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(444) 小保方 事件 と 400年の歳月

(446) 小保方(おぼかた)事件と400年の歳月 
   
 今年の3月末以来、小保方事件が時のハイライトを浴びている。この事件の取り扱い方は“現在の老人介護方針”と、案外に類似点があり、私は この観点から人間の性( さが )を見つめてみたい。

♣ まず、小保方晴子さんは30歳、スタップ細胞でデビューした学者の卵である。

♣ スタップ細胞は、いったん成熟した体細胞を 弱酸性の液で刺激すると原始幹細胞に若返えらせる、という驚くべき発見である。この論文がネイチャー誌に採用・発表されたことは、限りない名誉である。

♣ 小保方さんがスタップ細胞の発見を投稿した時、ネイチャー誌は、初めのうち 採用を拒否した ―― その理由は“ここ100年の発生学研究の諸成果を侮辱する内容だから”というものであった。小保方さんは、拒否の理由を再考して、訂正すべき点を改め、再投稿したところ、昨年(2013年)暮れに出版を受諾された。これにより、スタップ細胞の存在は 世界権威に懸けて承認された のである。

♣ ところが「好事魔多し」というが、日本国内で反論が沸き起こり、小保方事件 と呼ばれる様相を呈してきた。一般の人々には もめごとの理由がよく分からない ―― 分かるのは、30歳の小娘・小保方を多数の老人と古い仲間たちが 1 対 多数の勢いで罵倒・リンチしている有様である。小保方は よく耐えている。

♣ 争いの問題点は 科学的な“スタップ細胞の存在論争”では もはやなく、発表の名誉・予算・職域などの点で「村の掟( おきて ) 」の争い問題になっており、嫉妬の関与も大きい。私が思うに、もし異論があるとすれば 小保方に対してではなく、ネイチャー誌の査読委員会に向かってやるべきだろう。小保方イジメの様子を見ると、爺様たちのやり口が 非常に汚い という印象を受ける。

♣ ふと思い出すのは 400年前の“ガリレオ事件” だ。彼は「地動説」を発表した。教会側は彼を“異端”と断定・罵倒し、火あぶりの刑に処すと脅した。ガリレオは 自説を“引っ込めた”、が、ひそかにつぶやいた ―― それでも地球は回る”と。ガリレオは自宅蟄居( ちっきょ )で天寿を全うしたが、彼の罪がローマ教会から正式に許されたのは 20世紀の後半、400年後のことであった。つまり こういうことだ:―― 真実の有無を教会の 嫉妬による“多数決”で決めるのは間違っていた のである―― これを最近のはやり言葉で言うならば、時勢の「空気」を読み 他の偉い人の尻馬に乗って自分の意見を決める愚かさでもある。

♣ さてさて、このことと 老人介護の方針とは 何の関係があるのか?

♣ それが あるのだ ! 日本語では「両親」という言葉はあるが、 両爺婆」「両祖父母」 という言葉はない。それは生活の歴史で、それの実態がなかったから だ ――「両爺婆」などの高齢者が普遍的になったのは ここ50年余に過ぎない。ないものに名前は付けにくい。また、 介護」という言葉が辞書に載ったのは1975年頃、極めて新しい造語であり、それは人の道として重要な行いではあるが、これに関する方法は 今 全人類でもめている。ナゼか?

♣ 例を出そう:--ヒトの赤ちゃんや幼児あらん限りの“大声で”泣きわめく。一般動物がこれをすると たちまち捕食者に見つかって 食べられてしまう。ではヒトの赤ちゃんは どうして捕食者がいないと知っているのか? それは 遺伝子に書き込まれている真実からだ。真実は教育・論評よりも はるかに強い

♣ では、ヒトの遺伝子に書き込まれていない“老人の介護方針”はどのように決まるのか ?それは、誰か音頭を取る偉い人の催眠術による“正しくない延寿方針”が決められたからだろう。しかし、偉い人といえども「空気」に左右され、条件の違う過去の習慣にも影響される。

♣ つまり 私は、今の老人介護の方針に間違いがあり、世間がその催眠術にかかり それに従っていると思うのだ。二つの例を挙げよう:-- ① 胃瘻などの しつこい延命は いかに肉親の愛といえども否定されるべきである;② 食事介護(食介)のあり方 ――「枕元に置いたパンとスープを自分で食べない老人は それ以上の介護はムリです」という スエーデンで聞いた あの声が私の頭に響く ―― 世間の空気を重要視する日本の習慣の中で、この意見を採用することは困難だろう ―― でも日本人もスエーデン人も同じ人間ではないのか?

結論: 小保方-いじめ・・・ガリレオ-リンチ・・・ さらに老人介護における食介偏愛 . . . これらは人間の性( さが )による不合理な側面ではないだろうか? 私は400年かかっても「改めるに遅きはない」と思い続ける

  職員の声

声1: 嘘だの詐欺だのと彼女を責めたてる年寄りたち ―― 彼らは税金から給料をもらっているが ご自分たちは その経歴に誓って恥じていないのか?(係り:異論があれば彼女個人を責める前に、論文を受理したイギリスの審査委員会に抗議すべき だろう)。

声2: 彼女はコツコツと論文を書いたハズだが、14人もいる共著者が、事前にこの論文を読んで賛同したのではないのか? 論文の出版後、今更 ‘実は 僕は論文の主旨に賛成ではなかった’とは卑怯ではないか?(係り: 読みもせず、 ‘名前貸し’をしただけ だろうーー実際に書きもせぬ共著者たちが ナゼ 論文の取り下げ画策をするの? 汚さ、ここに極まる ! )。

声3: スタップ現象が正しいのか分からない中で、お爺さん方の嫉妬をなだめる努力をしない小保方に問題はないか?(係り:‘坊主憎けりゃ袈裟まで憎し’という格言があるが、今回はその逆だ ―― 老人たちは論文が憎いあまり 小保方個人の全人格を否定、犯人扱い をしている ―― それは経験豊かな老人たちのフェアな行為だろうか?)。

声4: 結局、スタップ細胞はあるのか?ないのか?(係り:ネイチャー審査委員会は「ある ! 」と判定し、論文を全世界に向けて出版した ―― しかしガリレオ裁判の時と同じで、日本では御殿作法違反とか、嫉妬と自虐に燃える老人たちが彼女を囲み、多数決で打ち負かす勢いだ)。

声5: 理研の理事長は“犯人は小保方一人だけ”と糾弾している ―― それが賢い老人の問題解決の姿勢か? 係り:組織を守るために小保方一人を生贄( いけにえ )にしたのだ)。

声6: ガリレオは火あぶりの刑に脅( おど )かされて、地動説の「真実」を引っ込め、400年後になって許された ―― 小保方さんは 今 多数のリンチを受けているが、科学上の「真実」を多数決で決めて良いのか? 係り:問題の異質な混同があるね)。

声7: 正しさの問題の別例:―― スエーデンは、枕元に置いた‘パンとスープ’を自分で食べられない人は それ以上の介護はムリだという見解だ ―― 日本の空気がそこにたどり着くのに400年も掛かるのだろうか? (係り:食介延命や胃瘻の正しさは 介護者の気性の問題であり、生命を畏敬する念(真実)とは異なる。 悔しいことながら、ヒトとは 平均寿命わずか86歳の動物に過ぎないのである ーー 礼儀に基づく延命の画策は 他人迷惑のない範囲で行うべきだろう。人の命は千寿万歳にはほど遠いのだ ! )。

声8: 私は胃瘻と食介を そこまでキッパリと分ける勇気がない(係り:あなたは 意識のない老人で5年~10年を全食介で生存している人の‘鬼気迫るたたずまいを観察したことがあるか?)。

声9: さらに別の例: ―― 育児は遺伝子の問題・養老は礼儀の問題ーー育児と養老は 行動上 似ているから、と混同して 同一原理による行動とみなすのは正しくない (係り:真実(遺伝)は時の試練に耐える、が、嫉妬はその場限りの無礼であるものの その影響は大きい400年の歳月で、残ったのは 真実(ガリレオ)だったか?嫉妬(教会)だったか? )。 今後残るのは小保方か?それとも爺様方と その尻馬に乗る’その他大勢’か?

  参考: 各国の寿命、五つのハテナ:新谷冨士雄・弘子、安全管理 # 439,2014.
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ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
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