(338) 男 114 歳

 (338) 男 114歳

 今年も 9月の「敬老の日」が近づいています。政府は毎年 この日に向かって 新しい 高齢者のニュースを発表するのが例のようです。今年は、早々とビックリ・ニュースでしたね:7月26日、いっせいに「日本女性の平均寿命は 世界で2位に転落 ! 」と報道されました。

♣ データによると、日本女性の平均寿命は ① 終戦後(1947年)で53歳、② 1960年で70歳、③ 1985年に 前年までトップであったアイスランドを抜きました。以後27年ものあいだ 日本女性はトップを走り続け、2009年には有史最高の86.44歳に到達しました。

♣ 戦国時代の織田信長は「敦盛の舞」で家臣を鼓舞し 1) 、桶狭間(おけはざま)の合戦で 敵将 “今川義元”の首を挙げ 天下を取りましたが、その舞の言葉は 「人間(じんかん)50年 、化天(けてん)のうちを比ぶれば、夢・幻のごとくなり . . . 」でした —— なんとそれは 450年もの昔 なのですよ ! この間、寿命は本質的に伸びず、そして何と 戦後の60年間で 36歳も伸びた !! 破天荒と言うべきか、驚天動地なのか !!!

♣ SF作家のアイザック・アシモフ 2) によると、抗生物質の実用以前(およそ80年まえ)、長生きといえば、「顎髭 もじゃもじゃのお爺さん」と決まっていたそうです。それまで、女性は 平均すれば 数人の子を産み、栄養と医療は不十分、常に「産褥熱」 (さんじょくねつ)で間引かれ、短命の定めにありました。仮に命を永らえても、体のカルシウムは多数の子供に分け与えたので、歯は 早々と抜け落ち、皺(しわ)だらけで 引っ込んだ口元をモグモグ動かしてつぶやく様は、まさに「魔女」のように思えたそうです。比べて今、パールの特養の平均年齢は90歳、中には100歳を越える方が3人ほどおいでです。隔世の感とはこのことでしょう !

♣ さて、今回 日本女性が負けた相手は「香港」です。負け惜しみではありませんが、グラフ上のデータを読むと、日本女性の負けは0.1歳レベルに過ぎません。負けた理由は ① 昨年の東日本大震災、② 肺炎の増加と推定されています。① はやむをえなかった;② は一考に価します:つまり、肺炎 = 誤嚥性肺炎とみられ、この病名は 新時代を画すもので——天命に近いですね。

♣ さてここで 元気なデータです。昨年の発表では、日本一のご長命は京都・京丹後市に住む木村次郎右衛門さん、なんと114歳 !! 日本一、かつ世界最高齢になったとアメリカの団体が発表しました。 木村さんは、起き上がるのに助けが必要ですが、毎食をしっかり取り、健康だといいます。男114歳は見上げたものですね。

♣ もうお一人 見上げた方がおいでです —— 満100歳の日野原重明先生です。彼は いまだに聖路加病院で患者さんの診察をされ、国際会議出席の予定表は5年先までブックアップされているそうです。生まれは私の故郷、山口県萩市の松陰神社そば、当地でお目にかかったことはありませんが、年に一度、お墓参り にいらっしゃる由。

♣ 日本の女性もタフで長命で立派、しかし男114歳も、日野原先生もスゴイではありませんか? 私たちは男女ともに「誇りに思う人々」に囲まれているのですね !!!

 参考: パールの安全管理  1) # 22 : 金寿のひみつ。 2) アイザック・アシモフ:邪悪な魔女は死に絶えた:(アシモフの科学エッセイ)存在しなかった惑星、p183~199, 1993. 早川書房。

職員の声

声1: 114歳の木村さんが6歳の時、ロシアは日露戦争(1904年)で 侵略の出鼻がくじかれたのだ . . . 彼は一人で一世紀をまたいで生きておられたのはスゴイ !

声2: 男114歳とは ! 百歳寿が こんなに増えた時代、頭が下がります(係り:百歳寿は1960年に統計が始まった頃 100人;それが「うなぎ登って」、昨年は4万9千人 ! 50年で500倍ですゾ ! )。

声3: 平均寿命はどこまで伸びる のでしょう?(係り:平均寿命の経年変化のグラフを見れば一目瞭然、もう伸びません ! 人の遺伝子は繁殖期間50歳用であり、頭脳を使って100歳まで生き伸びているに過ぎない;もっと伸ばしたいのなら「遺伝子操作」が必要だ)。

声4: 日本女性は平均寿命・一位を香港に譲り、今年は二位に転落したとのこと;世界一の時代の日本女性は世界一幸せだったでしょうか?係り:その時代、日本の要介護期間も世界一長かった —— これは 誉れとは言えないナ)。

声5: 戦後の日本の寿命は 50歳 → 90歳です ! 医療・文明の進歩で「若死に」が減ったのは有り難いことです係り:全く同感、でも、副作用もありますゾ。つまり 馬齢 (ばれい) 3) が増えて「 世代会計 4) が困窮しています —— 今、日本の引退世代は お一人1億円以上の予算を若者世代から召し上げている —— そんな大盤振る舞いは長く続かないよ)。

声6: 織田信長から400年に亙る近年までは「人生50年」、そして今は突然「人生90年 ! 」;延びた年月を みんな 喜んで楽しんでいるのでしょうか?係り: 「長い、長がーい老後」を もてあます人も増えてきた ようです)。

声7: 昔の人は今の半分以下の人生ですね;でも その生命濃度は今の二倍あったのでは ないでしょうか?もし そうなら、15歳で妊娠・出産も不自然ではない —— 昔の25歳は今の50歳に対応するのかも?係り:江戸時代の女の子は;20歳未満はむすめ」と呼ばれ 働き盛り20歳を越えると年増(としま) 」と、25歳を過ぎると大年増(おおどしま) 」と呼ばれ、御殿から降ろされた由あなたの「二倍濃度説」は正しいかもしれませんね)。

係り:神童として活躍したモーツアルト・ベートーベンなどに老年期などはなく、また 明治の天才作家・樋口一葉は24歳で没しました。ノーベル賞を受ける世界の科学者のすべては35歳以前にアイディアを完了させています。介護の世界は「長生き」の味方ですが、なんだか「申し訳ない」気がしますね

 参考:パールの安全管理  3) # 266 : 年金と介護の行方。 4)  # 302 : 世代会計。
プロフィール

ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
安全管理 ふじひろのページ

最新記事
全ての記事一覧
月別アーカイブ
カテゴリ
リンク
QRコード
QR