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(564) 命 の サイクル (周期)

(564) 命 の サイクル( 周期 )

物事にサイクルがあるのは ごく身辺的である ; たとえば 一日は 24時間 だし 稲は 春 ~ 秋 に育つ 1年周期 だ。人間の親子もおおよそ 30~40年 間隔、認知症のお年寄りは このサイクルを ‘延長した 後半の部分’ を生きておられる。そこで 今日は 「ヒトの命のサイクル」 を分析してみよう。

♣ ご存知、地球は 46億年前 に形成され、その初期は熱球であったため、初めには 「命」 というものはなかった。命が発生した 初期 ・ 38億年前 は 「単細胞」 であり ほとんど進化しなかったが、5億年前 の カンブリア期 に多細胞になり、アッと言う間に 魚 → カエル → トカゲ → ケモノ へと進化した。やっと 5万年前 に 現在の 「ヒト」 ( = ホモ・サピエンス ) が現れたのである。

♣ 「からだの “造り” 」としてのヒトは その頃と今も たいして変わらなかったが、「命のサイクル」 、なかんずく 「寿命」 は すっかり変わって、1万年前 の 25歳 から最近の 100歳 へと およそ 4倍 に増えた。野生動物の寿命は ほとんど変わっていないが、人の寿命だけが著しく延びたのである ! それは 「医療と介護」 のおお蔭ではないか? 
命のサイクル(周期)
     染色体の 「丸い部分」 は ヘイフリックの末端 を表す
♣ ヒト全身の寿命は 体の各 パーツ の寿命の総合であり、体の一番小さい部分は 「細胞」 である。38億年前 に初めて生まれた細胞 は いずれ死ぬ運命にあったが、単細胞 から 多細胞 になると、 細胞分裂して子孫を残し、命は 遺伝子 を介して 子孫に受け継がれる。研究によると、細胞分裂の回数は 平均 52回 であり( ヘイフリックの限界)、その限度がきたら 細胞寿命は終わりになる ―― 無限に分裂が可能な細胞は 「ガン」 と呼ばれ、ガン細胞は長生きするが、全身の命には限りが来る。

52回 とは 少ないように思われるが、細胞は平均 2年間 生存するので 2年×52 = 104年 もあり、ヒトの寿命としては十分であろう。ところで 面白いことに、体を構成する各部分の寿命は著しく異なり、例を挙げると ―― 一番 短い寿命臓器が 「免疫リンパ球」 であり、細菌感染が発生すると その日のうちに細菌をやっつける働きの後 寿命を終える … つまり寿命は たった 一日 だ。次に短いのは 「小腸の細胞」 で、食物を消化する大役のために たった 二日 の寿命で新しい細胞に入れ替わる ―― 裏返して言えば、その短さのゆえに 小腸細胞は 「ガン化」 する暇もない。

♣ 「赤血球」 は 骨髄の中で生まれ、120日 ほど酸素運搬の大働きをした後、肝臓で壊され 黄色い色素となって便の色となり排泄される。「」は硬いので 長持ちしそうにみえるが、これでも 平均7年 で全部入れ替わる。中にはぜんぜん 入れ替わらない組織もあり、その例は 眼球の表面を覆う「結膜や関節の内面にある 「軟骨」 だ。結膜や軟骨には 血管がなく、成人して完成した後は、ただ一方的に “すり減るだけ” なのだ。大事に使わないと 老人性白内障 や 関節症 になって困ってしまうことになる。

♣ もっと長い寿命の組織もあり、その筆頭が 「脳神経 と 筋肉」 で、一生 入れ替わらず働き続ける。神経と筋肉は 運命共同体として がっちりと結ばれている。脳から出た神経は 長い通路を経て筋肉細胞を終点とし、神経の伝達作用によって筋肉は動く。 脳がやられると その神経が支配する筋肉細胞は収縮できない。脳の神経細胞は 一生 分裂増殖しないから、ガンになるチャンスもない。

命のサイクル(周期)

脳細胞は成人になった後、毎日 10万個 ずつ減っていく と言われるが()、脳細胞全体の数が 150億個 以上あるから その損失の影響は軽い。しかし上記の理由によって、脳細胞が歳とともに減れば、それの支配下の筋肉細胞も 同様に減って行く。ここを よく理解しないで 「脳トレ ・ 筋トレ」 を行うと 精神主義的な無理無体の結果に陥る ―― つまり、「脳細胞 と 筋肉細胞」 がセットになって 消えて行くメカニズムを無視し、“消えた細胞に鞭(むち)打っても” 効果は上がらないのである。

♣ 介護の領域で 一番 関心の深い臓器は なんと言っても 「脳神経 と 筋肉」 ではないだろうか? 脳神経は 上に述べたように 年齢とともに 「数」 が減って行くに加えて、40歳 を越えた頃から 神経細胞の中に 「β―アミロイド」 という物質が貯留し “認知症” の症状が現われてくる。神経細胞 一個 が死滅するにつれ 筋肉細胞も友連れで消失し、人間 80歳 になるころには 筋肉量が若い頃の 半分程度 に落ちる。つまり、生命のサイクルは ロウソクが プツン と消えるように終わるのではなく、徐々に ゆっくりと 終焉 (しゅうえん) に近づくのである !!

♣ にもかかわらず、施設で生活する長命の高齢者たちは 並みの人が掛かる 「感染症 ・ 生活習慣病 ・ ガン」 などを乗り越えた “強運 の人たち” であり、その命のサイクルは、おそらく これ以上に望むべくもないほどに 完璧な臓器機能 の人々と言える。 超高齢の姿は 哀れに見えても、その実態は 憧れに満ちている というべきであろう。2019字  

要約: 生命の流れは 38億年 昔 の 「命のサイクル」 を温存しており、それは 成長 & 繁殖 (子孫 への バトンタッチ) のサイクル であった。 からだの臓器機能、とくに ”繁殖 サイクル” との総合が 命のサイクルであることを理解した。 一生 交代せずに働く臓器である 「脳神経 と 筋肉細胞」 の働きは 徐々に減衰して 行き、超高齢の姿は 哀れに見えても、介護保険の対象となる 長老者の生命サイクル は ビックリするほどの完璧な臓器機能に恵まれたサイクルなのである。

職員の声

声1: 一生 働き続ける 「脳神経 と 筋肉」 、それを いたわってあげる方法が “体と頭” を同時に訓練する ‘リハビリ’ なのか?(係り: ‘いたわる’ とは ‘長持ちさせる’ ことと思えば、答えは Yes ! 、「ルーの法則」 によると、一番長持ちさせる方法は、“ほどよく使い続けること” 、つまり “廃用萎縮” を防ぐこと、であったよね)。

声2: ヒトの寿命は1 万年前 の 25歳 から 近年の 100歳 まで 4倍 に増えた(係り: 化石の観察から判定すると、25歳 の化石の人を もし生き返らせれば、やはり 100歳 まで生きられるらしい … つまり、環境の改善が 100歳 を可能にしたようだ ―― 現在 100歳 の人の骨は 骨粗鬆症の程度もはげしく、ヒト遺伝子の限度いっぱいを生きているので、 100歳 以上の平均寿命延長は もう期待薄である)。

声3: 小腸細胞の新旧の入れ替わりは たったの 2日 、だから ガン になる暇がない(係り: 細胞がガン化するためには 何年 も掛かるようだ… ガンになった細胞も 臨床的に ‘みつかる’ までの成長には さらに 約 20年 もかかる)。

声4: 完璧な脳と筋肉の機能に恵まれた人だけが ‘立派な長老’ になることができるのか?(係り: Yes ! 年寄りっぽい老人を見ると ‘可哀そう’ と思うが、どっこい、“脳と筋肉” が優れていた人だったからこそ 長老になれたのであって、ちっとも可哀そうではありませんぞ ! 体の弱かった 可哀そうな人は 長老になれず、とうに 逝っている のである ! )。

声5: お年寄りの 「命のリサイクル」 は 生きる楽しみに繋がっている (係り: お年寄りは命のリサイクルを楽しんでいる訳ではないが、更年期 (50歳) の 2倍 を楽しむ余裕のある老後を 有意義に享受して欲しい)。

声6: 今 特養で暮らす老人たちの年齢層の多くは 90 ~ 105歳 、要介護度も 4 ~ 5 であって、見て分かるように よれよれだ … しかし彼らは 初老期病の 「感染症 ・ 生活習慣病 ・ ガン」 を乗り越えて来た ‘つわもの’ なのだ ―― やはり “偉い ! ” と 尊敬の目で見直す(係り: あらゆる病気を乗り越えた人の最期は 誰 しも “認知症” に登り詰める … 今や そういう因果関係が明らかになったのだーー 認知症を嫌う人は 長生きできないよ ! )。

声7: 生命は 「死」 によって次世代の発展に繋がって行く ―― つまり 「死」 は社会のお役にたつ存在だと思う;しかし寿命が あと2倍 増えて死ねば もっと幸せではなかろうか?(係り: その通り 同感だ ―― しかし、今の 100歳 の健康状態を振り返った見よ ! … 難視 ・ 難聴、総入れ歯 、左右とも 大腿骨骨折、食事介助、失禁、認知症 . . . 後 100年 ほど長生きするためには こんな現状を まず 片づ けておくべきだよね)。

声8: 命のサイクルが 38億年 も温存されている反面、近年のヒトは ”医療 ・ 介護“ で自然の摂理に 大きく背いているのではないか?(係り: 老人過剰優遇 は結構だが、そのワリを食っているのが若者への重税 だ; 幼児・若者の軽視は人類進化への逆行だと思うよ)。

声9: 人間、天然のサイクルに逆行せずに生きて行きたいものだ… 無理な目標や予防などに忙殺されず、子を産み育て終われば 人生は 「お役御免」 であろう ―― 老人の余暇人生ごときに 納税者への重負担を強いてはいけない ! (係り: “長生き” は 「自己責任」 でやるべきだが、選挙を控えた政治家は 「本音」 を隠して “お年寄りの長生きと幸せを援助します” と 「建前」 でへつらう … 人生の天然サイクルを見直す姿勢で 老人へつらいを 改めて欲しい)。
プロフィール

ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
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