(362) 生き馬の目、目から鼻へ

 (362) 生き馬の目、目から鼻へ   

 今日は「生活の中の知恵」を考えます。

「生き馬の目を抜く」 、これは「生きている馬の目を抜き取るほど、意表 (いひょう) を衝いて(ついて)、素早い」ことを表します。「目を抜く」とは「抜け目がない」ことを連想させます。田舎から上京した人が、都会の喧騒 (けんそう) の中で 早速 スリに財布を抜かれたら、きっと このことを実感するでしょう。私が子供の頃「怪人二十面相」という探偵物語がはやっていました。二十面相が日時を予告して、ある家庭の大事なダイアモンドを盗みに来ます。家人・警察で厳重に守られているにも関わらず、ダイアモンドが見事に盗まれていく;そのカラクリは「生き馬の目を抜く」ようなスリルがありました。現在で言えば、人気テレビ番組の「ルパン3世」というところでしょうか。

本当の馬の目を抜くことはできません。馬の目は誰にも見える位置にありますし、仮に抜くことが可能であっても、抜かれるほうの馬は、痛みに驚いて抵抗するでしょう。にもかかわらず、抜いてしまうのだから、拍手喝采 (はくしゅ かっさい) となる訳です。私たちの周りでも、これを見る事があります。「まさか、あの人が !?! 」と思う快挙が 時にあります。お相撲でいうと、幕下が横綱 相手に「金星」( きんぼし) を取るようなものですか。介護の場でも、徘徊・転倒骨折・誤嚥などを見事に事前防止した例の報告を聞くと、私は「生き馬の目を抜いたのだ」、と褒め称えます

「目から鼻に抜ける」 というのも面白い「ことわざ」ですね。目と鼻は すぐ隣にあるので、その意味は「利口で物事を理解する力が素早い;判断も素早い」です。一瞬にして「何が求められているか」が分かり、それに応じて行動することです。これに近いことわざで言うと「一を聞き、十を知る」があります。これは「理解と洞察力を問題」にしますね。これに似て非なるものに「クイズ番組・博覧強記」があります。テレビでご覧になるように“クイズ勝者・博覧強記の人”には脱帽ですが、物識りの場合、判断力はとくに問題視されません。

♣ しかし「目から鼻」なら記憶よりも判断力が問題となります。この能力は、ある事柄に出くわしたとき、「その先を推し測る能力」を言います。これは社会生活の中で とても有用ですね。そして 誰でも その気になれば、「目から鼻に抜ける」ことができます。たとえば、あなたが「子の親」であれば、子の危険を先読みして それを「避ける」知恵が おのずと湧いて来ます。介護の場では、「相手とあなたとの試合」ですよ:だって、「認知症の周辺症状」は 相手によって とても個性的なので、教科書で教えられる方法だけでは 先の危険信号を読みきれません1) あなたの臭覚をいっぱいに広げて、 「目から鼻へ」抜けて下さい

♣ もし、その力を仕事場で生かすことができれば、あなたは100点満点 !! そのとき、あなたの目は輝いて、とても素敵になります。

参考:パールの安全管理   1) #355 : 救急車を20回 呼ぶ。

職員の声

声1: 復習します:「生き馬の目を抜く」とは 「意表を衝いて、素早い」こと;「目から鼻に抜ける」とは「利口で判断が早い」ということですね?(係り:前者は「ワシにもできるが、あなたは もう済ませたのか?」という “驚きと称賛の意味”が含まれます:また後者は“物事の 先( さき) が見え、対応の心準備ができている”ことを言い表します)。

声2: テレビの「ルパン3世」が面白いのは、人の意表を衝いて 物語の展開が素早い ことだと思う —— 介護にも この面白さが生きる のですね。

声3: 「目から鼻に抜ける」とは、その反対語が「ノロマ・マヌケ」ですか?(係り:語弊 (ごへい) を許して頂けるなら “Yes, yes ! ”。

声4: それは学習と経験によって培われる能力ですね?(係り:そうではなく 主に「人の心構え ではないでしょうか? 人は幼稚園児の頃から 目から鼻に抜け始めるようです:その要点は“疑問を持つか 持たないか”にあります—— あまり無邪気に物事を あるがままに受け入れてばかりいると、目から鼻に抜ける必要がなくなるでしょう)。

声5: 「介護のマニュアル」に捉われず、臨機応変な行動ができるか否かが問われていますね(係り:その通り;でも孤高 (ここう) にならないよう、ホウレンソウ 2) をしっかりしましょう)。

声6: 「生き馬の」も「目から鼻に」も面白い教訓だ;問題は「受身でボーケー ! 」と時間を過ごさない事だ、と受け止めます。

  参考:  2)  パールの安全管理 # 148 : ホウレンソウ。
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Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
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