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(449) 表方 (おもてかた) と 裏方 (うらかた)

   (449) “表方( おもてかた ) と“裏方( うらかた )

物事には“表方”と“裏方”があり、どっちも同じように大切だ。でも素人耳には “表方”のほうが 華やか でカッコよく聞こえる。

♣ 「オマエは勉強せい ! 学費はトーチャンがなんとか工面する」とか、 選挙演説で「聴衆の皆さん、長生きして“老後のゆとり”を楽しんでください、私は皆さんの後押しをします ! 」などは、「表方」で相手を引きつけ、「裏方」で発言者の努力を約束する。この「表方と裏方」の両方は キチンと実行されることが 暗黙の了解である。

♣ “ペイゴー1) という言葉を覚えているか? これは英語で“Pay- and- Go”と書き、「お金を払って 進め ! 」という意味だ。表方で約束したことは、裏方で実行する姿勢を示す(約束と実行)。

♣ 日本では 50年前に「老人医療費の無料化」が実現された ―― 政府の博愛に満ちた「表方」の政策であった。これを当時 批評したフレーズがある:つまり、医療の無料化とは = “みんなで仲良く病気にかかろう ―― 遠慮はいらない、病気してもタダで看てもらえるのだから”。こうして多数の老人たちは些細な不調でも最高の医療を求めたので、数年後 国の財源は枯渇し、保険局長の吉村仁氏は「医療費亡国論」を唱え、無料化を廃止した。これは かっこ良い「表方」の約束とは裏腹に、目立たない「裏方」の支えを無視したための約束不履行だったのだ。

♣ そもそも「老後のゆとり」って何だろう?2) 「ゆとり」には素敵なムードがあるが、たいていの「ゆとり」は 「他人様の財布と労力」を当てこんだ 安易な幻想である。誰しも「ゆとり教育の失敗」の理由を忘れはしないだろう。

人生50歳の昔、「老後のゆとり」は“ほのぼの”とした自立した楽隠居で 個人努力の才覚に満ちていたが、現代の「ゆとり」は 他人様にしてもらう“他力本願だ。

♣ 介護保険の特養を考えると、施設のベット一床当たりの開設費は約2千万円、要介護度を「4~5」とすれば、その運営費は お一人・年間500万円を要する。他方、日本のサラリーマンの平均年収は420万円;つまり生活経費は、 要介護なら「お一人を500万円」 で、 独立の家族なら「数人を420万円」で賄う;これほどまでに ‘老人介護のゆとり’は 他力本願の“金食い虫” なのである。一昔前に比べ、10倍に増えた老人が 百寿までの2倍延寿、経費も他人様の財布を当てこむ ―― 高価な 高価な「ゆとり」 なのだ。介護の約束を守る裏方納税者の難渋は如何ばかりであろうか?

♣ その昔、老人医療費の無料化は 医療費亡国論 で失墜した。私は、現代の介護保険も その轍を踏む のではないかと心配する。つまり 老人が 表方の目標( = 延寿と ゆとり)を享受すればするほど 裏方( = ヒト・モノ・カネ)の困難が増す のだ。今の大盤振る舞いを続けていれば、そのうち、「医療費亡国論」と同じように 介 護 費 亡 国 論 という新たな危機が発生し、厳しい対策が練られるだろう。

♣ 物事は「中庸」が大切だ。「老親の延命」を願っても それには ほどほどの限界があろう。仮に「不老長寿の夢」が近づいたら 今にも増して 社会は老人たちに満ち溢れ、若者は 認知症老人を支えるための窮乏生活に甘んじねばならない ―― 貧弱化した若者の日本は隣国に攻め滅ぼされる だろう。つまり 表方の「老人延命願望」も 裏方(若者)の支持なしには実現困難となるのだ。

結論 : 私は、老人介護の精神は「美しい表方」である事を認めるが、中庸な「表方~裏方のバランス」 をも考慮し、 「介護費亡国論の批判」が世に発生しない事 を乞い願っている。

参考: 1) 安全管理 # 107 : ペイゴー  2) 安全管理 # 266 : 年金と介護の行方。3) 安全管理 #364:ゆとりある老後と年金の保証。

  職員の声

声1: 医療も介護も、老人への対応は時代と共に変容してきた(係り:今 表方の ‘手厚い介護’は時代錯誤 になった――本人の自立心が重要な裏方要素の時代なのだ)。

声2: 病院の待合室は 今でも老人の井戸端会議場、娘は母に向かって語る――私が歳取ったころ、表方の医療・介護保険は破産しているわね)。

声3:何でも保険を使う姿勢”が続けば、過去にあった 無料の老人医療破産の憂き目に合う ―― 今 “多老少子”の苦境は分かり切っているのだから知恵を働かすべきだ(係り: ‘言いなりケアマネ・お手盛り介護’ を防ぎ、健全な保険を使いたい)。

声4: 40年前、「医療費亡国論」を持ち出して せっかくタダにした老人医療を廃止したのは 裏方の官僚の見通しの甘さが原因だった ―― 老人が倍々ゲームで増えている現状を再び甘く見ている官僚思考で、問題が解決するのか?(係り:人間、子を産み育てる期間なら 表方の民間援助があっても良いだろう;だが更年期以後 裏方で老人が若者に寄生する行為は遠慮したいところだ ! )。

声5: 今の「医療・介護システム」で人々に持続的な救済が得られ 幸せが訪れるのか 心配である(係り:日本は表方で 世界に冠たる医療・介護の国であって、その点では何の心配もない ―― 問題は 裏方で「卑屈なまでに老人を奉って 金粉をまぶしている こと」だろう 。1983年の無料老人医療は「老人の不定愁訴対応」で国庫が潰れた、 ―― いずれ介護保険も ドブ金”の結末になり、国富は衰えるだろう)。

声6: 「‘ゆとり’とは金(かね)」なのか?「幸せ」とは何なのか?金があっても病気ではしょうがないし、裏方の“寄生虫”が一番 手軽な目標なのだろうか?(係り:ゆとり」とは 表方で “自分の計画によって余裕のあること”だったが、政治家が裏方で絡むと「他力本願でお金を恵んでもらうこと」に変質した ―― 「しあわせ」も“自分で感じ取る心”だったが、今では「政治家が裏方で配給するもの」に変わった ―― 老人たちは口を揃えて訴える = 長生きさせて貰えば貰うほど 幸せ感が遠のく」、と ―― 待てど暮らせど「お迎え」がなかなか来ない、と)。

声7: 介護保険の収支バランス維持は 表方の大問題であるが、日本は 思惑・利権・儒教が絡み合って 裏方の世代間ギャップが埋まらない;どう解決するか?(係り:老人は‘長命・幸せ’を希望するが、現実には ナゼだか、恵まれて長命になればなるほど‘不幸と不満’で終わってしまう ―― 人生50歳の昔のほうが ずっと幸せに見える)。

声8: 「老親の延寿期待はほどほど」に私は賛成だ;表方で むやみに手術や点滴をすると 裏方では 本人の苦しみが増すばかり(係り:歳をとると、脳からエンドルフィンというモルヒネ様物資が分泌され、老人は天然に‘幸せな気分’に浸っている ―― 医療・介護を重ねるとエンドルフィンは消失し、老人は苦しむようになる ―― 親切が仇( あだ )になることを よく覚えておこう)。

プロフィール

ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
安全管理 ふじひろのページ

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