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(497) パール の 介護カルタ

 (497)   パ ー ル の 介 護 カ ル タ
  
私は去年の年末の安全管理で 「介護アイコン」 というお話をした 1) 。アイコンとは 「小聖像」 の意味を表すギリシャ語の「イーコン」に由来する言葉だ。

♣ パソコンを開くとの大きさの 小さな暗号のような絵が多数表れるが、それらは皆 「アイコン」 と呼ばれる。コンピュータは がんらい数字と文字で表示されることからスタートしたが、内容が増えてくると整頓しなければ混雑する。 数字で整頓するのが便利であるが、番号と中身の繋がりを忘れると やっぱり混乱する。この際、中身を “単純で小さな絵” で代表させると、らくらくで お目当ての資料にアクセスできる。このような “小さな絵” を パソコンの世界では 「アイコン」 と呼ぶならわしとなった。

♣ ご存知、「犬棒カルタ」 は、皆さん方がよく理解している 「智恵の格言」 を 「絵」 に表したカルタ である。つまり、「絵」 を見ると それに対応する格言が頭に蘇ってくる。私は この原理を応用すれば カルタが老人介護業務の潤滑油の役目を果たすのではないか、と思いついた。老人介護における知恵は 「ヒヤリハット ・ レポート 」 の中にいっぱいある。それどころか 格言を知っていさえすれば、やらなくて済む失敗を回避することもできる。
パールの介護カルタ

♣ そこで 今年に入って、経験豊かな職員 12名 を集めて、カルタの内容としての 「知恵」 を編み出して貰った。カルタの狙いは およそ次の通りである: ―― 介護ユーモア ・ 敬老 ・ 家族と職員 ・ 警句 ・ 問題解決 などである。およそ 500句 が集まり、その内から 12名 職員の挙手による選択で、次頁にプリントしたような選別をした ―― さらに適当な句が提供されれば、差し替えもありうる。

♣ 次のステップは、これらの句に対応する 「絵」の作成 だ。さらに その後には、世間への発表、できれば頒布してみたい。今回は職員の皆さんがたに 「パールの介護カルタ 」 をお披露目するので、ご意見を賜りたいと思う。


参考 : 犬棒カルタ          パールの介護カルタ : 2015年 作 
  
い:犬も歩けば 棒に 当たる    いつまでも 自分の家で 過ごしたい
ろ:論より証拠            老人は 昔 還暦 今 白寿
は:花より団子            歯磨きで 大事にしたい 自分の歯
に:憎まれ子世にはばかる     認知症 明日のことは 気にならぬ
ほ:骨折り損のくたびれ儲け    褒められて 杖 足にもつれ 転倒す

へ:下手の長談義          平気だと 片足立ちする お婆ちゃま
と:灯台下暗し            年寄りを トイレに残して 離れるな 
ち:塵も積もって山となる      朝食を 食べて 食べぬと 言うお爺ちゃま              
り:良薬は口に苦し          良薬も ほんとに効いて いるのかしら
ぬ:沼地にも蓮の華         脱ぐときは 健側が先です 念のため

る:瑠璃も針も照らせば光る    ルー法則 ほど良い が ベストと 知りました
を:老いては子に従う        押し問答 してはいけない トイレの中
わ:笑う門には福来たる       若いとは おっしゃるけれど 総入れ歯
か:可愛い子には旅をさせ      介護予防 教室へ来ると 皆 元気
よ:葦のずいから天をのぞく     よくぞみな 平均年齢 越えました

た:旅は道連れ世は情け       段差あり まさかの油断 するべからず
れ:礼儀も過ぎれば失礼になる    連絡が 取れない人は 心配です
そ:損をして得をとれ          その昔 おしゃべり得意の あなたでした
つ:綴れを着ても心は錦        つまずいて 転ばぬ元気な 人もいる
ね:念には念を入れよ         念には念 それでも失敗 与薬かな

な:泣き面に蜂が刺す         ナイナイと 探す眼鏡は おでこの上
ら:楽あれば苦あり           楽あれば 苦もある介護 きずなかな
む:無理が通れば道理が引っ込む 昔はベンツ 今 車椅子
う:嘘から出た実(まこと)       腕の良い 食介こそが 長生きの元
ゐ:井の中の蛙 大海を知らず    居眠りは 鬼に金棒 我が得意

の:喉元過ぎれば熱さ忘れる     望んでも 百歳越えは 難しい
お:鬼に金棒               オレオレと 掛かった電話に 心乱れる
く:臭い物に蓋              薬より 笑顔の方が 効く 不思議
や:安物買いの銭失い         やりましょう 地域の福祉 心の輪
ま:負けるは勝ち            待っててね 年寄りは待てない 知ってるね

け:芸は身を助くる           見当識 時・所・人の 障害なり
ふ:河豚は食いたし命は惜しい    不老不死 誰が養って くれるやら?
こ:転ばぬ先の杖            ゴミ御殿 片づけたければ 喧嘩となる
え:得手に帆を揚げる         栄養価 食べて初めて 価値が出る
て:出る杭は打たれる         出歩けば 徘徊ですかと 尋ねられ

あ:頭隠して尻 隠さず         安静を 保ちすぎれば 寝たきりよ
さ:猿も木から落ちる          寂しさで 痛い痛いと 人を呼ぶ
き:聞くは当座の恥じ          今日もまた 眼鏡を探す 日課です
ゆ:油断大敵               油断せず 誤嚥こそは 命取り
め:目の上の瘤             目指せ100歳 次 101歳
み:身から出た錆び           看取りの日 ご家族みんな 手をつなぎ

し:知らぬが仏              十五年 ヒヤリハットは 無くならない
え:縁の下の力持ち          延命は 家族の願い 本人知らず
ひ:貧乏暇なし              病院へ 行きたくないなら 訪問医
も:門前の小僧 習わぬ経を読む   妄想は 訂正不能な 自己主張
せ:背に腹は代えられぬ        せん妄は 錯覚・幻覚 伴います
す:好きこそ物の上手なれ       睡眠薬 深夜のトイレは 要注意

ん:京の夢大阪の夢           「うん、うん」と うなずいているのか 幸せそう                       
   
職員の声

声1: このカルタ、よく出来ていてビックリした、よく思いついたなーと感心するばかりだ(係り: この裏に 15年 の念入りな介護経験 と ヒヤリハット・レポート の討論があったのだ)。

声2: すばらしい取り組みだと思う; 私も名文を作って応募したい(係り: 介護の初心者でも経験者でも、案外に ‘取りこぼし’ というものがあり、それを お互いに伝え合うことは大事な仕事である . . . ちょうど ‘灯台元 暗し’ の毎日を過ごす 我々のように)。

声3: どのカルタも覚えやすく、的を得ている ! 凄い ! (係り: 語呂合わせは大切だ . . . 発案者の語呂は 2~3人 の職員の口を渡り歩く間に 一番良い ‘語呂’ に落ち着いた)。

声4: 介護の仕事は 何年やっても学ぶことが多い . . . 苦しく難しい仕事だらけの毎日を 「ユーモア」 の目を通して眺め、‘学び’ を身に付ける姿勢が この企画のポイントとなっている(係り: ‘育児’ と ‘養老’ は いずれも大変だ . . . しかし 困難を滑稽の気分で受け止めれば 疲れも薄まるだろう)。

声5: 現場の人でなければ このカルタは生まれない . . . それほど現場の雰囲気が伝わりやすく仕上がっていると思った ―― 在宅の介護老人や高齢社会の全体を イメージ することもでき、みんなで楽しく遊べるカルタとなるだろう。

声6: このカルタは業務の潤滑油の役目を果たすと思う ―― カルタの狙いは 敬老精神 ・ 愛と滑稽 ・ 問題解決 の姿勢が含まれているので 読んでいて楽しい(係り: 「犬棒カルタ」 にも ‘関東編’ や ‘関西編’ などがあるように、‘パールの介護カルタ’ も バリエーション が いろいろできるといいね ! )。

声7: このカルタは 「寓話」 (ぐうわ)のイメージであり、警句 ・ 教訓 ・ 問題解決 に向けての知恵の詰まった 「箴言」( しんげん) として理解したい(係り :これの発想の原点は 「犬棒カルタ」 であり、さらに古くは 「イソップの寓話」 でもある ―― 読んで楽しい、思わず膝を打つ、というのが良いね)。

声8: 「知恵の格言を絵にする」 という発想は素晴らしいことだ; カルタの文字列 ・ リズム ・ イメージ が記憶に語りかけ、それが さらに介護上の ミスの回避 に繋がるのなら 教育効果 も大きい(係り: 以後 私たちの仕事は “イメージにマッチする絵画の作成” であり、良きボランテイァ との出会いが待たれている)。
                      
プロフィール

ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
安全管理 ふじひろのページ

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