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(352) 瞬時把握 (しゅんじ はあく)

 (352) 瞬時把握 (しゅんじ はあく)  

 今回は「心がけ」の問題として“瞬時把握”を取り上げてみます。

♣ 私は先週(8.6)、近所にある某私立中学高校のオーケストラに招待され、出席しました。観客席からステージをみると、沢山の子供たち が いろんな楽器を使って演奏します。私はその人数の多さに驚き ました。私の人数の推定法は:楽器の存在が目立つ管楽器の人数を、キチンと20人数える;次に弦楽器は、その2倍ほどあり、その他を合わせて、合計70人程度と推定しました。一種の「瞬時把握」です。

傍にいた夫に声を掛けると、彼は彼なりに人数を数えていました、その数は100人でした。彼の推定法は:観客席に近い第一バイオリンが7人×2列 = 14人、弦楽器の総数は第一バイオリンの四倍と推定できるので 約60人、プラス 管楽器の20人、プラス 打楽器やハープなどが20人、総計100人というものでした。後で探した正解は、コンサート・メニューに出ており、97人でした。瞬時把握において、彼の方が勝っていました。

♣ ある時、私は 街の選挙演説で 集まった市民の数を推定する方法を聞いたことがあります。あるいは、テレビで 落語の実演に招かれた人々の人数を把握するやり方も学びました。それは:まず20人のブロックを目視で区切りそれの何倍で全体数が近似できるか、と暗算する方法でした —— なるほど、賢い ! 20人が7ブロックなら ニシチ 140人などだし、30人ブロックを採用すれば サンシチ 210人などとなりますね。なるほど、話って 聞いてみるもんだ、と思いました。

♣ このように、「多い」とは「どのくらい多い」のか、あるいは「不自由」と聞けば「どの程度、不自由なのか」を、根拠をもって瞬時に推定すること を、「瞬時把握」と呼びます。これは仕事をする上で、とても大事なことです。

♣ 頭の体操になるので、他の例を挙げましょう : ① 人の年齢をプラスマイナス5歳で推定しましょう → たいてい当たるでしょうね。② 同じことを「体重」について推定します。③ さらに役立つのはB.M.I.」(体格指数)1, 2) の推定です。B.M.I の正常値は 22 ± 3 です —— この数値が 12 まで落ちると寿命の終点でしたね。この推定はモロに臨床で役立ちます。自分で推定した後、資料を見て 真実を確認します。これで、あなたの瞬時把握の練習が一歩前進です。

♣ 把握は「数」だけに限りません。ご利用者の心身状態は 考えたくなくても、まず推定しましょう。たとえば「元気さ、熱さ、笑い など」。主観に陥らないために、何かの資料を足して、瞬時把握を完成させます。これは「心がけ」の問題です。

♣ 400年まえ、ガレレオ・ガリレイはこう言いました:“物事はすべて測りなさい、もし測れないものがあれば、それを“測れるように変えて測りなさい”。

♣ ナゼ測ることが必要かですって?私たちは 測ることによって、物事を把握するのです。そこから より正しい真実に近づくことができるのです。日々の観察、あるいは情報をキャッチして、ケアにおける瞬時把握のゲームを楽しみましょう。

特にリーダーとなる人観察力と提案力を養いましょう。

参考: 1) パールの安全管理 文献=新谷冨士雄・新谷弘子:体格指数(BMI)から見る生と死の狭間:老人ケア研究 第33号 2010年1月 p12~23. なお、この文献は「パールのホームページ」の1頁目からリンクできます。 2) # 33 : 天寿の終点は B.M.I. ≒ 12。

職員の声

声1: 瞬時把握は「思い込み」や「決め付け」とは ぜんぜん違う ものですね;私はもっともっと訓練します(係り:いわゆる「第一印象」とは根本的に異なります;瞬時把握には「しっかりした根拠」が必要です——恋する娘を瞬時把握することは困難です)。

声2:ヤマカン」とも違う のですね(係り:試験のときのヤマカンですか?それは「当たるも八卦 (はっけ) 当たらぬも八卦」でしょう —— 瞬時把握は 基本的には「的中」に近い ものです)。

声3: ご利用者や ご家族、あるいは 窓口におい出での方々を見ると、どんな方々なのか 瞬時把握が困難です(係り:目的や問題意識がないままでは瞬時把握はできません;容疑者を割り出す刑事、または診断を下すまえの医師などを想像し、要に臨んで「鷹の目」を思い出しましょう)。

声4: 年齢の瞬時把握は 高齢者の場合 驚きの結果がでることがあります;10歳ほど若くみえる方が少なくありません(係り:普通 ± 5歳で外れませんが、± 10歳とせねばならない ご時世になったのですかね)。

声5: 物事を「測る」というガリレオの意見に納得、瞬時把握は 正確な経験を志すと理解します(係り:要介護度の進んだご利用者は生命の危機を判断するのが 日々困難です。そのために「体格指数」(B.M.I.)の応用が開発されています;ご利用者たちを毎日見ていると、微妙な変化を見逃すことがありますが、B.M.I.の測定値をグラフで追うと、ガリレオの言う通り、見逃すことは少なくなり、その上、ご利用者を見るだけで見透しが効くようになります)。

声6: ご高齢の方々を対象とする私たちの生活では、現状の把握だけでは済まされず、少々先のことまで「把握したつもり」で臨みたいです(係り:現状を正しく把握できれば、その情報により将来を透視しましょう;その杖歩行の方は 一瞬のちに転倒・骨折するかも知れません;さっきむせていたご利用者は 今夜 誤嚥性肺炎で高熱を出すかも知れません:こうなると「占いの領域」に入りますが、その基礎は「現状の正しい瞬時把握」にある のです)。
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ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
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