(51) カーボン・ニュートラル

  (51) カーボン・ニュートラル

  近年、地球環境のことがやかましく言われています。主に空中の炭酸ガス(CO2)が悪者となっています。そこで地球の過去を短く振り返ります。

♣ 地球は、46億年前に生まれたとき、空中にはCO2がいっぱいありました。約3億年前の温暖な頃、植物が生まれ、空中のCO2を吸い取って植物体にしました。CO2は目に見えませんが、植物体(炭素)は目に見えます。このことを、環境学の用語で「カーボン・ポジティブ」と言います、つまり空中の炭素が地上に固定され、目で見えるようになったのです。(“ポジティブ”とはプラス、“ネガティブとはマイナスのことです)。

♣ 他方、もし地球に植物しかいないとすれば、空中の炭酸ガスは植物に吸収され尽くされてしまいますが、動物は植物を食べ、(または植物を食べた動物を食べ)、呼吸によって炭酸ガスを吐き出します。このように、固定された炭素をCO2として空中に放つことを「カーボン・ネガティブ」と言います。つまり、植物によって空中から取り込まれた炭素と、動物によって吐き出される炭素とが、うまくバランスされて、空中の炭素は常に一定の値になっておりました。このことを「カーボン・ニュートラル」と言います。(“ニュートラル”とは「中立、中性」です)。

♣ 気候学者の研究で、第二次世界大戦のあと、世界の気温は上がり続け、空中の炭酸ガス濃度は正常の0.03%から0.035%以上に上昇し、その勢いはとどまることを知りません。原因は化石燃料の使いすぎ、つまり「カーボン・ネガティブ」を行っているのです。化石燃料は1億年昔の炭素です。これを、わずか150年で燃やしきろうとする勢いです。環境が「気候温暖化」という「仕返し」をするのは当然かも知れません。

♣ 徳川時代の終わり頃の京都市の写真があります。見渡す限り、山々は禿げていました。推定ですが、その時代の釜でお風呂を沸かすのに どれだけの薪が必要だったでしょうか?風呂一回につき 直径30cmの薪束が2~3個必要だったでしょう。江戸の人口は100万人と言われましたすが、そのうち10万人が入浴すれば、薪束が25万個、杉の木で換算すれば、入浴一回につき5万本くらいの木が山から消えます。入浴 = 山禿げ を覚悟しなければなりませんでした。事実、終戦のころ、中国・朝鮮は禿山、大陸から日本へ帰国した人々は、日本の田舎の山々が緑に覆われているのを見て感激したと言います。つまり、日本には まだ緑が残り、「カーボン・ニュートラル」だったわけですね。

♣ 日本の燃料の歴史は 木→石炭→石油→天然ガス→電気 . . . と移り換わりました。今後、私たちはどうすれば緑を残せるのか? やはり「カーボン・ニュートラル」を目指さねばなりません。

♣ 具体的には、どうするか?  植物を育て、植林を広める:これは「カーボン・ポジティブ」で、植物にしかできない作業です。 燃料は天然植物を利用する:植物は、すでに空中のCO2を吸収して植物体をつくっています「カーボン・ポジティブ」。だから、それを燃やすときCO2が発生しても「カーボン・ネガティブ」、ちょうどプラス・マイナスになり、結果はカーボン・ニュートラルとなります。できるだけ化石燃料を使わない:これは「カーボン・ネガティブ」を抑えます。

石炭・石油を使わずして、高齢者福祉ができるでしょうか? 安全管理 (49)でも申し上げた通り、それは不可能です。しかし、我々の行く道は ①+②+③ 併用の「カーボン・ニュートラル」以外にはありません。さもないと、世代を越えた、持続的なケアはできないのです。

職員の声

声1: 「カーボン・ニュートラル」という言葉はとても大切な事だと思います;緑が減り人口が増える現実を逆にせねばならない(係り:禿山注意ですね)。

声2: 石炭や石油を使って、一度便利さを実感すると、もう元には戻れません。

声3: アフリカでは 自家用の燃料を求めて、何キロも先の山に行って、枯れた木の枝を肩に乗せて運ぶ姿をテレビで見ます(係り:カーボン・ニュートラルです)。

声4: カーボン・ニュートラルを志す道は、結局、水力発電・風力や地熱発電・原子力発電になります;消費者から遠い所で発電するから、送電線でのロスがあります(係り:工夫に工夫を重ねなければ、人口は養えません;社会が発展するとき、カーボン・ニュートラルは必須なのです)。
プロフィール

ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
安全管理 ふじひろのページ

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