(336) 自 己 責 任

 (336) 自 己 責 任   

 第二次大戦後、日本では初めて「自由と平等」という考えが広がりました。それ以前はどうだったか、ですって?「そんなものがある」とは誰も考えもしなかった のです。たとえば、織田信長や徳川家康が「自由や平等」を知っていたでしょうか?-- 自由・平等は「欧米語」の翻訳です、明治になってからの言葉です。

♣ 「国民は、パンが欠乏し 飢えていると言うけれど、パンがなければ、お菓子を食べれば良いのに . . 」、これはマリー・アントワネットの有名な言葉です。フランス王妃の、このような無知に代表される「人権無視」に対して、フランス革命の炎は燃え上がりました。そして勝ち得た「自由・平等・友愛」というモットーは世界に拡がりました。これ以前には、西洋でも、このモットーに基づく「人権」という考えはなかったのです。その代わりにあったのが各種の「宗教でした。宗教が人間界を動物界から救った のでした。

西洋では自由・平等・友愛の歴史が200年余あります。しかし日本にはわずか60年余で、この差は大きいです。戦後、自由を与えられた日本では、「自由には責任が伴う」と言うことを知りませんでした。今でさえ、十分に知れ渡っているとは言えないでしょう。

♣ 20年ごとの例を挙げます: ① 1960年頃から始まった「学校問題」——先生・生徒・保護者の間で揉め事が絶えません。 ② 1980年頃から表面化した「医療訴訟」——医療が普及するにつれ 国民の高度要求に対して informed consent(説明と承諾)が必須になってきました。 ③ 2000年あたり では介護界の「権利意識の高揚」があります。負担を忘れた権利の主張に当事者が泣かされます

♣ 自己主張をし、権利を申し述べれば、それなりの責任 を感じなければならない、と私は思います。諸外国では「ペイゴー1) という認識が定着しています。ペイゴーとは “Pay as you go. ” の略語で、「活動に伴う支払いを負担せよ」と言う意味です。社会活動でも「不平・不満・改善策」があれば、どんどん申し出ること、ただし「財源案」を添えること、に尽きます。これは「入るを計って 出ずるを制す」というモットーと同根の考え方です。「」を望むだけでは解決できません

♣ 社会保障の概念は戦後60年余で進歩しましたが、国民は まだ頼り根性 です。「楽」を好みます。そして憲法第25条を盾にして「人権保護」を訴えます。結果、今年の「生活保護」の対象者は 全国で ついに209万人を越え、5年前の2倍半になりました。東京都足立区では 区の税収が374億円、生活保護の予算が420億円で区政が困窮していると報じられています。国民は権利の主張をするが、憲法27条の「労働の義務」をお忘れだ !! 為政者も弱腰で 波風を‘受けて立つ姿勢’を見せません。

♣ でも、私は東日本大震災後の日本を見ていて、日本国民の「自己責任」を見る目が変わったように感じます。学校問題・医療訴訟・介護問題などについて、国民は少しずつ大人になって来た のではないでしょうか?きっとそうなって欲しい、それが私の願いであります。

  参考:パールの安全管理  1) # 107 : ペイゴー。

職員の声

声1: 私どもが自由・平等をもらったのは第二次大戦後(60年余前)とは知りませんでした;自由には責任が伴う事を頭に入れて仕事をします。

声2: 封建時代には自由がなかったけれど、責任もなかった;今は自由だけれど 道徳心がしばしば欠如する;‘自由で責任もない ’という訳には行かないだろう(係り:それでは 強いもの勝ちのオットセイ社会になります-- そして 平均寿命は30歳未満に落ちるでしょう)。

声3: 自己責任と聞いて、「スピード違反・駐車違反」を連想しました;こればっかりは 人のせいにできません。

声4: 介護保険で権利を主張し過ぎるご家族 があり、とても疲れます、残念です(係り:いまだに「丸投げ2) 、「手厚い3) を求める方々がありますが、だんだんと人の心は成熟して行くでしょう)。

声5: 時代とともに考え方も変わります、自由平等の歴史が60年余とありますが、さらに60年たつと どうなるでしょうか?(係り:タマゲルほど変わるでしょう:たとえば、200年の歴史を持つヨーロッパ諸国並みになるかもね —— 謙遜を知り、助け合うけれど 無闇に干渉しない、など)。

声6: 私は自由な社会環境の中で育てられた;しかし、決まりごとの中で行動するよりも、自由に行動することのほうが難しいのだと、今では思っています(係り:皆が天使さま のように立派で ホサナ. . ハレルヤ . . とささやき合って ノー・トラブルなら、そこは天国であって人間界ではありますまい;人は「斬新(ざんしん)さ」を求めて 相互に揉めることがあってもやむを得ないれど、そこには 「自己責任」の手枷 (てかせ) が おのずと嵌められねばならない と思います)。

 参考:パールの安全管理  2) # 327 : 丸投げしない。 3) # 333 : 「手厚い」を再考する。
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ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
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