(431) 世界一長寿国 日本が抱える問題

 (431) 世界一長寿国“日本”が抱える課題        厨房・玉置 美代子 発表

 厚生労働省の発表(2013年)によると、日本人の平均寿命は 男・79.6歳、女・86.4歳であり、過去のどの値より延びている。

国内で一番長生きは長野県で、平均寿命は(男・80.9歳、女・87.2歳)と 1歳ほど多い。2060年の将来予想は 男・84.2歳、女・90.9歳になるというから、まだまだ4~5歳は延びる勢い で凄いことだ !

♣ 医療・介護の進歩などで寿命が延びたことは喜ばしい反面、定年(65歳)以降に残された長い期間をどのように過ごすのか、課題が見えてくる。健康な寿命が延びるのは問題が少ないが、要介護寿命が長ければ長いほど年金・医療費・介護費が増大していくので、老人を支える納税者の負担が うなぎ登り だ。

♣ 日本は世界に名だたる長寿国であるが、歳をとってもピンピンしている健康長寿の人はそんなに多くない。ただ長生きするだけでなく、私たちが望むのは、亡くなる直前まで 元気に活動するピンピンコロリ(PPK)の人生であり、不幸にして長期の“寝かせきり”になった後 逝くネンネンコロリ(NNK)1) ではないだろう ―― 日本の要介護期間の平均値は12.7年、世界一長い ! そこで、ネンコロ長寿高齢者が少ない長野県の理由を7点ほど列挙してみる:―

長野県は有業高齢者が日本一、生涯現役の人が多く、寝かせきり死亡(NNK)が最も少ない 標高の高い自治体が多い。統計によると、標高1,000メートル上がると男性はほぼ2歳ほど長生きできる ことが調査で分かっている。標高が高ければ 人体に及ぼす酸素の影響・植物への影響も良く、野菜の摂取量は全国1位。

青壮年の死亡率が低く、特に肝臓ガンの死亡率は全国平均より4割も低い病院を利用する習慣が少なく、医療事故も少ない。 一人あたりの老人医療費が最も少ない県の一つであり、在宅死亡率は約20%で全国1位余計な延命治療を最もやらない県でもある。 地区衛生組織が保険活動を担っている → 医療より 一歩手前の生活習慣の改善に目が向いている。一般に寒い地方は寿命が短い、というのが常識で 主な死因は脳卒中であった。それを抑制するために「減塩運動」「一家で一部屋暖房運動」が盛んである。

地域医療の先進地域であり「自分たちで自分の健康を守る」という積極性が培われている。県内の病院は116ヵ所のみ;療養病床数は100人当たり0.18床で 全国の最低レベルだ。 公民館活動が活発で生涯学習に力を入れているため、人口100万人換算で843.3館もあり、ダントツに多い(全国平均は134.2館)。→ 一緒にできる仲間や ご近所さんがいる。

♣ 上の成績を見ると、「ネンコロ防止は長野県に学べ !  」という標語が生まれてくる。少子高齢化がさらに進む日本にとって、国民一人一人が自分の健康に責任を持つことが大切であろう。職員の皆さん方は 今後の「超高齢化社会」について どのような展望をお持ちだろうか?

   参考: 1) “ネンネンコロリ”を短縮して言うと“ネンコロ”。日本の子守歌にあるのは「寝ん寝んよー おころりよー、坊やは良い子だ 寝んねしな . . . 」であり、ネンコロは優しい言葉である。これを従来の表現で言うと“じわりじわり死んでいく”= “ジワコロ”であるが、平均12.7年の長期間の寝たきり、中には20~30年の寝たきりを表現するのは“ネンコロ”と“ジワコロ”とでは どちらが適切だろうか?

 職員の声

  声 1: 長野県は老人専門医が少ない のに 住民の寿命は一番長い;医療依存度が幸せに繋がるか どうかの 参考になる現象だ(係り:長野県は 戦後早々と佐久総合病院農民医療に取り組んだ若槻俊一” 医師の努力が実ったことで有名だ)。

声2: 長生き要因が7ッ挙げられていたが、何より心打つのは 「ピンコロ長寿を達成」 つまり “だらだら寝かせきり”の「ネンコロ長寿」を避けたこと だった(係り:介護保険のなかった時代にネンコロに出会うと、家庭生活は悲惨になっただろう)。

声3: 住居が高地であるチベットやスイスは最高長寿ではない ! 長野県は高地だが、単に高地だから長寿に恵まれたのではなく、ネンコロを避ける努力を続けた生活の賢さ でもある。

声4: 自分で見つけた仕事を続けること で心身ともによい機能が保たれ 収入も安定し、このことで長野県がお手本になった。

声5: 「健康で長生き」なら良いが、現実には“長生きに医療”が欠かせない し、費用もうなぎ上りとなる(係り:この問題をドイツ・イギリスでは 胃瘻はナシ・透析は60歳定年などで乗り切っている:日本は裕福だからか、老人の医療定年を設けないのだろう)。

声6: 私(20歳)は母に100歳まで生きる、と公言したら「他人迷惑にならないように」とたしなめられた;私は自立した100歳になればよいのだ ! (係り:100歳になるためには およそ1億円ほど掛かる2) ことを念頭に置くこと)。

声7: 今後 「超」高齢化のピークで私(22歳)たちが大勢の老人を支えなければならない;私は長野県に移住したいほどだ。

声8:定年後 40年近く余命がある、ということは それに備えて生活の蓄えも必要な訳だ;私(35歳)は長野県の賢さに賛同し 家族の健康と貯蓄を守りたい。

声9: 長野県のように医療ベット数が少ないところでも ネンコロ(長期の寝かせきり)が少ない、というデータを見ると、 ”介護の贅沢志向はまったく必要ない” ことをつくづく感じている。

参考: 2) # 428 : 長生きの秘訣。
プロフィール

ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
安全管理 ふじひろのページ

最新記事
全ての記事一覧
月別アーカイブ
カテゴリ
リンク
QRコード
QR