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(385) 高齢 と 依存症

 (385) 高齢 と 依存症    

今日は 症例の依存症についての検討です。精神科嘱託医の O 先生 のご指導を受けました。

♣ 在宅介護をご利用のA. A. 様(87M 要支援 1)は 競馬の馬券を毎週やっておいでです。昔は給料のほとんどを競馬につぎ込み、奥さんとのトラブルが絶えなかったそうですが、今は少額の掛け金になりました —— しかし、私は 介護よりも馬券トラブルのため 訪問先で困っています。なぜ 高齢になっても「ギャンブル依存症」は治らないのでしょうか?

♣ < O 先生 > 依存症とは、ある種の快感や高揚感を伴う特定の行為を繰り返し行った結果、または 精神に作用する化学物質の摂取や、その刺激を求める抑えがたい欲求が生じ、その刺激がないと時が過ごせない状態のことである。依存は、物質への依存(ニコチン・アルコール・薬物など)、過程への依存(ギャンブル・パチンコ・インターネット)などがある。

♣ この事例のように、ギャンブル依存症は「病気」ではあるが、その原因には 本人の「性格」が大きく関与しているのだ。一般に、あることに「のめり込み、“自己の存在感”が希薄になる依存症は「性格が主原因」であり、治すことは 非常に困難である。カウンセリングも成功しにくい —— ご存知かどうか、「性格」は その人 固有に備わっているものであって、それ自身は「病気ではない」し、基本的に 「治す」ことには馴染まない !

治療のために入院する方法もあるが、入院中は治っても 退院すると 元の木阿彌 ( もくあみ ) 。 本人が“これを これ以上 続けたら 人生はダメになる”という死に物狂いの経験( = どん底体験・底つき体験がないかぎり、回復は うまくいかないようだ。

♣ 家族や友人に「依存症」で困っている人がいたなら、「助けるの ではなく、突き放す勇気を持つこと」が 本人のためには大切となる。酒依存の場合「アルコホーリックス・アノニムス」(断酒 友の会)で命を繋ぐ人が多いので有名だが、一般に「性格」が根底にある病気は —— 身の回りの“禁煙”でご承知と思うが —— “治りにくい”ものだ、ということを思い出して欲しい

職員の声

声1: 奥さんが この87歳のご主人を「突き放す」のをお奨めなのですか?(係り:たぶん 50年以上ものトラブルをご存知の奥さんだったし、また実務的には そろそろ認知症年齢ですし、そのうち 馬券への興味を失われるでしょう;ベストより、ベターを求めましょう)。

声2お酒で失敗し、仲間から煙たがられる仲間の場合、何かいい方法がありますか?(係り:全世界で共通の悩みです;可哀そうですが、どん底体験が訪れるのを待ちましょう)。

声3: タバコを止められない人は とても多いと思いますが、タバコの「どん底」って何ですか?(係り尊敬する先輩が タバコだけは 止められず、偶然かも知れませんが、怖れた通り「肺ガン」で亡くなりました:パールでは先月、95歳の女性がCOPD(慢性 閉塞性 肺疾患)で 痩せ細り 何ヵ月も続く呼吸困難の中で死亡されました —— 2年前に入所されるまで 寝床の周りはタバコの焼け焦げだらけ でした —— 若い職員たちには 大きなショックでした)。

声4: 病院で、酒・タバコの相談外来は古くからありますが、最近は「ギャンブル外来」もできた、と聞きます(係り:「 携帯”外来」さえも お目見えしたそうですよ —— iPOD など、一部の人間は 次々と「依存症を愛する」のでしょうか?)。

声5高齢者」が特別に依存症にかかり易いのですか? 係り:ご存知ですね、人は85歳で半数が、110歳で全員が「認知症」にかかるそうです;認知症になると「酒・煙草・薬物・ギャンブルなど」と ご縁が切れます —— 少なくとも パールの施設介護に 新たにかかった依存症の方は お一人もいらっしゃいません —— 高齢者の依存症は 若い頃の依存症の名残り なのだと思われます)。
プロフィール

ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
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