(332) 人 と お金 の パラドックス

 (332) 人 と お金 の パラドックス    

 一見 真理に反するよう でいて、よーく考えると一種の真理を表わしている説をパラドックス逆説)と言います。:「急がば回れ」—— More haste, less speed. ;これに対して「急がば抜け道 はマヤカシ」です。今日は、パラドックスの目で「人・お金・幸福」を考えてみましょう。

♣ まず「人のパラドックス」。徳川時代から明治維新まで、日本の人口は永く三千万人以下に維持されてきました。明治に入り、日本は欧米の「資本主義」を学んで 殖産興業に励みました。そのためには「人」が必要です。かくして「産めよ増やせよ」の時代に突入しました。第二次大戦は負けたのに、現在の日本人口は一億二千万人を越え、江戸時代の4倍以上に増え ました。

♣ 人口は増えるのが当たり前と思いきや、死亡する人も増え ました:2005年度に、日本は初めての人口減少(死亡者107万人 > 出生者 106万人)が発生し、国民が危機意識を持ちました——人口は増えるのが「当然で正しい」のですか?仮にそれを肯定しても、無限増はありえず、人口の停滞・減少は 決してパラドックスではありません ね。しかも 増えたのは「稼ぎのない」高齢者でした。しかもその死は、自宅の「老衰死」が 敬遠され、医療・介護の手を加えるのが当然となりました。そのためには 莫大な経費が必要です。人は経費の負担をせずに、利益だけは貰いたい動物なのです —— これらは皆 しっかりしたパラドックスですね。

♣ 次に、「お金のパラドックス」に移ります。話を簡明にするため、終身雇用で20歳就職、60歳退職としましょう。退職金や年金は、「会社が」本人の給料から積み立てたお金に、利子や運用金を含めたものを支給する。そうですか? それなら大変 分りやすいし、問題も少ないでしょう——だって積み立てなかったものは払う必要がないからです。でも、実は 会社は40年ものあいだ、「お金を貯めてはいません」;積立金を投資・運営に流用し、大変なリスクで資金を失っているのが現実です。

♣ 資本主義だから「正論」は:今 預かったお金を運用し 利子をつけて 40年先に 増やしてお返しする。言ってみれば、「40年モノの定期預金」を頭に描けばよいでしょう。誰も40年先のことは正しく予言できませんが、「40年先に 元利揃えて戻してもらえる?」、あなたは それを信じますか? 仮に額面はそうであっても、絶対に「価値は下がる」、それもはるかに下へ、現実には無限にゼロに近づきます —— 証拠? そんな論議より「天下に横行する不祥事」を見てください。退職金や年金は見果てぬ夢のパラドックスではありませんか?

♣ 最期に、「人とお金のパラドックス」。不時に備えての「危険回避保険」は、割とよく機能し、幸福に繋がります。しかし「介護保険」は危険回避を目的としていません。だって、人は必ず 弱って助けられたあと死にます。統計によると、人は平均 寿命の8%の期間を「要介護状態」で過ごします不可避の運命に対して危険回避という制度は馴染みません。「介護期間のない死亡はありえない ! 」のですよ。つまり、40歳から初めて徴集する介護保険金はマヤカシでしょう、キチンとした「人口動態による政治」が必要だと思いませんか?

おさらい: 人間は増え、歳を取り、概してムダ飯を食い、助けてもらって、死ぬ。人はお金を預け、40年後に価値のない成果を返してもらう。みんな「正論」で始めるビジネスです が、実際には パラドックスがいっぱい詰め込まれており、「得する人」がうまく「得」をし、「損する人」は いつも「損」するように仕組まれているか に見えます

♣ 「人とお金のパラドックス」は、正しい介護の授受に繋がったとき、初めて幸福で公正であったと考えることができる;あなたは そう思いませんか?

   参考:  パールの安全管理 # 301 : 若者と老人の役割分担。

 職員の声 

声1: パラドックス(逆説);何か聞きなれない言葉で、内容も奥深いお話でした。

声2: 変だな?と思うことの中に「真実が含まれている」事をパラドックスと言うのを初めて知りました(係り:勉強をしたくはないが 一番になりたい;楽な仕事で 良い給料が欲しい . . . ヘンな考えだけど みんなの望みです)。

声3: 人口がどんどん増えた時代には、人口圧で老人が苦労したハズなのに、実際は「楽」でした(係り:あの時代は「人口ピラミッド」と言って 若者は多く、 死にはぐった年寄りは少なかったので「楽」、今は 死なない年寄りが多くて 逆ですね;これもパラドックスの一つ)。

声4: 官庁・金融組織が年金などの掛け金を「貯めていないどころか 減らしている」実情を見て、なんとも腹立たしいです(係り:“正義感の欠如”が現代の指導者たちの共通な特徴です;彼らは 若い頃 間違った教育を受けたのでしょうか?)。

声5: 年金がなければ老後は不安ですが、40年以上も掛け金を払ったうえ 詐欺的に 掛け金を召し上げられたら路頭に迷います係り:福祉国家は将来の安心保証を試みますが、戦争・天災・不均一な経済成長など 40年先のことが分かる訳がありません —— お金を握っている人の不祥事も 今後 絶えることはないでしょう —— 人を信じなければ生きられないけど、信じたら騙される のです、何たるパラドックス ! —— 結局 自己責任ですか)。

声6: 私は「少子高齢化」という現象に不安を覚えています(係り:あなたは 子育ては面倒、それでいて、ご自分は人の手を借りて長生きしたいのです;あなたの「本音」の中に「真実」が含まれていますか?パラドックスならば、必ずそこに真実があるハズです)。

声7: お金を「払う側と貰う側」の立場を考えると、「介護の授受」という面で 平均年齢が100歳に達する社会が 望ましいことかどうか矛盾を感じます(係り: 生命は 環境への適応競争だ」、とダーウィンは言いました:過去5億年のあいだ、生命の種類・環境変化などは間断なくあり、いま生き残っている生命は それを克服した生命 です;環境変化に不適応であれば、それは「絶滅」の運命に従うほかはありません —— 人が100歳と言う環境にムリのないパラドックスを見出せれば、心配ご無用、100歳社会が 必ず到来するでしょう)。
プロフィール

ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
安全管理 ふじひろのページ

最新記事
全ての記事一覧
月別アーカイブ
カテゴリ
リンク
QRコード
QR