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(389) 人智 と 介護

 (389) 人智 と 介護   

 コペルニクスの話から入ります。

♣ 彼は16世紀のポーランドの牧師 兼 天文学者で、「コペルニクス的転回」という言葉で有名です。まだ望遠鏡が発明される以前に、彼は空の星々を肉眼で観察し、キリスト教で取り入れられていた「天動説」を否定、代わって 世界観が180度 転回する「地動説」を提案する予定でした。でも もし それを発表すると、彼は教会に迫害されるでしょう。そこで彼は自分が死ぬ、まさにその日を選んで「地動説」を出版しました。用意周到ですね。

♣ その時代、人や世の中は神のみ手によって「特別に」創られた、と信じられていました。しかし、彼の意見では、「我々は特別扱いされているのではない」( We’re not special) という控えめな地動説でした。その説が広まるにつれ、その世界観は徐々に人々の受け入れる所となり、固定された古代の世界観を180度 転回した立場で見直す、という姿勢が生まれて来ました。しかし、宗教の世界は 俄かには変わりません。

♣ コペルニクスの半世紀あとの17世紀、イタリアのガリレオ・ガリレイが 世界初 自作の望遠鏡で「月の山々」・「太陽の黒点」・「木星の4大衛星」の観察結果を発表しました。ところが、たちまち彼は教会に呼び出され、「聖書に違反する反逆の罪」として「火あぶり」にされかけました。ガリレオは難を逃れて自宅で蟄居( ちっきょ )で死亡 ―― その後バチカン教会から 罪のお許し が出たのは、日本で介護保険が実施された ほんの12年前のことです(20世紀 最期の年 = 2000年)——教会権威とは強力なものですね;私は新聞でその記事を読み、教会の正規なお許しを頂くのに400年も掛かったことに驚きました。

♣ さて、人間の能力が 他の動物とは画然と優れている点を三つ挙げてみましょう:――それは、(容積が600万年前 600cc、今1400cc)、(声帯の位置が 猿のものより下方に下がり、声の多様性が可能 → 言葉がしゃべれる)、 (手が文明の全てを創る)。

人間脳の特徴情報入力に反応する出力が「すぐ」のこともあるし、「一週間後」のこともあります。その一週間のあいだ、入力された情報は、出力されることなく 脳の中で ぐるぐる回っています。この現象は「ヒトに特有」であり、これを「考える」と呼びます。考えた結果は ② の「声」でしゃべり、または ③ の「手」で表します。この ① ② ③ の機能は遺伝子に組み込まれ、先祖から子孫へ伝わります。この遺伝を介する伝達という点は「子育て」と共通ですが、「介護行為」は まだ遺伝子に組み込まれてはいません

♣ 人間は その後も優れた機能を発揮し始めました。つまりヒト遺伝子には50歳の更年期までの生命方針しか書かれていませんが、ヒトは「敬老精神」というものを開発し、それを実行し始めたのです。「介護保険」は日本ではまだ12年の経過、諸外国でも 歴史の浅い領域でしょう。しかし、「遺伝子には まだ書かれていない新しい行為をスタートした」点、「まことに偉大な所業だ」と思われます。もちろん改良点も 多々あるでしょうが、私は、この「社会的介護」こそ 人智の 新しい「コペルニクス的転回」の所産ではないかと、つねづね考えております。

   参考:パールの安全管理   # 100 : 赤の他人の介護。

職員の声

声1: コペルニクスって聞いたことがありますが、お話を聞き、人間って何と不思議な生き物だろうと感じました;また、そういう“人間”を介護している私も不思議な生き物です(係り:スピルバーグの“イーティー“(地球外生命= E. T. : The Extra Terrestrial)という映画を見ましたか? 広い宇宙の中にも きっと“考える生命”がいて、介護保険を始めているかも知れませんよ)。

声2: 私のような者の「脳」も優れているのでしょうか?環境問題や犯罪を起こすのもヒトの脳です(係り:あなたは何と言う広い感性の持ち主でしょう ! 本当にヒトの脳が優れているためには 良い方向付けが必要ですね)。

声3: 私の祖父は89歳、ロシア語の勉強を始めました;認知症の祖母にも新しい可能性があるかも . . . 久しぶりに明るい話題を頂きました。

声4: 私は良い遺伝子を残したい です;良いものは良い、と思える感性を育てたい(係り:身体遺伝子ジーン、Gene)は 個人の努力では変えようもないようですが、社会遺伝子ミーム、Meme)は伝えられるそうですよ —— 頑張ろう ! )。

声5: 人の心にしかない「敬老精神」を磨いて行きたいです(係り:ヒト以外の動物の遺伝子には「育児本能」しかありません;ヒトは「育児本能」の遺伝に加えて、いま「介護行為」の訓練を始めたところです -- 介護本能はないのかって?-- 介護は生命進化の流れに反する行為でしょ? だから 身体遺伝子に組み込まれることはなさそう です)。

声6: 私たちの遺伝子に潜む 悪い遺伝子とは?(係り:ガソリン依存・年金不正・グルジアやアフガニスタンの争い . . . 世界的です . . . それでも私たちは 過去よりも現在を選び、徳川時代に戻りたいとは思いません)。

声7: 猿と人間の共通の先祖から二手に分かれてヒトは進化して来ました;神様から頂いた「脳・声・手」を改めて見つめ直し、介護の道へ 最大限に活かして努めたいです(係り:それこそ 他の動物には見られない 「ヒト」の社会遺伝子ミーム)そして 人智の介護行為と言えるでしょう)。
プロフィール

ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
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