(50) 六つの「べからず」

 (50) 六つの「べからず」  

 今日の安全管理は、私が過去10年間に学んだ六つの「べからず」(してはいけない)を述べます。そのあと、皆様がたに類似の教訓の有無をお訊ねします。おそらく、各部署ごとで語られた教訓はいっぱいあると思います。その教訓を 門外不出 にせず、集めて、みんなの教訓にしてみたいと考えます。

♣ ① 急がずべからず : 午前4時、警報が鳴る → すぐ部屋に行ってみたら、トイレ前でもうM.A.さん(98F)(数値は年齢、Fは女性、Mは男性、以下同じく)がベットの傍に倒れていた → 大腿骨骨頭骨折;病院で手術 ----今まで何度も転倒されていましたが、今回が「万年目の亀」{安全管理-(1)を参照}。

♣ ② 後ろから声を掛けるべからず:後ろから名前を呼んで声を掛けたら、O.T.さん(84F)は、振り向きざま ゆらりと転倒、左上腕骨折;病院で手術----お年よりの三半規管の機能(平衡感覚)は落ちています。

♣ ③ まさか!と思うべからず:デイサービスの朝、流れ作業で送迎バスから玄関へ人の流れがあります;お一人のM.T.さん(90F)が玄関のマットの縁につまずいて転倒、鎖骨骨折、救急で病院の診察;骨折ではなく「挫傷」、ほっと胸をなでおろす---- 畳の「縁」に足を取られて転倒する老人はいっぱいいます → 対策:パールの玄関のマットは4分の1の大きさにして、置き場所は中央から横のほうへはずしました。

♣ ④ 外で呼ばれても、持ち場を離れるべからず:S.Y.さん(88F)のトイレ介助中、遠くから呼び声がする;氏に「動かないでね!」と念押しして、その声のほうに行き、対応をすませ、もとのトイレに戻ったら、氏はその場から移動していて、しかも転倒・骨折---- 認知症に「念押し」しても、それは無駄でした!

♣ ⑤ 押し問答すべからず:D.Y.さん(79F)のトイレ介助;氏は私の同室を拒否、危険を感じたものの、やむなく氏を一人にして、トイレの扉を閉めたところ、氏は中で転倒、骨折。私は責任を問われてしまう(---- 本人の意思を尊重したら事故になりました、どうすればいいのだろう? 

日頃「杖歩行」でも安心すべからず: デイ・サービスが終わり、帰宅順番を待っているとき、A.K.さん(94F)は急に立ち上がり、杖歩行を始めて8m行ったところで、杖を足にからませ転倒・骨折、94歳、。

♣ 事故への対応:(A) 早く上司へ相談、救急車連絡も考慮、 (B) 家族やキーパーソンへ連絡、(C) 次のべからず!➡ 家族への報告は、事故の事実を伝えるだけ、余分な状況判断を付け加えてはいけません。個人の判断で善意を伝えても、間違っているかも知れず、ましてウソは絶対、言ってはなりません。

♣ 人間は、動物の中でムリな二足歩行を選択した生きもの、でも、それが有効なのは、遺伝子寿命(50歳)の範囲までです。その歳をはるかに越えた80歳になれば、転倒・骨折の衝撃は「ただ」ではすみません。ひたすら心痛む結果が待っています。

♣ 現場でのいろんな教訓は教科書に いちいち書いてありません。教訓をうまく介護に活かし、全国に発信しましょう。

職員の声

声1: 六つとも身近にありえます;大きい教訓です。

声2: トイレ介助の同室拒否はよくありうる事です;恥ずかしいことのほか、すでに失禁しているのを見られるのが嫌だからでもあります。

声3: トイレ内での押し問答は深刻です;本人の言い分を聞いてあげ、無事故であったとしても、たまたま、そのとき無事故であったに過ぎません。

声4: 私の身内が①~⑥のような事故になった場合、施設側の事情をちゃんと聞きたいです;単に問い詰める感情論でないようにしたい。

声5: 私もケア先で「べからず」にたくさん出会いました;こういう事項を共有し、ホウレンソウで再発防止に役立たせたい(係り:十分気をつけても上手の手から水がこぼれることもあるでしょう;誠実な態度で、素早く対応しましょう)。

プロフィール

ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
安全管理 ふじひろのページ

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