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(365) 骨粗鬆症の 注射新薬

 (366) 骨粗鬆症 (こつ そしょうしょう) の 注射新薬

 今日は、骨粗鬆症のお話と 新たな治療法である フォルテオ自己注射法のご紹介をします。

♣ まず「骨粗鬆症」について。今から50年前でも この病名は存在しました。しかし、骨粗鬆症で悩む人は ほぼ皆無 (かいむ) でした。この事情は「認知症」と似ています50年前に「認知症」の存在を知っていた社会人は なし —— 統合失調(分裂病)や癲癇 (てんかん) 数千年という歴史の長さとは 比較になりません。第一、粗鬆 (そしょう) って 読めますか?書けますか?

♣ 粗鬆とは「こまやかでは ないこと、大ざっぱで粗いこと」ですが、英語だって まだ立派な名前を貰えず、 「小穴の多い もろい骨」 (Fragile Bone)1,2) と呼ばれるほどの短い歴史です。骨の中からカルシウムが抜け出てしまうのが原因だと分かりました。4千年前の高齢者ミイラの骨にも「もろい骨」が見出されるそうですが、実際に骨粗鬆症が提唱されて まだ88年1924年 フランク・ダグラス)に過ぎず、これが「女性の閉経と関係する」ことが分かったのは わずか50年前(1960年 フュラー・オールブライト)。だから、骨粗鬆症は「きのう 発見された新しい病気」 とも言えるでしょう。その骨粗鬆症が 今の日本では 散々の悪さ をしています3) 。それはナゼですか? ご存知、人々が延寿を楽しむようになったからです。

一症例をご紹介しましょう。Y.T.様(82F 第一腰椎の圧迫骨折、要支援1)は このところの腰痛に悩み、何種類もの薬物療法や手当てを受けましたが いずれも無効;ついに「フォルテオ」という名前の注射薬を 毎日 自己注射する方法に踏み切りました。圧迫骨折って何? 背骨の一部が 体の重さを支え切れず 崩れてしまった状態で、骨粗鬆症が原因です。その傍を走る「神経」が刺激されるので、治りにくい腰痛が発生します。現状では、崩れた骨は元に戻らない;次の骨が崩れるのを防ぐのがセカンド・ベストです。

♣ 2年前に「甲状腺ホルモン」が この治療法として適当だと提唱され、その製品「フォルテオ」が利用され始めました。残念なことに、毎日 注射しなければなりません。この理由は糖尿病のインスリン毎日注射と似ていますね。今、Y.T.様は この治療法に挑戦しておられます。毎日 注射するって、根気がいります;そのうえ 薬剤費は月 約5万円です。そして、いつまで続けるか?一応の区切りは2年ですが、一生と言い換えるべきでしょう。骨の密度は10%程度上がるとされますが、そんなことより、生活態度を見直して、「新たに骨折しないことが目標」です3) 

♣ ここで骨粗鬆症とは何かを振り返ります。男女とも 20歳の豊かな頭髪・顔の肌の滑らかさ . . . これがいつまでも続くように祈ります。ところが、ここに「延寿の問題」がからみます。一般動物は 繁殖が終わると逝ってしまう のに反し、ヒトは 繁殖後 約2倍も生き延びます。しかし、人の遺伝子は50歳用で 高齢対応がなされていません。骨だって繁殖期までの役目を終え、髪の毛が減るのと同じように、そのカルシウムも減ります。つまり骨粗鬆症は人の「延寿」に伴ってやって来る厄介もの ですが、それは 当然のこと ではありませんか?

♣ 50歳用の遺伝子を持つ人間が 100歳まで生きれば、皮膚はたるむし ハゲになるし、眼は薄く 耳も遠くなります——悔しいけれど 了解できますね。同じことが骨にも起こっている訳で、別に骨だけが異常ではありません。100歳になるためには、いろんな困難を乗り越えねばなりません。さしあたり、女性高齢者、特に90歳を越える方々は、約半数で骨粗鬆症による骨折の挑戦を受けて四苦八苦です。

パールの実情を申し上げると:——入所者50名、平均年齢91歳。大腿骨の骨頭骨折は 17名(34%、うち、右:6名、左:6名、両側:5名(両側骨折の5名は 全部90歳代)です —— つまり入所者3人に一人は骨頭骨折で、ほぼ日本の実情の平均値でした —— あんなに注意しているのに、と悔しいです 4~6)

♣ 骨折は 当人にとっては 一大事件です。何より大事なことは、「骨折をしないこと」;その前に「転倒しないこと」です;これについては、安全管理 # 347「畳生活は骨折を予防できるか? 」を参照して一考することにしましょう。

   参考: 1) 粗鬆 = 小穴が多い(porous)+(卵の殻のように)もろい (brittle)。 2) Fragile = (ガラスのように)壊れやすい。 パールの安全管理 3) # 347 : 畳の生活は骨折を救うか? 4) # 176 : 神は無謬 (むびゅー) なり。 5) # : 209 : 転倒(1010)に備えて。 6) # 235 : 微細骨折。

職員の声

声1: 骨粗鬆症は病気と言える のですか? 係り:加齢そのもの または加齢による白髪は病気か?と言う質問と同類ですね?人生50年の昔には有り得なかった質問です ! )。

声2: 私の在宅ケア先のケース(83F)が毎日自己注射をしています;薬は冷蔵庫保管です(係り:糖尿病のインスリンもそうですが、保管の問題もからみます)。

声3: 80歳を越えて 毎日自己注射って こまめな方ですね、これを24ヵ月も続けるのですか?効果は?(係り:骨密度が10%増える と言います;骨粗鬆症は延寿に伴う不可避現象 であり、わずか2年の注射期間で骨折なしという保証もなく、なんだか みんな 間違った夢を見ているのではないだろうか? 歳をとって、白髪にならない治療法を夢見るのと同質? )。

声4: 私のケア先で これの治療中の方、今日 救急車で病院に運ばれました:理由は「めまい・ふらつき」、その原因はフォルテオの副作用でした。

声5: 溺れる者 藁 (わら) をも掴む、と言いますが、効果不明のものに 年間60万円のお金を掛ける のですか?(係り:日本の対象者を1千万人として年間6兆円 !! 高齢者医療はすでに破産的ですが、結局 国民が保険負担するのですね —— 費用-対-効果の点で 正しい路線の上の乗っているのかなー?)。
プロフィール

ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
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