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(49) 石油の一滴は血の一滴

(49) 石油の一滴は血の一滴  
 
私は小学生の頃「石油の一滴は血の一滴」という標語が、あちこちの場所に貼ってあったのを思い出します。その意味は、石油の産出がほとんどない日本、戦争をするためには石油が欠かせない、その尊さは「血の一滴」と同等である、ということでした。「血」なら、その頃でも採血で得られたけれど、「石油」は、アメリカ軍の潜水艦が出没する危険な海を通って輸入せねばならず、「貴重なこと、血に比すべし」でした。

♣ いま、私どもはガソリンをガブガブ使っています。今のガソリンの値段が高いといっても、1リットル150円程度。血液1リットルの値段は、その50倍以上するでしょう。その昔のころなら、500倍以上の値段だったでしょう。そんなに尊い「石油の短い歴史」を振り返ってみます。

♣ 石油は約19世紀半ば、アメリカのペンシルベニア州の野原で、じくじく沸いているのを発見されました。気の利いた者は、それを「下剤」として売り出しましたが、はやりませんでした。電気のなかった時代ですから「石油ランプ」の燃料として売り出されましたが、その30年後には、開発された「電気」により、ランプは「電灯」になってしまいました。石油の情報は欧州に伝わって、東欧州・中東地域で石油が発見・生産されるようになり、19世紀の終わりごろ、ダイムラーとベンツが石油で動くエンジンを発明しました。これは、直ちに欧米に広がり、自動車・飛行機・潜水艦に応用、第二次大戦前後には、石炭を抜いて、あらゆる便利さを提供するエネルギー源となりました。

♣ 私がアメリカに滞在していた1968年、石油はバーレル(159リットル)あたり1ドルで、「水より安い石油」と言われたものです。それが1973年の第一次石油ショックで6ドルに上がりました。今から見れば無視できるほどの値上がりですが、値上がり率にすれば6倍です!このため、世界中で多くの企業が倒産しました。1970年代といえば、日本はバブルの始まり、「消費は美徳」との掛け声で、「使い捨て」が奨励され、私はとても違和感を覚えたものです。一次石油ショックのため、トイレット・ペーパーの「買占め」が横行しました。案の定、石油の値段は第二次ショックに入り、バーレル12ドル(元の12倍)になりました。これで世界中の企業は虫の息になりました。ところが日本は「省エネ」の工業技術に優れ、世界を席巻しました。その後も石油の値段は、じりじり上がり、最近はバーレル80ドル前後です(私が知っていた昔の80倍 !!)。

♣ 石油1リットルはアラビアの財産である「砂」1リットルと等価です。石油を掘れば掘るほど、アラビアの「砂」は減って行き、いずれ、その「砂」は枯渇します。いくら値段をつけても砂がなくなってしまうからです。私どもは心準備する必要があります。誰が筋書きを書こうと、以上の結論は遠からず、いや、20年後には訪れます。

♣ ご存知、石油はエネルギーのみならず、素材としても生活に必須のものとなりました。そこで「石油枯渇の5年後」を頭に描いて見ましょう:① バス・トラック以外の自動車は禁止。② 石油発電は全電力の60%を占めているから、電灯以外の電気製品はほぼ禁止、または停電でパソコンは使用不可。③ 大電力を使うエレベーター・エアコンは禁止。④ 水の供給は多くの電力を用いるから、水洗トイレも禁止。⑤ 衣・食・住の70%は石油製品であるから、日用品は戦前の生活レベルに戻る、などなど . . . . 。私はがんばるけれど、パールはどうなるだろう?」と考えてください。パールで消えてゆくモノの例は:「暖冷房、オムツ、水洗トイレ、機械浴、一般浴、エレベーター、厨房の器具 . . . 」。そうなれば、高齢者は、うだるような暑い夏で間引かれ、また凍える寒さの冬を越せません。まったく、「石油と長寿」はしっかりとリンクしているのが実感でき、今や「石油の一滴は長寿の一滴」と言えるでしょう。つまり、石油なくして「介護」は不可能と言えます。この危機を乗り切るための工夫は何としてもなされねばなりません。

職員の声

声1: 石油がないと、我々の現在の生活が成り立たない、とは初めて知ります。

声2: 石油は発見されて150年、もう枯渇なのですか?(係り:石油・石炭は1億年前の動植物の化石です;他の星で石油・石炭がないか、ですって?そのためには、その星に動植物が発生せねばならず、1億年待たねばならず、それを発見できる知能のあるヒトが進化せねばなりません;地球に輸入できるのは その後です)。

声3: なんとしても石油の代替品を早く発見してもらいたい(係り:石油の代替品は、もうどっさり出現しています;問題は「安くない」ことです。

声4: 我々はどうしたら良いのか?(係り:簡単には「縄文時代」に戻ればよい;複雑にするのなら「省エネ」「節約」などでしょう)。

声5: ヒトの智恵で「CO2 → O2 + 石油」という化学発明はできないものか?(係り:すごいアイディアです;実は植物が1億年前に、光合成でそれを成し遂げたのです;けれどヒトがそれをするためには、エントロピーというエネルギーを 谷底から拾い上げる必要があり、莫大なお金がかかるのです)。

声6: 私は“こまめ”に省エネします(係り: “こまめ”も必要、“おおまめ”の飛行機・車・電熱なども工夫しましょう;電気は“電灯”だけなど!)。
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ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
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