(319) 今 ドイツ では

 (319) 今 ドイツ では    

 ドイツの介護体制は困難に差し掛かって いるそうです。困ったドイツの政府は日本の厚労働省に働きかけ、「うまく機能している福祉施設」の学習訪問先を求めました。厚生労働省の係りは「それならパールがよい」とパールを紹介され、先日 金曜日にドイツ厚生省のお役人2人と大使館員1人がパールを尋ねて来られました。半年前にもおいでになったので、これで2回目となります。

ドイツの実情は次の通りでした:① 介護保険の開始は1995年「要支援」は含まれていない;以後「見直し」もしていない;② 高齢者が増え、利用率も増え、経費運用が難しく なった;③ ドイツでの給付は「現物・金銭の二種類」があり、金銭給付がトラブルの元となっている(家族が現金を貰うと、介護目的以外の使用 が後を絶たない;近隣国の出稼ぎに介護を頼み、上前をはねる . . . 等、近年の日本の生活保護トラブルと似ていますね)。④ ドイツでは 介護記録をつくらないので、継続介護に支障をきたす—— これらによって、介護施設費と人件費は大幅に節約できる反面、困難への対応が遅れます。

♣ そこで求めに応じ、日本(パール)のやり方の一部を紹介しました:① 介護の申請・認定・ケアマネの出番の相互関係;② ワーカーの教育・研修・レベルの保持・育成など;③ 日々の記録、短期・長期のケア展望書の作成など。ドイツ側の反応: ① こんなに丁寧な事務処理をするとは驚きだ;② 介護記録をする時間があるのですか?、と重ねて驚く。

♣ たまたま 同日の夕刻、パールの理事会が開催され、上記の事を報告すると、R-大学のT教授(パールの理事でもある)は こう所感をのべられました:日本の福祉は世界一です、パールはなおのこと。しかし、世界一と思ったら、その足元から世界一は崩れてくる;決して世界一とは思わないように、と。

♣ 私たちは 自分の足元が崩れないように前を見つめながら一生懸命です。遠く 欧州の事情、近くはお隣の韓国・中国で どんな介護が行なわれているのか、知る暇がありません。でも、ドイツの福祉は 私たちが直接見習った国の福祉です。そのドイツの現状を知り、また彼らから 褒められたことは 意味深かったこと と思いました。以上、簡単ながら 今日のご報告です。

職員の声

声1: 日本でうまく機能している施設としてパールが紹介された、ということですが、その紹介元が東京都でなく厚労省だったと知り、「パールってスゴイ !!! 」と思いました。

声2: 介護保険制度の本元であるドイツの体制が崩壊に瀕している、とは驚きです(係り:きっと人の「性善説」に頼りすぎ たのでしょう:ケア記録は作成しなかったし、短期ビザをもつ周辺国の出稼ぎ労働者がケアに絡む ことも予想しなかったのでしょう)。

声3: 記録を作成しなかったと言いますが、もし訴訟が起こったら どう対応するのでしょう?(係り:金銭給付を避け、記録をキチンと付ける方法を選んでいれば、容易に解決できたでしょうね)。

声4: 3年に一度 見直しをする日本のシステムも良かったのですか(係り:これが 世界一の日本スステム でしょうが、 「天狗」にならず、スキルアップに努めましょう)。

声5: 現場で働くだけでは「木を見て森を見ず」になります;こんなお話を聞くと、広い世界に接することができ、展望を持って勤しむことができます。

声6: 日本でも問題点はあります;要支援の給付を介護保険から外すべきだ、との声 が多いです(係り:ドイツでは「要介護3」以上のみ だそうです;日本では総予算の半分が 要支援 1・2~要介護1 で使われている由、ドイツと違って 日本は“底辺に目を向ける”という特徴を持つポリシーなのでしょう。
プロフィール

ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
安全管理 ふじひろのページ

最新記事
全ての記事一覧
月別アーカイブ
カテゴリ
リンク
QRコード
QR