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(39) 成長率 3パーセントは正しいの?

 今から50年ほど前のことですが、私は 知人の大蔵省の幹部から聞いたことがあります:“健全な社会の成長率は年間3パーセント程度である”、と。その頃の日本は、戦後の疲弊した状況から バブルに入ろうとした時期でしたから、3パーセントという数値に不思議な希望をつなぎました。3パーセントとは、100円のお金を銀行に預けると、1年後には103円に増える、ということです。事実、1960年ころから1990にかけ、日本はめざましい経済発展をとげ、月給でいえば、初任給1万円程度から17万円程度に上がりました。これは年率3パーセントどころではない、10~15パーセントに上る 異常な成長でした。

♣ ところが、1990年を境に バブルは崩壊、経済成長はほぼストップしました。あれ以後20年の間の成長率は年率1パーセントにも及びません。政治家や経済人たちは これを「失われた10年、さらに 失われた20年」と表現します。つまり、毎年3パーセント増えるはずの胸算用で編成されていた社会構造が、1パーセントの経済成長なら、その社会構造を維持できなくなりそうです。昭和初期の1929年の“世界恐慌”よりも打撃的であるとも言われます。

♣ でも私は つらつらと考えます——そもそも3パーセントって正しいのでしょうか? 昔、旧約聖書で神様はアダムという男を世界に一人だけ創りました。一人ではあんまり寂しそうだから、彼の肋骨一本を取り出し、それを基に 女「イブ」を創って、二人でエデンの園に住まわせました。つまり、神は“無”から“1” を創り、”1”から“2”を創られたのです(0→1→2)、パーセントでいえば 100%ずつの増加ですかね。しかし、エデンの園に住む “悪徳の蛇”の入れ智恵によって アダムはイブと性的に交わることを学び、このことを知った神は激怒して、アダムに罰を与えました。つまり、それまで神は人間に無限の寿命を与えていましたが、以後、ヒトの寿命を千年程度に縮めました。そのうえ エデンの園から追放し、自力で生きるよう求めました。最後の神の言葉、それは“産めよ 増やせよ!”でした。不思議ですね、日本も“産めよ 増やせよ!”という時代があったのです;それは昭和初期から昭和20年までです;なぜだったか 分かりますね。

♣ 最近、ニュージランドの漁民がストライキをして、政府に圧力をかけました。他の業種は毎年3パーセントの収入増加であるのに対し、漁民がその3パーセントを達成するために、底引き魚法で漁を増やしたら、魚の絶滅の危険があり、政府が底引き漁法を禁止したためのストライキです。日本でも似たような状況がありますよね。

♣ 人間そのものも、国により、3パーセントもの増加があります。限りのある地球の中で、「3パーセント至上主義」を守るのが正しいのでしょうか?たとえ銀行とか産業や政治の点で3パーセントが正しくても、地球全部の命を考えると、私はそれが正しいのかどうか、迷っています。自分の肉親や高齢者だけを考えると3パーセント増加の枠で縛られるのは困りますが、その反面、地球全部を見通すと、1パーセント成長では“世界恐慌”が起こるのが現実です。不思議に思います。しかし、利子ゼロパーセントなら もっときついです!これが“生きる”ということなのですか? 社会福祉も難しい現象を扱う科学ですね——どなたか、3パーセント成長の正当性を教えてくださいませんか?

職員の声

声1: 経済が成長した先には何があるか分からないけれど、なにせ成長しなければ、他国に負けちゃうのですね?(係り:人類は産業革命までは微々たる成長でしたが、今の高度成長は やがて地球を滅ぼすでしょう;人類の寿命は身体的寿命よりも地球の寿命で制約されかねません)。

声2: 年率10~15パーセントの成長とは恐ろしい時代でした(係り:複利で計算すると、10年で給料が15倍を越えます、しかし物価も上がるので、本当に儲けたのは一握りの人だけでした)。

声3: 健常な成長率3パーセントは どこから出た数値ですか?(係り:大蔵省や多くの実業家からです)。

声4: たとえば、同じ広さの農地の収穫が年々3パーセントずつ上がるとは とても考えられませんが?(係り:このことは、漁業でも言えます;政府が補助金を出せば可能です)。

声5: 社会は人間がつくるもの、その人間はハタチで成長が止まります;社会だっていつまでも成長する訳がない。

声6: 成長を3パーセントとみなした社会の仕組みが無理なのでしょう;総理は そろそろ「日本貧乏宣言」をして頂きたい。

声7: 自由貿易の要素があるので、日本だけ「成長終了」と言えないかも知れませんが、「足るを知る」という謙虚な気持ちを世界に発表できないでしょうか?(係り:エネルギー、人口問題など考えれば 当たり前のことです;でも それを言うなら 同時に日本も、胃瘻などの超高齢者における高度医療の実態を見直す機運があって欲しいですね)。
プロフィール

ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
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