(322) 母を 散歩に 連れてって

 (322) 私の母を 散歩に 連れてって  

 ~そう希望する ご家族 が少なくありません。そこでパールの嘱託・整形外科医 Y先生 のご意見をお伝えします。

♣ < Y 先生> 筋肉の拘縮が起こっているお年寄りの運動療法にはリスク(危険)とベネフィット(利益)の両方がある。「利益」を望む家族の気持ちはよく分かるが、「危険」も大きい。本人が運動を望むのであれば別だが、お年寄りの運動で「肉が付くと思う家族の期待」は たいてい失敗 に帰する(肉は付かず、転倒する)。それでも「散歩」を希望するのなら、家族にしてもらうのが良い

♣ 歩行が不安定なお年寄りを散歩につれて行くのが、どんなに大変で危険であるか を ご家族に知ってもらいましょう。何事によらず、一番いけないことは ムリなことの「やり過ぎ」、次に いけないことは「やらナ過ぎ1) 運動訓練は「ほどほどに」を目安にします。

♣ 「それでも お願い」と言われて散歩に連れていき、何事も起こらなければ「無事」、何か起これば、それは 転倒、運が悪ければ骨折、入院、責任を取れ . . . と繋がります 2) 。毎年 春の季節に 新しい職員が入社し、彼らの善意の心による散歩が多数の事故を生みます。散歩と運動は ご家族 または 資格のあるリハビリ専門家に任せましょう

   参考:パールの安全管理  1) # 45 : ルー(Roux)と知恵。 2) # 217 : 無謀な介護。

職員の声

声1: 「ちょっと お願いね」と散歩を依頼されることはありますが、その“ちょっと”が曲者(くせもの) です;私は先輩の失敗談を聞いているので、用心深く“ご家族同伴”を願っています —— ご家族の不興 (ふきょう) を買いますが、やむを得ません(係り:医療であってさえ、筋肉は付かず 骨は丈夫になりません;ましてや散歩介護で 骨が強くなるハズはありません)。

声2: 家庭内の絨毯(じゅうたん)や畳の筋に足を取られて転倒する方もあります 3) 係り:三世代同居の昔なら転倒するお年寄りを目の辺りに見た家族の経験もあったでしょうが、今の時代 無知な人が多く、転倒をいちいち職員のせい にされては身が持ちません)。

声3: 私の知人のお婆さまは トイレ内の介護で尻餅され腰痛、その一週間後に大腿骨骨頭の骨折が判明し、手術を受けられました(係り:散歩~歩行~トイレ内での転倒・骨折は高齢女性の華です 4) ;骨粗鬆(そしょう)症の骨は 外力が加わったある時点で 予想を越えて突然 破壊し、たまたま傍にいた人の責任が問われかねません:普段から 十分 説明をしておく必要があります 5~7) )。

参考:パールの安全管理 3) # 50 : 六つのべからず。4) # 62 : 過失と責任。 5) #235 : 微細骨折。6) #176 : 神は無謬(むびゅう)なり。7) # 102 : 説明と同意の書。
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Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
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