(398) 親切な 「本音 と 建前」
(398) 親切な「本音と建前」
本音 (ほんね) とは「自分の本心から出る言葉」、建前 (たてまえ) とは「表向きの儀礼的な言葉」です;本音と建前は、日本人が伝統的に区別する基本姿勢であり、これをうまく使い分けないと 世渡りがヘタ ! と評されます。しかし、欧米人は 我々の「本音と建前」が理解できない、とも言われます。
♣ アメリカ軍司令官のダグラス・マッカーサーは混乱した戦後の日本社会を鎮めた立派な方ですが、任を解かれて自国に帰還する時のコメントで“日本人の精神年齢は12歳だ ! ”とおっしゃったため、日本人は「白けて」しまいました。彼は本音と建前を うまく使い分けられなかった のでしょうね。でも、あるイギリス人は このような発言をしたマッカーサーを “ Rude ! ”(ルード、粗野だ ! )と評しました。このイギリス人は 日本人の「本音と建前」を理解していました。
♣ さて、介護保険の実施が やがて14年目入ります。皆さん方は この保険の「メリット・デメリット」について十分なご意見をお持ちですね?そんな時に 次のようなハップニングがありました —— 先週21日 (13.1.21) に催された 政府の社会保障国民会議の席上で、終末期医療に関しての 画期的な発言です: 『(患者が)いい加減に死にたいと思っても “まだ生きられますから(治療を続ける)”なんて 生かされたのじゃ、かなわない。しかも政府の金で(高額医療を)やってもらっていると思うと、ますます寝醒めが悪い。さっさと死ねるように してもらわないと . . . 』 。
♣ 発言者が 麻生太郎・副総理だったから、日本中の耳目 (じもく) が集まり その波紋は広がりました。なぜって、この裏には 日本の終末期医療・介護が抱える大きな問題がいっぱいあるからです。延命に延命を重ねる一種の「建前対応」が続けられるゆえに 福祉経費はウナギ登り;その上 この建前を正そうとする意見は タブー視 されて 誰も言いだせません。ネが真面目で正直な麻生さんだからこそ、「こりゃイカン ! 」と思う本音が そのまま口から滑り出たのでしょう。低料金政策には「モラル・ハザード」1) が付き物です-- つましく質素な生き方こそ老後の鑑 (かがみ) ではないでしょうか?
♣ 今回の桜宮高校の体罰・体育教師の振る舞い を 在校生徒たちが「体罰は有益だ」とかばっている有様がTVで放映されていました。管轄の橋下徹 市長はコメントしています:生徒たちの意見は参考になるが、彼らは庇護される立場の「未成年」であり、「その発言に責任 は問われていない」→ 責任を持って発言する人と 責任が曖昧なまま発言する人の重みは「同じでない ! 」。マッカーサー発言の意味するところは その辺だったのかも知れません。
♣ そこで、ここが思案のしどころ . . . 「建前論」だけで 介護保険14年目を迎えて 心やましくは ありませんか? あなたも 今の介護保険に向かって 何か建設的な発言はありませんか?上記のマッカーサーのように「お前ら日本人の精神年齢は12歳だよ ! 」と諫めてくれる人、または 麻生さんのように「延命を希望しない人は さっさと死ねるようにする ! 」と公言する 関係責任者の存在が むしろ必要ではないかと 私は思います。
♣ 私たちの 基本は「お年寄りを大切に ! 」ですが、昔の天寿は50歳・多子少老の環境で培われた倫理;現代は 人口が逆さピラミッドの時代・天寿は90歳、多老少子・就職難・デフレ・一千兆円の借金、この厳しい環境の中で 新しい対応が求められています。サラリーマンの平均年収が420万円なのに、要介護5の予算が年間 500万円余では めまい がします;その上に 透析・胃瘻が無制限に乗る勢い です !
♣ 皆さん、やはり言論には タブーを作らず、本音も建前も 赤裸々 (せきらら) に語りましょう。そのような 新しい言論のモットーとして、私は「親切な本音と建前」を提唱したいと思います。 「精神年齢12歳」と言われる「建前の横行」は、ほどほどに しませんか?
参考:パールの安全管理 1) # 390 : 無料化とモラル・ハザード。
職員の声
声1: マッカーサーは「日本人の精神年齢は12歳だ」と言ったそうですが、私たちが世界を相手に発言する時は、本音と建前の区別をキチンと認識すべきだ と思いました(係り:ものごとの本質を洞察するためには それしかないですね)。
声2: 先日 NHKの「漂流老人」という番組を見ると、“たらい回し”にされて 疲れ果てた老人が言っていました;あらゆる手段を用いて私を延命してほしい ! と:こと「命」に関しては「本音も建前も」同じなのに驚きました(係り:貧困・飢餓・疾病に立ち向かうため には、本音と建前の違いはありません;だからこそ 「精神年齢12歳」 の人の判断だけでは解決できない 別な真実の存在 を悟ります)。
声3: 麻生氏の発言は 介護の現場を知った人なら“一つの 立派な見識”だと思いますけど(係り:マスコミが 事の本質を“うまく伝えてくださる”と いいですね)。
声4: 同じ「長生き」であっても、「畑仕事で100歳」と「寝たきりで100歳」は 全然違います;ふだん「建前」ばかり言い慣れていると、いざ「本音は?」と尋ねられた時 うろたえます。
声5: 技術の発展で チューブに繋がれたまま 超高齢になると、お世話する若者世代の活力が削ぎ落とされてしまいます(係り:人の生命は、技術で踊らされると、出口のない“不毛な建前” にもて遊ばれてしまいます)。
声6: 時代の流れは「保険による延命」2) を良しとせず、 「天然の経過」 3) に逆らわない路 に向かっていると感じます。
声7: マッカーサーの言うことには 深い真実が含まれています;日本の社会は相変わらず「建前」しか言えない社会ですが、そこに「影響力の大きい関係責任者」が 一石を投じられたことは、とても意義深いことです(係り:本音を言うと、すぐマスコミの餌食になる —— それではマッカーサーも浮かばれないでしょう:私たちは 親切な心で「本音と建前」をしっかり見極め、「大人の精神年齢で」 物事を判断できるようになりたいですね)。
パールの安全管理 2) # 393 : ピンコロとジワコロ。 3) # 396 : ホッチャレと並みコロ。
本音 (ほんね) とは「自分の本心から出る言葉」、建前 (たてまえ) とは「表向きの儀礼的な言葉」です;本音と建前は、日本人が伝統的に区別する基本姿勢であり、これをうまく使い分けないと 世渡りがヘタ ! と評されます。しかし、欧米人は 我々の「本音と建前」が理解できない、とも言われます。
♣ アメリカ軍司令官のダグラス・マッカーサーは混乱した戦後の日本社会を鎮めた立派な方ですが、任を解かれて自国に帰還する時のコメントで“日本人の精神年齢は12歳だ ! ”とおっしゃったため、日本人は「白けて」しまいました。彼は本音と建前を うまく使い分けられなかった のでしょうね。でも、あるイギリス人は このような発言をしたマッカーサーを “ Rude ! ”(ルード、粗野だ ! )と評しました。このイギリス人は 日本人の「本音と建前」を理解していました。
♣ さて、介護保険の実施が やがて14年目入ります。皆さん方は この保険の「メリット・デメリット」について十分なご意見をお持ちですね?そんな時に 次のようなハップニングがありました —— 先週21日 (13.1.21) に催された 政府の社会保障国民会議の席上で、終末期医療に関しての 画期的な発言です: 『(患者が)いい加減に死にたいと思っても “まだ生きられますから(治療を続ける)”なんて 生かされたのじゃ、かなわない。しかも政府の金で(高額医療を)やってもらっていると思うと、ますます寝醒めが悪い。さっさと死ねるように してもらわないと . . . 』 。
♣ 発言者が 麻生太郎・副総理だったから、日本中の耳目 (じもく) が集まり その波紋は広がりました。なぜって、この裏には 日本の終末期医療・介護が抱える大きな問題がいっぱいあるからです。延命に延命を重ねる一種の「建前対応」が続けられるゆえに 福祉経費はウナギ登り;その上 この建前を正そうとする意見は タブー視 されて 誰も言いだせません。ネが真面目で正直な麻生さんだからこそ、「こりゃイカン ! 」と思う本音が そのまま口から滑り出たのでしょう。低料金政策には「モラル・ハザード」1) が付き物です-- つましく質素な生き方こそ老後の鑑 (かがみ) ではないでしょうか?
♣ 今回の桜宮高校の体罰・体育教師の振る舞い を 在校生徒たちが「体罰は有益だ」とかばっている有様がTVで放映されていました。管轄の橋下徹 市長はコメントしています:生徒たちの意見は参考になるが、彼らは庇護される立場の「未成年」であり、「その発言に責任 は問われていない」→ 責任を持って発言する人と 責任が曖昧なまま発言する人の重みは「同じでない ! 」。マッカーサー発言の意味するところは その辺だったのかも知れません。
♣ そこで、ここが思案のしどころ . . . 「建前論」だけで 介護保険14年目を迎えて 心やましくは ありませんか? あなたも 今の介護保険に向かって 何か建設的な発言はありませんか?上記のマッカーサーのように「お前ら日本人の精神年齢は12歳だよ ! 」と諫めてくれる人、または 麻生さんのように「延命を希望しない人は さっさと死ねるようにする ! 」と公言する 関係責任者の存在が むしろ必要ではないかと 私は思います。
♣ 私たちの 基本は「お年寄りを大切に ! 」ですが、昔の天寿は50歳・多子少老の環境で培われた倫理;現代は 人口が逆さピラミッドの時代・天寿は90歳、多老少子・就職難・デフレ・一千兆円の借金、この厳しい環境の中で 新しい対応が求められています。サラリーマンの平均年収が420万円なのに、要介護5の予算が年間 500万円余では めまい がします;その上に 透析・胃瘻が無制限に乗る勢い です !
♣ 皆さん、やはり言論には タブーを作らず、本音も建前も 赤裸々 (せきらら) に語りましょう。そのような 新しい言論のモットーとして、私は「親切な本音と建前」を提唱したいと思います。 「精神年齢12歳」と言われる「建前の横行」は、ほどほどに しませんか?
参考:パールの安全管理 1) # 390 : 無料化とモラル・ハザード。
職員の声
声1: マッカーサーは「日本人の精神年齢は12歳だ」と言ったそうですが、私たちが世界を相手に発言する時は、本音と建前の区別をキチンと認識すべきだ と思いました(係り:ものごとの本質を洞察するためには それしかないですね)。
声2: 先日 NHKの「漂流老人」という番組を見ると、“たらい回し”にされて 疲れ果てた老人が言っていました;あらゆる手段を用いて私を延命してほしい ! と:こと「命」に関しては「本音も建前も」同じなのに驚きました(係り:貧困・飢餓・疾病に立ち向かうため には、本音と建前の違いはありません;だからこそ 「精神年齢12歳」 の人の判断だけでは解決できない 別な真実の存在 を悟ります)。
声3: 麻生氏の発言は 介護の現場を知った人なら“一つの 立派な見識”だと思いますけど(係り:マスコミが 事の本質を“うまく伝えてくださる”と いいですね)。
声4: 同じ「長生き」であっても、「畑仕事で100歳」と「寝たきりで100歳」は 全然違います;ふだん「建前」ばかり言い慣れていると、いざ「本音は?」と尋ねられた時 うろたえます。
声5: 技術の発展で チューブに繋がれたまま 超高齢になると、お世話する若者世代の活力が削ぎ落とされてしまいます(係り:人の生命は、技術で踊らされると、出口のない“不毛な建前” にもて遊ばれてしまいます)。
声6: 時代の流れは「保険による延命」2) を良しとせず、 「天然の経過」 3) に逆らわない路 に向かっていると感じます。
声7: マッカーサーの言うことには 深い真実が含まれています;日本の社会は相変わらず「建前」しか言えない社会ですが、そこに「影響力の大きい関係責任者」が 一石を投じられたことは、とても意義深いことです(係り:本音を言うと、すぐマスコミの餌食になる —— それではマッカーサーも浮かばれないでしょう:私たちは 親切な心で「本音と建前」をしっかり見極め、「大人の精神年齢で」 物事を判断できるようになりたいですね)。
パールの安全管理 2) # 393 : ピンコロとジワコロ。 3) # 396 : ホッチャレと並みコロ。