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(52) 近視と正視のトリック

 (52) 近視と正視のトリック  
  
 近視とは「近くがよく見えるけど、遠くが見えない」視力を言います。眼鏡で治る近視は別として、今日の安全管理で言う「近視」は「急がば回れ!」という諺(ことわざ)が いかに実行困難かを物語ります。三つの話題を提供します。

♣ ①「医療費コスト意識」の問題を挙げます。1973年は日本の「福祉元年」と呼ばれ、老人医療費は、時の保険局長・吉村仁の発案で無料化されました(ネットで  老人医療 吉村仁 でご覧あれ)。近視的な効果でみれば、その効果は抜群、病院の待合室はお年よりでいっぱいになりました。この政策は「無料と品質確保」の点で多大な混乱を招いています。つまり、「医療費はタダで当たり前だろ? 事実、共産圏ではそれを実行しているではないか!」とも言う人がいますが、ごもっともです。しかし、党幹部・家族は、外国に出かけ、自由圏で治療してもらう実態があるのです。タダの理由がわかりますね。

♣ ②「子供の医療費の無料化」を進めている自治体が増えているようですが、実は近視的です。なぜなら、もし実行されると次のような連鎖反応が起こります:子供の医療費無料化 → ただでさえ不要な受診が多い小児受診がさらに増加 → 小児科医の疲弊 → 質が落ちざるを得ない → 真に医療の必要な子供への医療困難、となるからです。産科も同じこと、限られた資源をコスト意識を持って有効に使うことが大事ですね。自分の親と同居していないので、救急隊に相談してしまうのでしょう。

♣ ③「点滴の造り置き」という不祥事も指摘されました。ある整形外科診療所、一日300人ほどの患者さんのうち、100件ほどの点滴がありました(欧米では不可能!)。そこでは、あらかじめ何十本か点滴液を造っておき、その日の内に使い切れなかった点滴液は、翌日、または更に翌日、使い回されました。老舗(しにせ)の「偽造賞味期限」と似た背信行為ですね。その因果関係はまだ未決定ですが、人一人が死んでいます。テレビのインタビューに答える、ご近所の、コストなんて考えたこともないご婦人:「評判の良い、立派な病院です;私は毎週3回通っています」--- そうなんです !!! 評判の良い病院には、休日以外は毎日でも通う老人たちがいるのです。この実情が日本の医療をコスト高にし、崩壊させていくのです。

♣ 話が変わりますが、30年余りまえに日本を揺らがす“3K問題”というのがありました。「米、国鉄、健康保険」です。「米と国鉄」は、代替品があるし、世間も納得して、発展的解消をしました。ただ健康保険だけは「行政・医療者・国民」のそれぞれが譲らない自己信念を持ち、代替品はないし、その故に “3K”の中で持ち越された問題になりましました。“誰が悪い!”と分析しても解決が難しいようです。資本主義の中でありながら、「コスト意識抜きの社会主義」が根っこにあるからです。

♣ 賢い日本人も、この近視的な「急がば回れ!」の諺を忘れてしまえば、結局、損するのは「まともな病気の人」ではありませんか? 福祉には もっと「道理」の分かった政治が求められていると思います。

職員の声

声1: 共産主義で行われる「無料」、これを実行したら何が起こるか 人は予知できなかったのだろうか?日本で、なぜ老人の無料医療?(係り: 従来必要であった老人医療費をタダにする予算はあったのでしょうが、制度として無料をうたったので、元気で暇な、想像を絶する大量の老人までもが医療を求めて押し寄せて来たこと、それに伴う人件費増を軽視したので大失敗に陥りました)。

声2: 限られた資源を、コスト意識を持って、有効に使う事が大事なのですね(係り:それが医療の“かなめ”だと思います)。

声3: 日本人の医療意識を買い被ってはいけません:できれば、タダを選びます;その上、点滴の問題だけではなく、濡れたタオルは替えない、消毒液は不足分だけを継ぎ足す、古い看護師長は昔の方法を変えない、新入の看護師は呆れて去っていきます。また、日本のお年寄りは国民習性として、病院に通うのが苦にならならず、注射や点滴が大好き、だから近所の評判と診療内容は関係ないようです。

声4: 医療・行政・国民、三者三様にレベルが低次元で、みんな自分の利益しか考えていない(係り:真面目な医師、将来を考える官僚、世界のすう勢を知っている評論家は存在しますが少数派です;陳情を受ける政治家が 票を読んで、近視的に捌くのではなく、正視で道理をわきまえて物事を進めて頂きたいです)。
 
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ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
安全管理 ふじひろのページ

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