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(466) 日本女性の平均寿命は 86歳 か

  (466) 日本女性の平均寿命は 86歳 か?

  平均寿命とは、人の寿命の平均値であり、いわゆる「固定天寿」ではなく、その国の人たちが 今 生まれてから死ぬまでの平均期間である。別の言葉で言えば、今 生まれたばかりの 新生児が 後 何年生きる可能性があるか、という数値である。

日本女性の平均寿命は只今 86歳 であるから、生まれたばかりの赤ちゃんは 後 86年 ほど生きられるだろう。しかし、今 86歳 の人には ‘余命’ よみょう) というものがあって、後 たぶん10年以上の余命があるだろう。だが、あくまで‘平均値’であることを忘れないように。

日本女性の平均寿命は 86歳 か?

♣ さて、私は‘安全管理 #439 「各国寿命、5つ のハテナ?」 (2014.3.13) 1) で、 5つ の疑問 を提示した。その要点をまとめると:―― 先進10か国の統計で、寿命は常に女性のほうが男性より 6~7年 長い いずれの国でも 寿命は時間経過と共に延長し、およそ 10年で 2歳 の’長生き‘ となっている。

日本は戦後 10年 で 3歳 の延寿の時期があった。 日本では、2000年 に介護保険は始まったが、それによって寿命がよぶんに延びた形跡はない (つまり、介護保険は延寿に寄与していない)。 日本女性は世界一高齢であるが、2006年 以降 7年間 、平均年齢は 86歳 で停滞している(つまり、寿命は延びず‘頭打ち’)。 ① から ④ までは了解可能であるが、⑤ の“延寿停止”は説明不能であった。従来の成績では、寿命の延長は 「昇る朝日の勢い」 で、10年 ごとに 2歳 ほど延長していたのだ。それなのに、ナゼ 日本女性だけが この 7年間 に延長停止が起こったのか?

♣ そこで今年 発表される成績がどうであるのか、期待が膨らんでいた。上の図は先月発表のものである (2014.8.8) 。これを見ると、上記の所見 ① ~ ④ は不変であるが、 の‘日本女性の延寿停止’の所見は如何であろうか? 刻印された数値は 86.44 → 86.61 とわずかに増加している ! しかし従来の伸び率に比べ鈍化していることは否めない。図で接近するフランスやイタリアなども延寿は鈍化ないし停止である。やはり、平均寿命は 86歳 で頭打ちとみてよいのか?

♣ ちなみに 86歳 の女性は日本で現在 36万人 生存しておられるし 2) 、「大川ミサオ」 さんは116歳で 世界一のご長寿であることから、女性86歳は まだまだこれから活躍される年代であることが分かる。

♣ この所見に対して、男性の平均寿命は、従来通り元気よく延長している。男女の最大年令の違いは何に基づくのか?想定されることは、年齢の絶対値ではないだろうか ―― つまり女性は 86歳 近辺で延寿の鈍化、男性は 80歳未満 で延寿傾向は続行。この理由を推定するとすれば、人間の天然の平均寿命は 86歳 であり、そこまでは延びる可能性を持つ、ということではないか。この考えの可否は今後の統計成績で明らかにされるだろう。

超高齢者の 肌や角膜の輝き の変化を観察すれば、人間の生存期間には おのずと限度 のあることが知られる 。顎に残っている歯の数を数えれば、将来のことは 相手におもねることなく 分かってくる。もし 老人の体を観察をせずに 数値や表だけから数学的に平均年齢を算定すると、それは 110歳 から 150歳 程度の無責任な数値が提示されてしまう。上記の‘統計観察法’と‘数学法’のどちらが正しい方法なのかは、今後の時間経過が教えてくれることだろう。介護職員なら ” おとぎ話と現実” との区別をしっかりしておきたい。

♣ そして、もし 86歳 またはその近辺の年齢が ‘種としてのヒトの平均年齢’ であるのなら、超高齢者の本人または家族の要望に応じて現在行われている 「各種の延命術の倫理性」 は見直しの光で再検討されるのではないだろうか。それは”自然摂理”への著しい冒涜 ( ぼうとく ) を避けるためである。

結論: 2013年の各国平均寿命の成績では、日本女性は ここ7年間 平均寿命が 86歳 で頭打ちであった。2014年の成績でも同様な所見が確認された。つまり、ヒトの平均寿命が 86歳近辺 であろうことが示唆された。

  参考:1)  新谷冨士雄・弘子:各国寿命:5つのハテナ?、福祉における安全管理, #439, 2014. 2) 新谷:気迫で生きる、ibido、#462, 2014.  3) 新谷: 健康寿命、ibido # 467、2014.

 職員の声

  声1: 付図を見ると 1950年 の女性寿命は 61歳 ―― 今よりも 25歳 低い ! (係り: 漫画サザエさん をみると、その頃のおさん=磯野波平は 52歳、3年後 には定年退職、寿命58歳 で逝った ―― 隔世の感あり、だね)。

声2: 従来のデータなら 毎年寿命が 2ヶ月 ずつ延びたのに、最近の 8年間 は 寿命が 86歳 で頭打ち ―― もっと延びて欲しいな と思う(係り: 思春期の身長の延びが自然に止まるように、人の寿命延長も自然に止まる ―― もし あなたが 寿命を10年 程 延して欲しいと思うなら 更年期」 も 「出産期」 も 10年 延すことが肝要だ、そうでなければ 社会は 老人過剰・子供不足で破産する ―― いずれ 60歳 で出産、が当たり前の時代が来るかもね ーー その時、高齢の妻を相手にする男性が果たして頑張れるだろうか?)。

声3: 女86歳 ・ 男80歳 ―― だから 男もいずれ 86歳 まで生きるようになる ―― 世界中がそうなったら地球はどうなるか?(係り: 今 地球人口は 70億人 、食糧補給なら 100億人 まで大丈夫らしいが、そうなると 国際戦争は確実に増える らしい)。

声4: 女性 86歳 の全期間が 「 健康寿命 」 であることを望みたい(係り: 残念 ! 現実の統計は 3) 健康寿命は 73年後の 13年介護寿命である ―― つまり女性は 73歳 を越えると人様のお世話で生きる訳で、何とも悔しい金食い虫なのだ)。

声5: 年齢の上限合戦よりも 「税金の心配」 をすべきだよ、今だって大変なのだから(係り: 国家予算は年金 60兆 、医療 40兆 、介護 20兆円 で計 120兆円 、これに対応する税収は 45兆円 ―― 老人が求める ‘借金’ の払い手は 気の良い ‘若者’ なのである ! )。

声6: 長生きと言っても たかが 86歳 ―― それでさえ 「早くお迎えに来て欲しい」 と嘆く声を聞く ――人間、満足と思う生き方が大事である(係り: 平均値 86歳 で足りないと思うご婦人は 世界一長寿の ‘大川ミサオさん’ (116歳) の歳までに “30年間” という個人の自由な延長時間がある ―― この期間で存分に満足を味わって頂きたい)。

声7: ヒトの寿命は誰が決めたのか?神か?  (係り: 同じヒトでも 縄文時代は寿命 30歳 (は全部揃っていた若者)、現代の寿命 86歳 (は全欠損か、あっても歯科治療中の老人) などの根本的な違いがある ―― つまり、昔の寿命は ‘環境’ が決めた;今の寿命は 神に挑む ‘ヒト’ が決めた )。

声8: 介護を受けずに天寿を全うする努力が最高に望まれる(係り: カッコ良いお言葉だが、高齢 100歳 と聞けば:要介護度なら 4 から 5 、認知症は 80% と進み、介護の手は ’子’から ‘孫’のレベルに移るのが実態 ―― 身体・精神・経済の 3方面 の全部が自立であれば、何の問題も発生しないけど)。

声9: 入所するか 家庭にケアワーカーが来てくだされば、老人の寿命は延びるハズ ―― しかし付図を見れば分かるように 介護保険によって寿命は延びていない !  ―― だとすれば、寿命 86歳 の範囲内で良いサービスを “与え、かつ受ける” ことこそ長寿の鍵となる(係り: その通りだ、お金をよぶんに掛けることよりも、ここで踏みとどまる決心こそ必要なのではないか)。



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ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
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