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(368) 不公正 なら 「格差」か?

 (368) 不公正 なら 「格差」か?   

 皆さん方は覚えていますか? 「格差」というイデオロギー用語は 数年前(2006年)の「流行語のベスト・テン」に入った 新しい用語です。今でも、メディアは 何か事件があるたびに格差・格差」と にぎにぎしくて、単なる「相違」を越えた‘非難すべき社会現象’として用いています。

♣ 違いを表す言葉として:「較差 (かくさ) は二つ以上の事物を数量的に比較したときの 単純な差ですが、最近使われる「格差 (かくさ) の場合、社会・倫理的に“是正の必要あり”とするものを格差と言うようです。たとえば、格差社会・就職格差・所得格差などです。

♣ 日本人は かって「一億総中流」という国民意識を持ち、「大金持ち」や「大貧乏」は一握りだけ;所得の高低の幅が極めて少ない、世界でも珍しい一体感の幸せに包まれていました。ところが、バブルがはじけて、人々は不安になりました。

♣ 日本の社会基本の特徴は まず「悪平等」からの出発です。それに少々薄い「色付けをした違い」を演出します。だから日本は ほぼ「近悪平等国」です。欧米その他の国々の社会的落差は日本より遥かに大きいのです。ここで問題は「相違の程度」であり、日本はなにせ 戦後の「生活給」という悪平等に慣れていたからでしょうか、近年の「格差」というメディア語は、「単なる相違」をわざわざ差別として問題視する意図があるかのようです。

♣ 先日テレビでアメリカ人の講演を聞いていると、演題は「社会格差」であったのに、「格差」に相当する英語が出て来ません。よくよく注意して聞くと、「格差」は「不公正」(inequityという言葉で統一されていました。なるほど、なるほど !! 格差とは不公正のこと なのだ ! 不公正に扱われた結果の「相違」を「格差」と言うのだ;不公正に扱われていないのに存在する「相違」は「格差」と呼ばず 単に「相違」と言う ! これで格差に関する霧のような疑問が解けました。たとえば、年齢・身長・宗教など の違いを「格差」ということは 決してありません。

♣ メディアが主張する格差は「不公正」という言葉で置き換えれば、かなり了解可能となりました。たとえば「所得格差」は「所得の不公正」の意味と理解されますが、前者は「正規職員 対 派遣職員」のように システムの相違のため是正が難しく、後者の「不公正な所得」とは「脱税や天下り所得」などで是正は容易でしょう。でも、低労働のゆえに所得が少ない例を「所得格差」として、あたかも被差別者であるかごとく伝えるのは問題隠蔽 (いんぺい) です。

♣ だから、私は「格差」という 訳の分からない用語は「不公正」という「直観で分かる言葉」に置き換えて欲しい です。不公正な仕打ちによって所得格差があるのなら その仕打ちの是正に努力すべきです;しかし怠慢による所得格差であるなら、ナゼ怠慢か?に目を向けるべきでしょう。

♣ ご存知、介護保険は2000年、「格差」の無い時代につくられ、現在は良い関係が支配的です。しかし、油断すると ここにもメディアの「格差概念」が侵入し、「命に格差があるではないか? 」と 不当に荒らされる危険があります。ここで、格差の意味(= 不公正、inequity)が理解できていれば、曲解を避ける事ができます

♣ 皆さん、「××格差」という言葉を聞いたら「××不公正」に言い換えることができるかどうかを、気を付けてください。もし「××不公正」と言い換えられないのなら、「格差」ではなく「××相違」と呼びましょう。 「格差」とはイデオロギー用語であって、正しい判断を過ちに導きます

職員の声

声1: 格差」って結局何なのだろう?(係り:メディアがはやらせた悪いイデオロギー用語です:英語では、あいまいな表現を避けるため、「不公正」と言います)。

声2:濡れ落ち葉」というメディア語もありました(係り:これもバブルがはじけた頃の 意地悪なメディア用語でした —— この言葉は 在宅亭主)が「俺も一緒に行く」と、奥さんの外出に ペッタリ付き歩いた現象です;今は忘れられた言葉ですが、代わって「痴呆」で置き換えられました;メディアって案外に意地悪ですよ)。

声3: 「区別」なら了解できますが、「差別」は、あってはダメです係り: 「格差」は“区別”でも“差別”でもなく、メディアが決めた“哀れなグループ”を指すようです;だって「仕事のない」人たちを 一概に「格差」(= 差別による哀れな人々)で括っていいのですか? だから、この「格差」は悪い言葉なのです)。

声4: 年俸には、200万円の人と 2,000万円の人がありますが、これは「格差」ですか?(係り:それは 仕事の内容によるバラツキではありませんか?;ただし、スポーツ・芸能人たち の巨大な給与は別格で、誰も それを “不公正な格差”とは思いますまい)。

声5: 「格差」という言葉を言う前に、「それが不公正な措置によるものかかどうか」を問題にしたい、という意見に共感です;問題は“個人の努力の報われかた”にあるのですよね(係り:単なる「差異」を「格差」と言い始めたら、生命の歴史書は イデオロギーの書になるでしょう)。

声6: 景気が悪くなるにつれ「格差」が広がっている、と私は感じます(係り:え?働かない人ほど儲かる?逆ではありませんか?)。

声7: 介護は「する側・される側」・「都心と地方」で 中身に対する意見が異なります; 「平等にする」とは本当に難しい ものです(係り:悪平等は、しても攻撃され されても攻撃です;いつも「良い平等」って何だろう?と考えます;でも、不公正でなければ「格差」と呼ばれる所以 (ゆえん) はありません。これこそが私たちの守るべき原点でしょう)。

  パールの安全管理 *) # 353 : 在宅亭主は馬齢 (ばれい) か?
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「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

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