なんとしても 命の援助するのが正しい;それを越えた高齢者の場合、みんながソロモン大王の栄華 7) を誇ることはできませんね;天然・自然 8) を旨としては いかがでしょうか?

声9: 我々は‘賢い’のか?‘アホ’なのか?係り: さあ、どっちだと思いますか?)。

参考: パールの安全管理 4) # 76 : 胃瘻のメリット・デメリット。 5)  # 73 : 医療の進歩が老人を苦しめる。 6) # 18 : 賢い?ずるい?それとも? 7) # 3 : ソロモン大王の介護。 8) # 260 : 天然介護。
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ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
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