(349) 若年性 認知症

 (349) 若年性 認知症    

 今日は、職員からの質問を 精神科の <O先生> にお訊ねした症例の報告です。質問: 認知症とは 高齢者の病気だと思っていたのですが、最近、40代の男子が認知症を発症し、一家の中心を失った家族の悲嘆が新聞紙上に報告されました。老年性の認知症とは どのような違い があるのでしょうか? 認知症は親から子へ遺伝することはあるのでしょうか? 

♣ < O先生のお答え> “若年性”とは 18歳から64歳までに発症した認知症の総称である —— 精神科では、18歳をもって“成人”とみなす;65歳以上は 厚労省基準で“老人”だ。若年性認知症の病因として多いのは、40歳までは「脳出血・脳梗塞・頭部外傷」がほとんどであり、40歳以上ならアルツハイマー認知症が時々ある。その頻度は 1万人に4人ほどであり、全国の患者数が数千人と見積もられている。

♣ 老年性認知症との 主な違い は:- ① 若年性認知症の人は 全認知症の1%程度で少ない、② 遺伝による頻度が多い;アルツハイマー病は高血圧が遺伝するのと同じレベルではない;生活習慣や文化・食品によっても変わる。最近の研究では アルツハイマー病患者の神経細胞では 原因物質その人の胎児期から蓄積し始めている可能性がある という1) 。また 脳に見られる「老人斑」も、神経発症の15年ほど前から発見できるという 2) —— 老人性認知症とは全く異なる !

♣ 若年性認知症の 問題点:- ① どんな病気かが理解されていない、② 家族関係に大きな影響がある、③ 経済的に問題が出て来る、④ 受け入れてくれる施設が見つかりにくい。

♣ この若年性認知症という病気は 私たちにも発症する可能性があり、考えると恐ろしいことです。その一部は 20歳代の血液検査で判明する そうですが、判明しても「打つ手が無い」;アメリカでは誰も検査を希望しない、と言われます 3) 。私たちは難しい時代に突入したのですね。

  参考: 1)  iPS細胞医療、その現状。Newton (October):98~ 105, 2012. 2) Kathleen McAuliffe : Early Diagnosis for Alzheimer's. Discover 1-2: 32, 2011. 3) James Shreeve : Secrets of the Gene. National Geographic 10:42~73, 1999.

  職員の声

声1: 私は 若年性認知症が「遺伝性」であるとは、初めて知りました、怖い !

声2: 高齢者認知症とは違い、若年性認知症は「測り知れない重み」があります、本人にも、親・恋人にとっても。

声3: 人ごとではありません、ゾッとします;薬はないのですか?(係り:ひたすら 人格が崩れて行く そうです)。

声4: 誰が支援してくださるのでしょう?(係り:認知症との診断があれば、介護保険の守備範囲 です;ご安心を ! )。

声5: 私は このところ「あのー」「あれは . . . 」と言うことが増えました;認知症の心配をしています(係り:認知症の一大特徴は「本人の自意識が皆無 ! 」という点 です、その点 あなたは該当しない;でもテレビのアナウンサーは決して「あのー」と言わないよう訓練しているのですよ ! 努力なさい ! )。

声6: みんなが長生き するようになると 認知症の脅威は膨らんで来て、ひどい事態 になるのでは?(係り:今の日本は、世代会計2) の観点で見ると、すでに“ひどい事態”に陥っています;「イギリス病」はサッチャー元首相が退治しましたが、「日本病3) は どの総理大臣殿が克服して下さるのでしょうか?)。

声7: 認知症の脅威は比較的に新しい40年前からの問題です 4) 。「ひどい事態」はどの時代にもあったのでは?(係り:日本の歴史を振り返るだけでも、「ひどくない時代 」はなかったでしょう-- バブルの時代(ca 1970~1990)以外は すべて「ひどい事態」の連続でした-- だから 問題は”どのように それを乗り越えるか?に懸かっているのでしょう)。

参考:パールの安全管理 2) # 302 : 世代会計。 3) # 116 : 日本病。 4) # 2 : 痴呆以前。

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Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
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