(457) 子供の数を増やしたいのなら . . .

 (457) 子供の数を増やしたいのなら . . .

先月 (2014.6.19)、東京都 都議会の演説で塩村文夏( あやか )議員 独身女性 35歳 が 一男性都議のセクハラヤジで議場が混乱に陥った‘いきさつ’を 皆様方はまだ覚えておられるだろう。それは「結婚したらどうか;まだ子供を産めないのか? 」というプライバシーに関わる低劣な発言であった。

♣ 私が問題にしたいのは ヤジの内容よりも、むしろ ナゼ 妙齢の男女が 結婚する意志を持ちながら なかなか結婚できないか の理由である。

♣ この都議がヤジった動機は 塩村氏が35歳の美人でありながら未婚であり、 “多々老・少子”の現代でありながら、子を産む態勢にない氏をからかったからに違いない。でも、これは間違っている

♣ なるほど 子を産むのは女であるが、それは男女の合意の元で行われるものである。日本の生涯未婚率を見ると、男20.1%、女 10.6%であり、男が結婚しない割合が女の2倍もある のだ。男が結婚に漕ぎ着けないでいるのに、ナゼ女だけが子を産む数の少なさを責められねばならないのか? 単に 特殊出生率の少なさ を女だけに帰せられるのか?男は十分 反省しなければならない。

♣ さて、子供を増やしたいのなら、晩婚・晩産ではどうにもならない。そこで 日本社会で20歳代の男女が なかなか結婚に漕ぎ着けないで困っている状況を 私は男女のアプローチで考察してみた。 (A): 妙齢女性の7割は母親と同居、家庭の雑事遂行を免れ 親に半寄生の生活をしていると言われる。また20代の女性は自由な独身生活を謳歌したい、という 現代では許された社会背景もある。さらに、仕事を持つ女は 結婚後の経済生活を考えると 二の足も 三の足も踏んでしまう。えり好みもあるが、いつの間にか男女とも齢が来てあたふた するのが大多数なのである。

(B) : 男性の側にも理由がある。自分の収入で女性との新生活を支え切れる男性の数は 現状で約一割程度と言われる。昔は 四畳半で鍋・釜を持ち込んで生活をスタートしたもんだ、と親たちは言うが、今は時代が変わり、女側の収入を期待 しないで新婚生活を始めるのは躊躇( ちゅうちょ )される。それゆえ 男の方も女を迎えるに当たって 自分の収入の余裕があるまで結婚を遅めなければ現実を乗り切れない。かくして 男女ともに晩婚・晩産の時代が到来したのだ。しかし女性にとっての晩産は年齢的に限界があって、生まれる子供の数は どうしても少なくなってしまう。

国が違えば、この問題は別の解決があるようだ。たとえば、「婚外子の割合」を観察すると、スエーデン 53%、フランス 48%、ドイツ 29% . . . 日本 2% などのように、日本は圧倒的に夫婦間の嫡出子主義である。それは 我が国の“誇り”でもあるが、先進国に見られる現実妥協性の面で劣っている欠点でもあろう。
子供の数を増やしたいのなら . . .

♣ 私が決定的に“老若全員の問題”と思うのは 「人口ピラミッド」からの類推である。図上は戦後の日本で 典型的なピラミッドだ。図中は現代の“提灯型”の、図下は将来の“逆三角”の人口構成である。今の日本は「子を産め ! 産め ! 」の大合唱 だ。図下の“逆三角”の状態で ご期待に沿って子を産んだらどうなるか? 補助線を左右斜め下方向に引いて、子供が占める面積を想像して欲しい

もし老人たちの希望通りに子供の数が増えたら総人口過剰 という 新しい問題が惹起されるだろ。それを防ぐために、老人と子供の人口構成はバランスが取られるべき、という ”現実の幾何学” がここにあるのだ。つまり、老人の占める面積を子供に融通すればよい。それとも、年寄りは早く逝きたくはないので、日本は やはり 「多々老・少子」 で行くしかないのか?

対策は何かあるのか? それは基本の晩婚問題に戻れば良い ―― つまり、若くして結婚しようとする男女の生活に 心の許せる見通しを つけたい。そのためには 老人保護用に徴収されてている所得税を何とか軽減してあげられないものだろうか?こうすれば 晩婚が軽減され、子供の数を確保しやすくなるだろう。これは政治家の大事な判断でもある。 

結論: 子供を増やしたければ、老人の数とのバランスを賢く検討する必要がある。現状のままで子供の数を増やすべく若い男女を責めるのは間違い ではないか? この際、むしろ年寄りが身を引いて、新旧の空気を入れ換えるべきであろう。

  参考 : * 新谷冨士雄・弘子、「多々老少子」が正しい;安全管理 # 452, 2014. 

 職員の声

  係り: 過半数の「声」は“晩婚・晩産”の理由を述べるだけで、“子供を増やす方法”についての関心はほとんどなかった ―― 子を5人も6人も欲しいと言う職員はいなかった

声1: 若い女性が「自由と欲望」を許されて生活すれば 晩婚・晩産は避けれれそうにない(係り: 昔は結婚しない自由はほぼゼロだったしね ―― だって誰が食べさせた?)。

声2: 今日の若者は「結婚する、親になる」という社会意識が乏しく、いつまでも保護されたガキ気分なのだ(係り: 無欲の若者は“草食獣”とも言われる ―― ちょっと前まで若者は「新車・新妻・持ち家」を目指して血眼( ちまなこ )だった ―― 女たちも “三高”を求めて目を光らせていた ―― 三高 = 背丈・学歴・給料の高いこと)。

声3: 結婚できても そのあとの子育てに掛かる費用を思うと たいていの夫婦は出産をためらう ―― 子供一人に3千万円とも言われ、親の年輪がすすむほど現実を知って 出産の壁が高くなる(係り: 共働きで一方が転勤となれば、二人の生活も子作りも大混乱に陥るしね ―― よその国ではどうしているのか?)。

声4: 昔のように、‘おせっかいおばさん’が背中を押してくれるといいのに . . . 今は子育ても近所付き合いも大変 !

声5: 子供の数は減った、でも その10倍もの老人が増えた ―― 長生きの老人の生活費・医療費は莫大であり、お金が足らないのだ(係り :子供は乳幼児の頃 親を心配させるが、老人は毎年諸経費を増やす)。

声6: 日本でも「婚外子」に対する差別視を改めるべきだろう(係り: スエーデンやフランスは新生児の半数が婚外子だものなー、我々も「婚外子や移民」について意見を定める必要があろう)。

声7: このまま 老人たちの望みを叶えて 子供を増やすと “多々老・多々子”となって 総人口は増えすぎ、日本はパンクする;老若の程よいバランス点を指導して欲しい(係り: 政府が 選挙票として有効な老人優遇策を推進しているから老人が増えた ―― 赤ちゃん優遇策をとれば赤ちゃんも増えてくる ―― ただし これは選挙票になりにくいから、実現は遠いかもしれないが、みんなで推進したい)。

声8: 子供の数を増やしたければ 老人の数を減らす交渉が必要となる ――多々老・多々子」では落ち着いて子育ても出来ない係り: 女一人が、夫と夫の両親・自分の両親・自分の子供、6人以上への気配りでは 確かにヘトヘトになるね ―― 老人の数を減らす訳にはいかないから、イギリス・スエーデンのように、親の扶養義務は「国」がする、と決めれば 女は元気になれる)。
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ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
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