(43) 何かあったことの幸せ

(43) 何かあったことの幸せ ドイツと日本?

 パールで仕事をしていると、施設内介護であっても、在宅介護、あるいは食事配達介護でさえも、いろんな人の行い・人の姿を感じます。人って不思議ですね、「何かあったことの幸せ」を感じますし、「何もないことの幸せ」をも感じます。どっちも大事だと思います。前者は積極的な喜び(Active)、後者は消極的(Passive)と言えます。前者は「忙しい思いをした後のよろこび」、後者は「ボーとして日向ぼっこをしたときの幸せ」と言えるでしょうか。

♣ 人間とは、その言葉通りに、「人々の掛かり合いの間での存在」ですから、「何かあったことの幸せ」が大事ではないでしょうか。いろいろ計画をしてみる、あるいは試行錯誤をしてみる。その結果、「良かった!」と感じる瞬間があれば、それは、まことに「幸せな瞬間」でしょう。新しくパールに入職された方々、前から頑張っておられる職員の皆様方、今年は「きっと何かがある」と期待し、その「何か」の中から幸せを育ててみませんか?

 ♣  さる3月27日(木)にパールの理事会・評議員会が行われました。その席上で、評議員のお一人・立教大学福祉学部教授・高橋絋士先生が「福祉の展望」について発言されました。とても興味深かったので、その一節をご紹介します—— 要旨:日本の介護保険制度はドイツのものをお手本にしてつくられた。しかしドイツには要支援はなく、主力は要介護3以上に向けられる。その給付は現物給付か現金かが選べるが、額は約5万円程度で少ない設定、そしてできるだけ家族の介護を導く。にもかかわらず、制度的に崩壊寸前になっている。―― 日本の介護水準は、解決すべき問題もいろいろあるものの、世界一のレベルにある。…….

♣ 先日発表された渋谷区の「要介護度別の人数実態」を見てみましょう(平成20年2月末調べ 計7,682人):非該当(1%)、支援1(20%)、支援2(20%)、介護1(19%)、介護2(12%)、介護3(11%)、介護4(9%)、介護5(7%)。暗算してみれば分かるとおり、介護1以下の合算は、なんと60%!!  つまり、介護の実態は「日常生活のお世話」が数の上で過半数の60%でした。別な見方では、要介護2以上になって、初めて腕の鳴る「本格的な介護」が陽の目を見る訳です。

♣ 20年、 30年まえには、お年よりはどうしていたのでしょうか? その昔の「何もなかったとき」は幸せだったのでしょうか? 今の介護保険が不完全であったとしても、私は現在の「何かあったこと」のほうが幸せであると思えてなりません。

職員の声

声1: 人間は「人々の係り合い」の間の存在だから、“何かあったことの幸せ”が大事ではないか、というお話に共感しました。

声2: 私は今まで幸せな「ぬるま湯」の学生生活を送ってきました、今後は自分をコントロールできる立派な職業人になり、行動を通じて幸せな存在感を感じたいです。

声3: 日本の先生であるドイツの介護保険、事務的に楽な現金支給が仇になったのでしょうか?(係り:現金は魔物、介護に使われないかもね)。

声4: パールは「世代間交流コンサート」を開催し、2000人を越える出席者がありました、でも私は参加する暇(ひま)がありませんでした;公立学校の教師なら絶対参加しないでしょう (係り:私立学校の先生方は沢山参加されました;一般に「労働イデオロギー」は対話を拒否します:→ 安全管理 (44) “ノーブレス・オブリージュ”を参照)。

声5: 賃金にこだわるあまり、ボランティア活動に無関心な方が少なくありません(係り: 「何もないことの幸せ」を否定するものではありませんが、「何かあったことの幸せ」は とても優れていると思います、特に弱くて寂しい思いをしている人に対しては)。
プロフィール

ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
安全管理 ふじひろのページ

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