(364) ゆとりある老後 と 年金の保証

(364) ゆとりある老後 と 年金の保証
    
 パールの ある職員が述べていました:ゆとりある老後は 確かな年金の保証から始まる、と。なるほど、なるほど。ここで私は 三つのキーワードを見つけ、それを今日 お話し します:キーワードとは、① ゆとり、② 老後、年金です。

「ゆとり」 って いい言葉ですが、すぐに 思い出すのは 2002年に始まった 「文部省のゆとり教育」、次に「ゆとりある老後」というフレーズです。ゆとりって、「あくせく しない、くよくよ しない、病気の心配もない、小遣いもある、つきあい も人並みにできる . . . 」、いい事づくめ です。でも、たいていのゆとりは ほとんど他人様のお金と労力」を当て込んだ幻想です。それは「他人のふんどしで相撲を取る」ようなもので、間違っています。 「ゆとり」とは自分の中で調整して実現すること では ないでしょうか?

♣ さて次のキーワード = 「老後」 1) ですが、この言葉には 対応する英語がありません。日本語だって、あなたは「老後」って何か、具体的に考えたことがありますか?昔は「還暦の前後」の意味があったのでしょうが、今は 100歳の人でも“老後のために貯金する”時代 です1) 。しいて「老後」をイメージすれば、定年後「貯金をくずし 年金生活に入っている状態」でしょうか。だから、昔の老後は「5年間」程度;それに 著しく反して今の老後は 60歳から110歳の「50年間」でしょうか。現在は「延寿」の時代です。天国には「食堂もトイレも」必要ありませんが、延寿の この世では そのいずれもが必要だし、しかも有料です。

♣ この世で延寿を楽しもうとすれば 「年金」 が必須です。今でこそ「年金がなければ生きて行けない;年金を充実させよう ! 」という掛け声がありますが、日本で年金が市民生活の基礎となったのは、バブル時代、わずか20年ほど前です(1990年で60歳以上老人の半数のみが受給)。それまでは 予算もなかったし、人は早死にでしたので、必要度も高くなかったのでしょう。

♣ 年金は ① 国民が「掛け金」を掛け、② それに政府が助成金を積み重ね、③ 年期までの運用利息を合わせて、払い戻し、となります。ところが いざ 制度を始めてみると、新聞・テレビなどで 理由をご存知でしょうが、① ② ③ すべてが 猫ババ騒ぎ ! 2) その上 ④ 延寿の足枷 (あしかせ) が付け加わりました —— 還付期間が5年で済まず 40年以上に長引く のです。 受給者にとって年金は必須ですが、年金は 受給者を騙さない限り存続できない、という 矛盾 の仕組み ! その結果 ゆとりある 老後と 年金の保証」は 掛け声倒れ になりました3) 。最近では「老後の暮らしは自己責任」という風潮も報告され4) 、時代の変化に人々は翻弄 (ほんろう) されます。

♣ 別件ですが 今、「生活保護費」が213万人 (2012年末) の方々に 国税の1割の一年 4兆円が支払われています。これは やがて20兆円(国税の半額)に及ぶらしいし、その時 日本国は崩壊します。

♣ 20世紀以前では、偉大な文化人・科学者であっても 極貧で死んだ人々は 各国 数知れず ありました——まして普通の人たちも そうでした。20世紀の福祉行政は そのような悲惨を避けるために多大な努力を重ね、その成果を挙げましたが、人間は すぐ楽 (らく) に溺れます

万人 高齢の新時代です: 「ゆとり」は他人の懐を当てにしてはいけません ! また、 「働かずして食える福祉」は間違いです5) 。年金を含め、 「食いたいのなら どんな形でもよいから まず働け ! 」を実行して欲しいです。

   参考:パールの安全管理 1) # 317 : 老後の支え。 2) # 266 : 年金と介護の行方。3) # 131 : 命:魔法と現実の相違。 4) 村 千鶴子:消費者はなぜ騙されるのか、学士会会報、 9月 No-896: 23~27, 2012. 5) # 358 : 良きQOLって 誰のQOL?

職員の声

声1: 動物は死ぬ日まで働いて生活の糧を求めている;その生き方は尊く、怠け心を持つ人間より美しい係り:人間も寿命50歳までの昔は、よく働き美しかったが、福祉活動の発達と共に寿命が伸び、そして怠け者が増えましたね)。

声2:ゆとり教育」のお陰か 日本の若者は国際社会で働くスタミナを失いました;バブル時代は「よく働き よく遊ぶ」だったが、今は仕事を選り好みし“生活保護”でも平気な人も増えました(係り: 「ゆとり」は「長寿」という言葉に似ています —— 目標として結構だけれど、いったんそれを達成すると、他人に寄生して横着になるようです)。

声3:人間は すぐ楽 (らく) に溺れる」というのは真実です;みんな「働かずして“食う”ことを求めます係り: (らく) する王様の数と老人の数では、その被害は比べものにならないしね)。

声4: 他人依存の老人が増え過ぎて社会を圧迫する事実、それも困るなー(係り:昔 老人の数は少なく、家族はペットと仲良く暮らすような気分でした;今 国は 老人のお一人ごとに 1億2千万円も掛ける時代に変わったのですよ6) )。

声5: 「長生きによる老害、胃瘻の虐待性」などで正論を述べる人が、いざ自分の家族の話になると、まるでキリギリスのように 寄生虫論者になる、呆れます。

声6: 長寿を達成すれば「清貧・質素」ではいけないのですか?(係り:そうあるべきでしょう:だって 老人が若者に寄生して 楽 (らく) すれば、イソップ物語ではないが、黄金を産む「がちょう」の腹を裂くようなもので、共倒れ になっちゃうーー それほど 老人の数が増えた のです)。

声7: 私の同期生が集まると「年金」の話で持ちきり になります;せめて自分の「掛け金」だけでも払い戻しして貰いたいです(係り:40年後には物価が4倍、従がって あなたの掛け金の価値は1/4になる;その上 「猫ババ族」が暗躍して あなたの掛け金の上前をはねる —— 年金制度で万国共通の「悪」です —— この困った現象を なんとしても防ぎましょう)。

声7: もし年金が底をつき、貯金もなくなったら?(係り:政府は“ない袖を振って下さる”と期待しましょう)。

係り: 今日の 話題を一言で 括れば、「延寿のトラブル」です。 「働かずに食うことが いかに危険か」 を教えてくれます。

参考:パールの安全管理 6) # 341 : 敬老の日 2012年。
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Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

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