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  (519 満 足 を 学 ぼ う

(519) 満 足 を 学 ぼ う

日本は 1868年に 明治維新を迎え、欧米列強に「追いつき 追い越せ」をモットーとして、死に物狂いで頑張ってきた。そして その 1世紀余後の 1989年、バブルの膨れ上がった時点で 日本は世界一成功した高所得国になった。ところが、バブルの崩壊とともに、デフレ・不景気で、以後、長く苦しんでいる。そこで私は人類の歴史を超特急で振り返ってみた。

♣ 自然界の動物で 「満足の基本」 は二つある: ―― ① 満腹になること、 ② 個体が増えること。考えてみると、ヒトは 一万年前 に 「農耕」 を発明し、農夫 一人 が 自分以外の人を満腹させることを可能にした ―― 余剰食料の獲得である。それまでは、他の動物と同じように、自分の食べ物は 自分が見つける以外の方法はなかったのだ。 豊かな食料により ヒトは 農業以外の仕事に従事することも可能 となり、その ‘走り’ は、たぶん、天候の占い師であり、ついで余剰食料を狙う外敵を追い払う戦士、それを統率する王様、税金の記録士 . . . などの経過を経て 現在の 「社会」 が発展してきたのだろう。

♣ 生活の基本は あくまでも食料でスタートしたから、日本では 「お米」 が通貨であった。ヒト 一人 は 一年 に 一石 いっこく の米を消費する。江戸末期の日本の石高 こくだか、国の予算のこと) は 3000万石 、つまり ‘一人 一石’ で 割り算すると 3000万人 を養える国力しかなく、鎖国という事情もあって、人々はそれなりに 「満足」 していた。
満足を知ろう

♣ ところが 250年前 、イギリスで 「産業革命」 が発生し、初めて ‘ヒトと家畜以外のエネルギー’ を用いて、大量な物産を作る手法である。農夫 一人 が 5人 を養うのに比べ、その 10倍 もの生産力を持っていた。その大量生産物品の力が 150年前 の江戸末期に日本社会に押し寄せて来た。その象徴が 「黒船」( くろふね)( だった。目を見張るような欧米の事情に驚いた 「 吉田松陰 ・ 坂本竜馬 」 などの志士たちは ‘農本主義の閉鎖社会はもう成り立たない’ と悟り、尊皇攘夷 (そんのう じょうい) ~ 開国 を掲げ、新しい社会への転換を誘導した。

♣ 日本は明治維新とともに、産業革命の手法を賢く取り入れ、富国強兵に走り、欧米列強に 「追いつき、追い越せ」 を合言葉として 「富」 (とみ) を蓄え、巨大な軍事国家に成り上がった。 しかし、その過程を急ぎ過ぎたため、庶民は ① 満腹になることを経験せず、 ② 若者の人数が増える事のみを強制され、1945年 、第二次 世界大戦に負けてしまった。生活は ほぼ 1500年前 の 「奈良時代」 に戻ってしまい、 ① 満腹になるどころか、ひどい食糧難に喘いだ。 ② サンガー夫人がアメリカからやって来て、‘増えてはいけない’ と日本人を諭す論調を張った。

♣ そこに、 降って湧いたように 1950年 、朝鮮特需 が発生した。社会は 「重厚長大」 をモットーにして立ち直り始めた。1960年 に向かって 「所得倍増論」 が叫ばれ、小型電気製品 が庶民をうるおし、① 満腹、② 増える の動物基本的な要求が史上初めて満たされ、ここで 庶民は 「初めて 満足 に酔う」 ことが出来た。1970年 以降は 「列島改造論」で バブルが膨らみ、「重厚長大」 の工業が 「軽薄短小」 の生産方針に転換、それに成功して マイホーム ・ マイカー など 「一億総中流」 の理想的な社会の 「満足」 が到来したかのように 見えた。

♣ しかし、良いことは長続きしない。1991年 にロシアの共産主義の崩壊、これに引き続き 世界は目まぐるしく変動し、日本はバブルの崩壊でしぼんでしまった。その10年後 、日本では 「失われた10年」 という言葉がはやり、2015年 の今でさえ 「失われた 25年」 とテレビも叫び、「不機嫌な不満足感」 が世にはびこっている。

満足を知ろう

♣ いったい、何が失われ、何が 「不満」 なのだろうか? 町にはモノがあふれ、連休の空港や高速道路にも人があふれ、小学生でさえ ‘スマホ’ で時を楽しみ、施設では高齢者たちが二度目の人生を安全に送っている。‘デフレだ、不景気だ’ と言うけれど、ヒトは農業を始めた一万年以後、今ほど栄えた時期はなかった と思う。

♣ 考え直してみれば、「不満」 にも理由がある ―― 人々は ① 「モノ」 に満腹しているのは確かであるが、② 「増えること」 をやめて 窒息しているのではないか? … 増えたのは 「老人」 であって、「子孫」 ではなかった。消えていく老人が いくら増えても、人々の 明日への希望をつなぐことはできない。

♣ しかしながら、お年寄りであっても 人々の満足に繋がる行動をとることは可能だと思う。ご存知、我が社会は 年々 生まれる子供たちが少なくなっている。 お年寄りたちが若者たちに 元気な声援 を贈って 赤ちゃんが産まれ育っていくことに ”協力して頂ければ” 窒息感ある今の社会は うんと 明るくなるだろう。

♣ ご自分が 長生きする希望もさることながら、孫が すくすくと育ち、’ひ孫’ の新しい誕生の知らせを聴くことが出来れば、きっと お年寄りは ① 満腹の喜びと、② 仲間が増える安堵感に満ちた 真の満足を自覚し、 ’目的感のある余生’ を 美しく 生き続けることが出来るのではないか?

結論:  ‘満腹すること、増えること’ が 生命の 歴史的な 「満足の基本」 であることを述べた。 その両方の条件を満たすことは難しいが、今の我々に求められることは 「子孫を増やすこと」 であろう。 お年寄りといえども、若者が赤ちゃんを産み育てることに協力できれば、満足の二要素は満たされ、目的感のある余生を 美しく送ることが出来るだろう。

職員の声

声1: 「子育て」 と 「介護」 の両方が満足されれば 日本の老後は改善されると思うが、政府は 「介護」 だけに熱を入れ、「子育て」 に冷淡だ (係り: 「育児」 は あらゆる動物が行うけれど 「養老」 は人間だけの現象である~~ 子育ては 「生命満足」 の基本であるが、養老は 東洋的 ・ 儒教的 (じゅきょうてき) な歴史行為であって、生命本来の満足要素ではない… つまり 「育児」 は個人の 「生命満足」 に繋がるが、「養老」 は政府所管であって、両者は別者である … 政府は所管以外のことは しない のだ)。

声2: 子供の多い社会は活力に富み、老人の出番もあり、公園スペースでの交流など、全ての点で明るくなる(係り: 人間は誰しも長生きを希望するし、もし希望が叶えられれば 社会は 100 % 老人だらけになり、社会から子供たちが住むスペースは無くなる ―― 長生き希望もほどほどにして、人生とは何か から学ぼうよ)。

声3: 同輩で結婚している仲間たちは 「子供は一人で充分」 と言う … 金銭的にはそうなのであろうが、政府は深刻に受け止めるべきだ(係り: 少子化担当大臣は発足後 8年 で 16人 の大臣 ( 福島瑞穂氏など ) が発令されているが、当事者意識は希薄で、ドブに金を捨てたようなもの、何の役にも立っていない)。

声4: 二 要素のうち、「満腹」 はすぐ了解、しかし 「繁殖」 には思いも付かなかった … 私の歳では子は産めないが、若者が赤ちゃんを産み育てることに協力する事なら可能である ; そうすれば満足の二要素 ( 満腹 ・ 繁殖 ) は満たされるし、高齢の老人だって協力できる !(係り: 老人に渡される補助金の一部を少し 赤ちゃんに分けてくださったら、少子化問題も緩和されるのではないか?)。

声5: 老人福祉に 70 % 、子供福祉費は 4 % では、子供を突き離しているように思える … 「子供は国の宝」 ではないのか?(係り: 残念、老人が政府の宝なのだ ! だって、老人は政治家の次の選挙で当選を約束する大事な票たちだから)。

声6: 満足とは 種類が多く、いつも更に上の満足を求め、キリがないのでは?(係り: 人間は考え悩む芦 (あし) だ ; 聖人なのか 悪魔なのか分かりにくい … 一般生命の満足基本なら 「 満腹 ・ 繁殖 」 が全てであり、それ以上も以下もない)。

声7: 「無くて当たり前」 の昔に比べ、今は 「有って当たり前」 の時代だ、よって何事にも 感謝が足りない ~~不満が優勢である(係り: 昔は ‘大八車’ で充足した、今は ‘ベンツ’、それでいて新車でないと肩身が狭い ―― なんという愚かな現代人 ! )。

声8: 若者の結婚が遅い、子を産まない、のは支援制度が不足しているからだと思う(係り: 正しく比較すれば : ① 戦前に比べ人は ‘高級小食’ の習慣だ … 昔は雑穀を マグサ のようにむさぼった、② 子育ての要求社会レベルが変わった … 昔は 小卒 ・ せいぜい 中卒 が大多数だった、③ 子を産まなくなっても あなたの 老後保障は確立 されている … 昔は ‘子ナシ’ の老後は 「物乞い」 に落ちぶれた ~~ これらの①②③があるから 今のあなたは安泰なのだ)。

声9: 日本を襲う 「社会情勢の閉塞感」 は 必ずしも実態的ではないことは日本の経済力をみれば明瞭である … 少子化の価値観の多様性を認め、言論空間の自由が担保されることが望ましい(係り: 古代を想うに、毒杯をあおった ソクラテス ~~ 自由を担保した ペリクレス まで、ギリシャ という国体は尊敬されたが、その後の価値観の多様性の許容とともに 尊敬は他国に移った ―― 国体の存続があればこそ の自由であろう、今の日本の少子化の延長線上にあるものは、国体の淘汰ではないか? ~~ 少子化からの回復は焦眉の急を要するよ)。

プロフィール

ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
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