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(47) 雑煮の餅で死亡

 (47) 雑煮の餅で死亡   

先月の品質会議で「転倒・骨折事故の裁判」の話題が出ました。提示症例の判決は施設側に損害賠償を命ずる、というものでした (未控訴)。

♣ 今回は、「雑煮の餅を喉に詰まらせて死亡」という事例を紹介します。糖尿病で某病院に入院していた74歳の男性が、朝食で出された雑煮のお餅を喉に詰まらせ、一時心肺停止状態となり、意識不明のまま、約一ヶ月後に死亡しました。餅は約4.5センチの小さな丸餅で、男性は入れ歯をはずしていたため、飲み込もうとしたらしい。個室での食事であり、そばに職員はいなかったといいます。遺族らは「誤って喉に詰まらせる可能性があったから、病院側の注意義務違反だ、とし、損害賠償を病院に求めています。

♣ 問題は二つに分けて考えましょう。① 餅を詰まらせたことに対する注意義務違反があるか? 厳しいですね。これを違反とするなら、職員は個室・複室全ての患者さんの食事に必ず陪席せねばならず、それは非現実的です。

♣ ② 餅を喉に詰まらせた後の処置に「過失」があるか否か? 適切な処置を施す義務が病院側にあります;ただし、それは努力義務であり、結果責任は問われません。でも、司法は「結果責任罰」を言い渡しています。

♣ パールの場合を考えましょう。パールは医療施設ではないから、① も ② も、同じように困難ですしかし、根本的に、食事中を観察できない人に「餅を提供するのはリスクが高い」と見られます。パールの厨房では「餅」を出しません。もし① がなければ ② もありません。

♣ 近年の日本の判決では、安易な「結果責任論」が跋扈(ばっこ)しています。以前に「割り箸に綿飴の事件」がありましたね(これは無罪)。しかし子供公園で子供がケガしたら、司法は すぐ子供の肩を持ちます。それが近年の傾向です。このほか、転倒・骨折まで、広く訴訟の対象になる場合もあります。

♣ したがって、常に事故の可能性を予想しながら、安否を確認の目配りをすることが必要です;事故があったら、率直な気持ちで上司へ「報告・連絡・相談」をし、緊張・興奮のあまり自分を忘れないようにね!

職員の声

声1: 餅を食べやすいように切ると、餅らしくなくなるので、大きいまま食べたいのですね。

声2: 餅の事故は年中聞きます;以前にも丸いコンニャクで窒息事件がありました(係り:アメリカではステーキの丸呑みで窒息事件が後を絶たないそうです、我々は事故に学ばなければなりません)。

声3: 食事・歩行・入浴・トイレは全て事故と隣り合わせです;私は気を張って目配りしています。

声4: それにしても、つまり賠償ですか?(係り:推測ですが、おそらく会話がこじれたのでしょう。私たちは何かの事件に出会ったとき、率直な心情で、誠実に素早く対応してこじれを拡大しないように努めましょう)。
プロフィール

ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
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