(553) 少老・少子 時代 は いつ 来るの ?

 (553) 少 老・少 子 時 代 は い つ 来 る の ?

皆さんは覚えておられるか? ‘人口と社会の繁栄の関係’を言い表すのに 「人口ボーナス時代」 というのを以前に説明した 1~ 2 )

♣ これは 「養わねばならない老人層の数が少なくて、生産人口たる子供の数が多かった時代」 を表わし、日本の場合、戦後 1945 ~ 1990年 の “45年間” が該当する。換言すれば 「 少老 ・ 多々子 」 の時代であり、“多々子” という名称が示すように、生産エンジンが ‘ボーナス’ となって 少ない老人層を養う 「人口ボーナス時代」 となり、有り余った余力で国は冨と繁栄を重ね、バブル経済をもたらすに至った。

♣ ところが 1990年代 に入ると 「人口オーナス時代」 に移った 1) 。“オーナス” とはラテン語で 「重い負担」 という意味であり、その意味するところは 人口基盤が 従来の 「 少老 ・ 多々子 」 から 真反対の 「多々老 ・ 少子 」 への変換であった。つまり、うんと増えた老人層を ‘少なくなった生産人口の子供たちが養う時代’ になったのである。 図を見て欲しい。

少老・少子時代はいつ来るの?

の上のカーブは 「出生数」 の経過を表す。1900年 ( 明治33年 ) の出生数は毎年 150万人 程度 ; 以後 「産めや増やせよ」 の軍国時代とともに 220万人 に どんどん増え、第二次大戦の終了後 (1947年) には 270万人 にまで膨れ上がった (第一次団塊の世代) 。その子孫が 30年後 に また 200万人 の ひと山 をこしらえており ( 第二次団塊 ) 、以後は 現在に至るまで 出生数は減り続けており、最近は 100万人 前後となった。

♣ 人間は 昔 人生 50年 で逝ったものだが、いまや日本は世界一長命の 平均年齢 86歳 にまで出世した。これは どういう意味があるのかを考えて見よう。86歳 と言う寿命は高齢願望の人々にとって まことに ‘おめでたい’ ことであるが、その反面、社会は 「人口オーナス」 の重荷を背負うことになる。この状態が いつごろ解消されるのであろうか?

で検討してみよう ―― 1900年 ( 明治33年 ) 生まれの人口は およそ 150万人 で、80年後 の 1980年 生まれの人口と同じく1 50万人 である。さて、縁起でもないが、1980年 以前に生まれた人が全部逝ってしまう年と言えば 1980年 + 86歳 = 2066年 、つまり 50年先 のことになる。これは 今 20歳 の人が 70歳 になる頃であり、それまでは 現在の 「 多々老 ・ 少子 」 が続く訳だ。これでは 気が滅入るか? ならば 仮想的な 夢 を見て、政府の思惑 (おもわく) 通りに 今から 子供の数が 増えるとしたら どうなるか?それは 「 多々老 ・ 多々子 」 の社会となり、巨大な ‘人口ピラミッド’ が出現する訳で、食料や雇用事情の点で不穏な社会になるだろう。 ‘少老・少子’ への道は なかなか 険しいのだ。

♣ 振り返って 「世界事情」 を見てみよう。日本や欧米の 「少子高齢化」 した国情はよく知られており、日本はその トップ を走ってはいるものの、日本だけが難儀な目にあっているのではない。お隣の国、中国や韓国 も 負けず劣らず 少子高齢化で悩み始めた。だが 中近東やアフリカは 相変わらず 少老 ・ 多々子 であろうか、と思えば 大間違いだ 。

♣ データによると 3 ) 、ヨーロッパでも ウクライナ ・ アルメニア ・ アゼルバイジャン などでは 出産数 vs 寿命 が 1800年から2000年で 40歳 / 6人 から 80歳 / 3人 に変わっている。アフリカ の マリ ・ ジンバブエ でさえ 40歳 / 6人 が 70歳 / 4人 に出世した。日本は 86歳 / 1.2人 だから特例ではあるが、少子高齢化は世界中のトレンドなのである。

♣ ナゼ 少子が世界中で好まれるのか?こまごました説明は不要であろうが、要するに 「子供が死なずに長生きするのなら」 オタマジャクシのように ‘多産多死’ の必要はなく、親は 楽 (らく) を選ぶのは当たり前だろう。つまるところ、“少子高齢化は人類の生命進化を代弁する” ものなのだ。世界の人口問題を野放しにすると、現在の人口 70億人 は すぐに 100億人 になる、と推計されており、それゆえ 「 少老 ・ 少子 」 のトレンドは大歓迎なのである。

♣ 問題は日本のように 「 多々老 ・ 少子 」 の重荷 (オーナス) であるが、前掲の図を見れば理解出来る通り、人間は 86歳 の平均寿命を持っているから、昔の 「 少老 ・ 多子 」 が 将来の 「 少老 ・ 少子 」 に移るのに  50年 ほど掛かるのは避けられない。かくして 一次 ・ 二次 の団塊世代の問題が終結する 50年先 には 「 少老 ・ 少子 」 の時代が訪れるだろうが、それが ‘幸せ’ を呼ぶものかどうかは 人々の努力次第となるだろう。 1880字  

結論:   1920年以降に生まれた人口は、図をみればわかるように、今 大量の老人となって 「多々老」 社会の本態を表す。② 2000年 以降に生まれた人口は、毎年 100万人 程度であり、「少子」 社会の展望となる。 ①+② で 「 多々老 ・ 少子 」社会の現在が理解でき、期待される 「 少老 ・ 少子 」 の社会が来るのには 後 50年 を待たねばならない。 

参考:  1 )  新谷冨士雄・弘子:「本当の介護とは」 、福祉における安全管理 #494、2015.  2) 新谷:「あすの介護と人口オーナス」、ibido : # 499, 2015.  3)  Blogos LM-7 :人類は少子高齢化しました、2015.11.26 .
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