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(357) 酸素 の 借金

 (357) 酸素の借金     

 皆さん方、空気の21%は酸素であることをご存知でしたか? 現在、太陽系の惑星・衛星で酸素大気があるのは地球だけ です。その酸素の全部を過去の植物が作ったこともご存知でしたか?つまり地球の歴史の中で、酸素が大気の中に溜ったのは、最近の10億年ほど で、それ以前の36億年には、酸素がなかったのです。多くの「細菌類」は酸素を好みませんが、それは地球に酸素がなかった頃の生命だからです。

♣ さて植物は緑色の「葉緑素」を発明し、太陽光・水と そのころ空中にたっぷりあった炭酸ガスから植物体を作り始め、 「排泄物」として「酸素」を空中に 出しました。その酸素が溜りに溜って、現在の空中の酸素があるのです —— 我々は 今でも植物から排泄された酸素を頂いて暮らしています

♣ 空中に酸素がそんなに多ければ、我々は酸素に不自由をしないはずですが、なんと「」が健全でなければ、たちまち「酸欠」で死にます。また、我々の体の中で酸素を大食いするのは骨格筋」です。筋肉は肺から酸素を得てブドウ糖を燃やし、エネルギーを発生させます。この辺までは理解できますね。

♣ さて、ところで、酸素が 肺から筋肉に到達するのには 時間が 何秒か 掛かります。我々は 酸素が筋肉へ届くまで何秒かの時間を「待つ」のでしょうか?そんな悠長な事をしていたら、とっさに逃げたり、転倒を防いだりすることはできません

♣ そんな場合は酸素を筋肉から借金してブドウ糖を燃やし、臨時エネルギーを発生させます。これを「酸素の借金」と呼びます。この借金をする能力が大きいほど、敏速な運動ができます。しかし、歳をとると、だんだん借金をする能力が落ちてきます。このため、お年寄りは、筋肉量も少なく、敏速活動が苦手となります。でも、この借金能力は「体操を続ける」ことで、ある程度 回復します。だから、お年寄りには散歩などの体動が必要なのです。

♣ さて、酸素の借金はいつ戻す のでしょうか?借金した場合、ブドウ糖は部分的に酸化されて乳酸になり、筋肉に残ります。ほって置くと筋肉が痛みます ので、ハーハー息を弾ませて呼吸をし、遅ればせながら 酸素を筋肉に供給し、借金を戻します。借金が戻ったら、乳酸は炭酸ガスとなり、肺から排泄され、筋肉の状態は元に復帰します。皆さん方、自分にも、お年寄りにも、軽い運動を勧めましょう(有酸素運動)。

♣ 酸素の借金がキチンとできるような体をつくると、敏速な運動ができる ようになります。

職員の声

声1: 筋肉を動かすのには酸素が必要だ、と初めて知りました係り:自動車が走るのにはガソリンだけでなく、空中の酸素が必要です;同じ原理です)。

声2: 筋肉が臨時に急なエネルギーを必要とする場合、酸素を借金できるのですね(係り:バイクなど、急発進するとき、黒い煙を吐いて、ガソリンの不完全燃焼をしていますね、あれと似ています)。

声3: 人が運動で一番大きな借金を求めるのは「400メートル疾走」だと思います;この時 ランナーは呼吸をしていますが、酸素の消費量が多いため、相対的に酸素借金が増え、走ったあと「ケツ割れ」と呼ばれる激痛が走ります(係り:きっと筋肉の中に、不完全燃焼の「乳酸」がドッサリ溜るからでしょう)。

声4: マラソンで完走できる選手は 酸素借金が上手なのでしょうか?(係り:2時間半ものあいだ、借金し続けることは不可能です;追い抜くときの酸素借金は別として、基本は その人の酸素供給能力に応じた「走り」しかできません。

声5: デイ・サービスで行う身体機能訓練は酸素借金にどのくらい繋がっていますか?(係り:訓練は「神経・筋肉・栄養・酸素借金」の 4要素 から成ります;閉じこもり生活の人は、これら全部を失います)。

声6:あくび」が出るのは「頭への酸素が不足している」と聞きます、本当ですか?(係り:人の顔を見ながらアクビをするのは 失礼ですね、でも赤ちゃんや猫も鶏もアクビをします;血中酸素濃度を測っても酸素濃度は 低下していません;また酸素欠乏の肺炎でアクビはありません:アクビの原因はたいへん複雑だそうです)。

声7: 空中の酸素は21%とのことですが、その濃度を増やしたら元気が出るのですか? 係り:いわゆる酸素吸入ですね;病気 または 航空機などで 血中の酸素濃度が減った場合の補充には役立ちます;しかし余分に30%以上などを用いると、身体障害が発生します;なかには 酸素吸入を受けながら煙草を吸う愚か者が火災を起こす例が後を断ちません;ひどい場合には酸素爆発もありえます。心の弱さにつけ込み、酸素用品を売りつける商売もありますが、ひっかかるバカが大勢です;気をつけましょう )。

  参考:パールの安全管理   # 292 : 酸素と鰯の頭。
 
 <<注意>>
 ヒトの生理的現状は 何百万年の進化の結果に得られた 過不足のない 立派なも のです。病的に不足するものがあれば「補充」しましょう。しかし「過剰」は避けましょう。たとえば、高山の酸素不足には 酸素補給が有効です。しかし 普通の状態で高濃度の酸素を吸入すると 酸素過剰による事故が発生します-- ふだん燃えない物が突然燃え始めます。この意味で、酸素は「お金」と似ています-- ほどよく借金ができ、キチンと戻す-- 過剰な借金は身を滅ぼす-- 借金を勧める業者はゴマンと居る-- 注意して下さい。
 
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ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
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