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(343) 平和な 乱世

 (343) 平和な 乱世    

 いま、NHKの大河ドラマ「平清盛(たいらのきよもり) 。見ていると、800年前の日本の風物・習慣は こんなものだったのか、と驚きます。

♣ 耳に聞こえるのは 源平合戦 (げんぺいがっせん) として知っているものの、攻めなかったら攻められる;身を守る最大の手段は先制攻撃である;弱音を吐いたら落ちこぼれる、最終的には「天下取り」を目指す。そんな物騒な時代が何百年も続きました。「倒すか 倒されるか」、しょせん 「二律背反」 . . . 形は変わっても 今の世界も そうなのでしょうか?

♣ そこで、現代 経験する実例を見ましょう。病院では 深夜に水虫の薬を求め 救急車に乗ってくる患者;聴診器で首を絞められる医師;性的な関係を迫られ、抱きつかれる看護師;外来検査で異常がなかったので「金を払わぬ」という患者 —— 何てことでしょう ! 全国の大学病院では 昨年一年間で医師・看護師が患者・家族から受けた暴力ケースは430件、理不尽なクレームと暴言は990件も報告されています1) アメリカを除くとこの傾向は、福祉先進国で共通だと言います。

♣ 「ニートや引きこもり」の問題は多く、学校でも、金はあるけれど 給食費は払いたくない;うちの子が窓ガラスを割ったのは、校庭に石が落ちていたのが悪い;怪我をした我が子を ナゼあんなヤブ医者に連れていったのか;学校へ苦情を言いに来るために会社を休んだので、休業補償を出せ . . . モンスター・ペアレンツの言い分はキリがありません。

健全な「権利意識の主張」なら welcome ですが、バブルの終わった後の20年、日本はいったい どうした のでしょうか? 貧しかった昔の日本では、人は人をもっと思いやりました。しかしモノであふれた今の日本は、心が貧しくなり、学校にクレームをつける;幸せでないから医師・看護師に暴力を振るい、暴言を吐く。

現代と言う時代は、豊かに見えて貧しい のかも 知れません。平和に見えて 実は乱世 なのでしょう。介護の世界でも、正当なクレームには教えられるものがあるけれど、「権利意識の高揚」としか思われない難ケースで 泣かされることも少なくありません。医療・看護・介護には「量・質・コスト」の三要素があり、開発途上国および日本では「質」が後回しになるそうです。今後は きっと「質」が問われてくるのでしょうか。

♣ 私は、「人を思いやらない自己主張”は淘汰(とうた)される」と信じます。 平和な乱世」は いずれ「笑顔の平和」へ行きつく と期待します。時代は このところ大きく変わりつつあるので、きっと中庸な道が見つかる、と信じています。

参考: 1) 和田努、病院へのクレーム : 新医療 10 :31, ’07.

職員の声

声1: 我が息子が喘息で苦しく、夜中に大学病院に連れて行ったら 30分以上待たされ、困り果てた記憶があります;これが2度3度続くようなら、Dr. の首を聴診器で絞めたくなります;私はモンスターでしょうか?(係り:もし実行なさっていたら モンスターです;医療・福祉の領域は「需要が供給を上回る」ように設計されています ので、供給不足に関する ご不満がたくさん報告 されています;参考までに マイケル・ムアのビデオ( = シッコ)を見ると、アメリカは アメリカ流の方法で 賢い解決をしています)。

声2: 私はナースです;救急車で来られた重症の呼吸困難な方ですが、個室で呼吸器を付けて救命したところ、「勝手に個室で治療したので、料金を払わない」とゴネられ 悲しかったです、まったく「乱世」だと思います(係り:これを資本主義では“売り掛け金 未収”と呼ぶそうです—— 救急でこれに出会うと ファイトが抜けます)。

声3: 自分自身の要求が正当だと考えるモンスターたち;いつの日に平和な気持ちになれるのだろうか?(係り:(ほとけ) さま にもクレームがつく世になりました;イエスさま は“右の頬を打たれたら、左の頬も出しなさい”と言われたそうです;あなた できますか?)。

声4: 解決できるクレームと、理不尽なクレームがあると思います(係り:クレーマーは、何が理不尽かが分からない ようです)。

声5: 私の友人の夫が駅で倒れ、延命を受け、その後のご家族の苦労を見ていると、私は「延命反対」です(係り: 医療で“後出しジャンケンの意見”を出されると、社会が荒廃します よ)。

声6: ある女性の独居高齢者、病院に入院して「餓死したいとおっしゃり、私は あわてました(係り:平和な乱世の中で思うことは「自己中心と“思いやり”の対立」ですね——病院は治療する所だとご存知なはずですが、淋しさのあまり 我が侭が出ました)。

声7: 人生50年で貧しかった昔の日本なら「平和な乱世」などは なかったのでしょうか?(係り:あったと思いますでも人生の理 (ことわり ) を もっと受け入れていたのではないでしょうか。明治の徳富蘆花 (とくとみ ろか) の小説ですが 2) 、二十歳前で結核を患う浪子は 新婚の夫・武男につぶやきます:あ あ あ、人間はなぜ死ぬのでしょう ! 生きたいわ ! 千年も万年も生きたいわ !  死ぬならあなたと二人で ! —— そして 浪子は静かに逝きました)。

   参考:パールの安全管理 2) # 83 : 不如帰 (ほととぎす)
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Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

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