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(376) 痛み止め の 知識

 (376) 痛み止めの知識  

  医療の そもそもの始まりは「痛みを止めること」だったそうです。近年 人 は長命になって「痛み」、特に「関節痛と神経・筋肉痛」を訴えるお年寄りがいっぱいです。パールの症例では「変形性腰椎症・膝関節症」の方が圧倒的に多いです。従来の飲み薬の鎮痛剤では「胃がやられる」ことが多く、“関節も胃も痛む”という難儀な目にあう方が困っておられます。痛み止めは有効ですが、同時に「習慣性」「依存性」の点でも多くの問題を抱えています。今日はパールの嘱託医・O 先生のご意見を伺いました。

♣ <O 先生> 昔の鎮痛剤は ‘アスピリン系’が有名だった。現在の鎮痛剤を次の三群に分けて理解する。 ①:エヌ・サイズ(非ステロイド性・抗炎症薬)(N-SAIDs : Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugs)とは、抗炎症作用、鎮痛作用、解熱作用を有する薬剤の総称で、広義には“ステロイドではない抗炎症薬すべて”を含みます——アスピリン・ボルタレンなど、市販薬が100種類以上。 ② オピオイド(アヘン類似性鎮痛薬)——アヘン類似薬で かなり使用制限付きのペンタジン、レペタンなど。 ③ オピウム(アヘン、モルヒネ)= (麻薬免許保持者・施設でなければ処方できない)。

♣ 一般の人は、「なぜ 一番よく効く薬が常用されないのか?」と思うかも知れない。事故または戦傷による傷の痛み止めは 人類の歴史と同じほど古く、国や地域によって「特効薬」が用いられてきたが、いずれも「効かない」、もし効けば「習慣性」と「依存性」で問題が長引いた。したがって、現在でも 鎮痛薬は ① ② ③ の順番で用いられその順に監視の目が厳しくなる

注意 (1): 日常生活の中での痛み止めは「エヌ・サイズ」で足りる;というか、足らすべきである。痛みは、身体の異常を知らせる警戒警報の役目を担っている。心理的な痛みなら、心理の対応をする(プラセボなど1, 2) )。臓器の痛みなら、その原因を解明しながら エヌ・サイズを用いる。製剤は「飲み薬、注射、座薬、貼り薬」など、いろいろある。頻用される薬でありながら、エヌ・サイズは種々の副作用を持つ人があるので十分気をつけること(例:過敏症、悪心、嘔吐、胃痛、眠気など)。

注意(2): オピオイドとオピウムは病院でのみ用いられる。これらは鎮痛作用が強いけれど、副作用としての依存性中毒のコントロールが難しいので、素人使用はできない。社会問題が発生するのは 地下に潜って取引される ② ③ の薬物である。

意(3): 癌末期に用いられるオピウム(麻薬)は、欧米では日本の10倍以上の用量が普通であるが、日本では その用量が少なく、次の(イ)と(ロ)の選択のうち(イ)が選ばれるようだ: (イ)— 痛みは残るが 長生きしたあと死ぬ;(ロ)— 痛みは無いが 中毒になって早めに死ぬ。

職員の声

声1: ご利用者の「通院ケア」で病院の麻酔科に同伴することがあります;痛み止めに三つの段階があることを知り、会話の展望が開けました。

声2: 自分が貰っている痛み止めにより、心理の痛みか1, 2)臓器の痛み かが分かるような気がします。

声3: 痛み止めの意味こそが「誤解の元」、貼り薬などを使っても、痛み止めの効果はあるけれど、 「根本」が治る訳ではなく、薬使用の戒めとなります(係り:歳をとると いろんな痛みが訪れます;ギックリ腰 などの痛みは 我慢して一週間程度で自然に収まる場合もありますが、長く続く場合は 医師に相談しましょう)。

声4: 習慣性と依存性の副作用との兼ね合い で痛み止め薬の継続可否が決まるのですね(係り:Yes, yes ! ふつう、痛みが消えれば、薬の使用を忘れてしまいます)。

声5: 老人の腰痛 はありふれた訴えですが、根本治療ができないのなら「麻薬」の適応があるのでは?(係り:麻薬なら確実に効きますが、当の本人を 最大の副作用 = 要介護5の状態にします;それは適当ではないですね)。

声6: お薬が本当に効いているのかどうか、私は「手当て」が有効だ と思っています:つまり痛む所に「手を当てる」のです;母がよくしてくれました;安心感を通じて、痛みが引いたのを覚えています(係り:私が子供の頃、祖母は痛むところに指を当て、「親の唾」と言いながら さすってくれました;不思議ながら効きました)。

参考:パールの安全管理  1) # 36 : プラセボのひみつ。2) # 273 : 開け、ゴマ !
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ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
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