(403) 積立(つみたて)か 賦課(ふか)か ?

 (403) 積立 (つみたて) か 賦課 (ふか) か?   

 年金の「元手」 (もとで) には、積立 (つみたて) 方式貯蓄)と 賦課 (ふか) 方式徴税処理)があります1) 。積立方式とは自分が積み立てたお金を老後に取り崩して使う仕組みで、もし積立金がなければ 老後はアウトです。

♣ これに反して、賦課方式とは、いま働いている現役若者から 税を取り立て それを高齢者に差し上げる仕組みで、社会的な「世代間扶養」です。昔は子が祖父母を扶養しましたが、社会がそれを代行してくれるのなら 子の無い高齢者も安心して暮らせます。

♣ この世代間賦課方式が根付くためは 次の三条件が必要です:――  年寄りの寿命が短い(人口構成がピラミッド型); 病気の人が少ない 経済が右肩上がりである。昔はこれが通用したのですが、今は これら三つの条件が全部アウト、それを取り繕うための 政府の借金は一千兆円にも及ぶ現況です。なぜこうなったのでしょうか?

♣ まず「積立方式」は、1961年 (昭和36年)年金納付税制の「国民年金」で始まり、月額 100円の掛け金を 40年間納付すれば、老後月額 3,500円の年金を貰える、と計算しました。でも、この考えは甘かった:計算しますと、貯蓄額計 48,00円を 毎月 3,500円ずつ取り崩せば 13.7(ヵ月)で枯渇 (こかつ) します。その時代の老後は 平均1年余の短命でした から、この計算で間に合ったのでしょう。だけど、今は 老後が40年以上もあり、 掛け金を納めていない国民の過半数にも年金配布が必要ですよね。だから この方式は 早々とパンクしました。

♣ これに代わって「賦課方式の年金」が行われます――高齢者に渡す年金を 若者層からの税金で賄う方式で、理屈はシンプル。発案当時は 上に示した条件 ①②③ はOK、しかしバブルの終焉 (しゅうえん) 以来、 ①②③は「多老少子」・「デフレ貧乏」・「老人病激増」のトリップル・パンチで すべてNo ! つまり、今はで、税金は「入るは乏しく、出ずるは莫大」になり、政府は一千兆円もの借金をして 赤字の辻褄を合せていますが —— 遠からず債務不履行 (デフォルト) に陥ります。でも 国民全般は 当事者意識に乏しく「モラル・ハザード2) “能天気”ぶり —— モラル・ハザード(倫理欠如)とは「社会全体の利益を考えずに、自分の利益だけを追求する人間の心」です。

♣ それに加えて、「預貯金の利子がゼロ」のため 年寄りはお金を使わず デフレも進行、更に 年金庁は汚職まみれ;A.I.J.のような運営資金はネコババ ―― 洋の東西を問わず、「現金」が人の傍にある時、その人は 気がふれて 自己制御が不能となります;今後も 「人」 と 「他人のお金」 は“猫と鰹節”の関係でしょうね 。

♣ つまり、人間の あさはかな性 (さが )のゆえに、「積み立て方式」はパンク、「賦課方式」も 政府のデフォルトでアウト。私たちが夢見る「豊かな年金制度」は 残念ながら やがて空中分解、それが 偽らざる現状です。皆さん、もし この現実に不満があれば「国政選挙で」意見を 出しましょう !

♣ そもそも、老人が 若者に寄生するのは間違い です。また 「働かずして食える福祉制度」3) も間違い です ! 私らの使命は 何らかの勤労を介して 生涯 社会貢献 ! 馬齢 4) になるなかれ ! やむを得ず“馬齢”になったら「つましい質素」を旨として生きましょう ! 

参考:パールの安全管理 1) :# 364 : ゆとりある老後と年金の保証。 2) # 390 : 無料化とモラル・ハザード。3)  # 358 : 良きQOLって誰のQOL ? 4) # 353 : 在宅亭主は馬齢(ばれい)か?

職員の声

声1: もっと雇用が増えれば 年寄りも働き易いのに(係り:これは世界中の問題 —— 若者でさえ失業率は高い、ましてお年寄りには —— これは 黄金延寿の帰結です)。

声2: 昭和36年に発案された年金制度は 当初うまく行ったのに、ナゼ今はダメですか?(係り:延寿・多老少子・地球化など要因は多数あります5) ;そもそも、子を産まずして楽をしたい国民には それなりの運命が待っています)。

声3: 金無し・持ち家無し・就職困難という世情 —— 私の年金支給年齢は上へ上へと逃げて行きます(係り:今のお年寄りは「掛け金」なしでも保護されていますが、将来はムリ . . . イギリスは 日本と違って 50年も前から延命医療を見直し 若者の負担を軽減しています。スエーデンも 「無い袖は振れない」 を 2015年 から実行する、と聞き及びます)。

声4: 昔とは変わって 人口は逆三角形だから 年金は少なくなるのが理屈ですね;では 「長生き」を中止すれば解決するって?そんなの 絶対イヤだ !

声5: 年金のパイは 少子化なのだから小さくなる;増えた数の年寄りで そのパイを分け合えば、一人あたりの取り分は減る —— 子供でも理解できる計算です(係り:“能力に応じて働き、必要に応じて取る”——このモットーなら、国民は モラル・ハザードに陥り、奪い得 (とく) の能天気になります;このモットーを実行して 滅びた国は沢山あります)。

声6: 仕事が出来ないから、を理由で生活保護に莫大なお金が使われている;国はよく考えて欲しい(係り:まじめにコツコツ働いた人が年金を貰ってみると、生活保護より少ない、という話をよく聞きます)。

声7: 結局 どうすれば老後が安心できるのですか?自分の安全のためには、国全体のことなど かまっちゃいられません(係り:その状態をモラル・ハザードと呼びます;問題は働かなくても食える福祉制度」にあるのでしょう;憲法第25条は「最低限の生存権利」を保証していますが —— よく見て下さい、“最低限の”ですよ——同時に憲法27条は「労働の義務」を規定しています4) 私たちは命ある限り「働く ! 」そして不足が生じ、納税者が合意してくれれば「足して」もらうこの原理をわきまえることが大切だと思います)。

   参考: 5) # 405 : 介護と大家族主義。
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Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

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