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(384) 無意識の技 こそ プロの技

 (384) 無意識の技こそ プロの真髄  

 介護の世界では いろんな人 に出合います。脳卒中後の片麻痺の人・認知症で 麻痺はないけれど 思うように動けない人・また逆に 何も思っていなのに とんでもなく遠くに行ってしまう 徘徊の人 . . . さまざまですね。いずれの人にも共通な原理、それは「筋肉は脳の指令無くしては 動かない」という原理です。

♣ でも、あなたは思うでしょう —— そうかな? 寝相が悪い人は 寝ながら 思い考えて動いているのかな? 野球のバッターは ピッチャーが投げた球を 打つか 見送るかを 判断したあと 打つ動作を始めるのかな?などなど思うでしょう。つまり 人の行動は脳の命令なしでも できる のではないか?無意識の技ってある のではないか? 今日の話は この技 を考えます。

クラーク・マックスウェルという19世紀の有名な科学者がいます。電気と磁気の働きを解明した人で、現代の電気モーターの恩人です。彼は言います:「私は電気と磁気が同じものだ、なんて ふだん 考えてもいなかった —— 私の脳の中に住む他人が あの考えを出したに違いない」と。つまり、「脳」には「手足を動かす脳」と「ものを考える脳」があるらしいし —— ものを考える脳の中に「自分の脳と他人の脳が混じっているらしい」と言うことです。複雑ですね。

♣ こんな話があります。 ① 一匹のムカデ 百本脚を動かして / 元気に歩いていると 蛙に出合った / 蛙が尋ねる / ムカデさん 一本の脚を動かした その次には どの脚を動かすんだい? / ムカデは考えこんで 返事ができず / 以後 歩く時は 当分 ビッコを引いた。

♣ こんな日本話もあります:- ② ある お殿様 何でも知っている物識り爺( じい )を家臣に持っていた / ある日 お殿様は爺に尋ねた / お前の立派で長い「あごひげ」は、夜 寝ている時に布団の中に入れるのか それとも 布団の外か? / 爺は返事に窮した、だって そんな事を意識したことがなかったから / 翌日 お殿様に召されて 爺は語った / それでは お殿様にお聞き申し上げます / お殿様は 厠( かわや )で ご用の後 / お拭きになるのは“前からですか それとも 後ろから?” / 答えに窮したのは 今度は お殿様でした。ハ ハ ハ ですね。

♣ 私たちはよく聞きます:- ③ ゴルフ・ボール がうまく飛ばないのは 打つ時の姿勢を分析しすぎるからだ; ④ ピアノが上手にならないのは 鍵盤を叩く指の順番に気を取られるからだ; ⑤ ご馳走がおいしくない のは レシピに踊らされて作るからだ . . . 。つまり、ここに「意識する 知恵の脳」と「無意識に働く心の脳」の葛藤( かっとう )があるようで、上記の ① から ⑤ の現象は とても面白い観察ですね。

♣ 私たちは「なにげなく行ったこと」で かえって完全無欠の域に達することがあるようです。でも その秘密を教えてくれ、と尋ねられても なかなか「言葉では」説明できません

介護の仕事を振り返ってみれば、教訓はいっぱいありますね。たとえば ⑥「人を面接をするとき」、相手の返事を聞くだけでなく 彼女の発する「オーラ」を掴みとれ; ⑦ 「ご利用者の調査に行ったとき」、書類の蘭( らん )を埋めるだけでなく、忘れないうちに「印象」を書き残しておけ;⑧ 介護の実務は「脳の判断」に頼るのは当然であるが、「脳の指令がなくても、心で手足は動くように訓練せよ」などです——飛行機の操縦は そうするそうです —— 知能だけに頼っていると 間に合いません。

♣ 私は このような「無意識の技こそプロの真髄だ」と感じています。つまり手足の筋肉は 大脳の指令がなくても「心で動く」のです。でも どのようにして?その説明は? それは「習うより 慣れよ ! 」なのかも知れませんね。

職員の声

声1: 私の経験です:区役所の電話番号は 指が勝手に動いて繋がります ~ 誰かに番号を尋ねられても 指しか答えられません(係り:パソコンのキーについても しばしば そんな感じがありますね -- でもアキレス腱反射のように”動物的反射”ではなく、「知性」の加わった反射でありたいナ)。

声2:無意識」とは“適切・訓練・迅速・感性”の混合物だと思います(係り:大事な時に必要な手がスッと出る ! -- この無意識反射には「知性と訓練」が加味されていて 素敵です)。

声3: 無意識に使える技こそプロの真髄です —— 習うより慣れよ !(係り:よく自動車運転の心得にたとえられますね。また、良い介護士さんの会話を聞いていると 惚れぼれします)。

声4良い絵・素晴らしい音楽に接し、その背景を作者に訊いても「良く分からないど . . . 」という返事 —— きっと真実を見る「無意識の目」があるのでしょう(係り:モーツアルトの音楽は「天上の音楽」、ベートーベンの音楽は「努力の音楽」と言われますが、どちらも「真実の心」に打たれます)。

声5: ケアの場合、「手順書に気を取られて」しまうと 肝心の“観察”に 見落とし が出てきます、まさに「習うより 慣れよ」の世界です(係り:手順書は 行動の基本を述べるだけであり、決してご利用者が発するオーラ”を見逃さしてはいけません)。

声6: あまり考え過ぎず、直観的に行ったらどうか !係り:いじけずにね -- でも 大脳の関与は必須ですよ ! )。

声7昔は「師の技を盗む・見て聞いて覚える」でした:今はマニュアルの時代 ~ でも マニュアルに書いてない事は“できない・知らない・分からない”で平気、となりました~ それではダメです ! 大事な事は いかにアンテナを張り巡らし ・理解し・取り組み・対応するか、が問われているのです。

声8: 無意識の技が とても大事であることは分かりますが、リーダーともなれば、やはり 言葉で指導する努力をして欲しい です(係り:以心伝心( いしんでんしん )の芸術領域ならいざ知らず、介護はアートであると同時に サイエンス です;できるだけ言葉で 表現する努力を続けましょう)。
プロフィール

ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
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