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(605) 寿 命 と テ ロ メ ア

(605) 寿 命 と テ ロ メ ア

テロメアって何だ?… 話はそこから始まる。テロメアとはヒトの細胞の中にある遺伝子の一部分に付けられた名前だ。それが介護に関係あるの? … それがあるのだ … 今日はその話をしよう。

♣ 生物は 親・ 子・ 孫 と命をつないで生きている … 動物も植物も、バイ菌までそうなのだ。それを取り仕切っているのが「遺伝子」なのである。1865 年、オーストリアの グレゴール・ メンデル は「えんどうまめ」の種の形を観察して、細胞の遺伝には一定の法則があることを発見した。その法則には遺伝子という「物体」が関わっていることを発見したのは 1953 年 の ワトソンとクリック である。ここから人間の細胞、しいては、命は遺伝子によって決定されることが判明した。

♣ その辺の庭に生えている「つゆ草」の若芽を取ってきて顕微鏡の下で観察すると、見事にその「遺伝子の塊」 (= 染色体)を観察することができる。人間の場合なら、「白血球」がよく使われ、染色体が 23 本 見える。一本の染色体は 2 つ の成分から成り、多くは並列またはX状に交わっており、それぞれ 父方・ 母方 に由来する(図 1)。
介護とテロメア
♣ 人の体は約 60 兆個 の細胞から成り立ち、各細胞は古くなると細胞分裂を起こし、新しい細胞に置き換えられる。

♣ 染色体の中には遺伝子 DNA がぎっしり詰まっている。染色体の末端部分は テロメア と呼ばれ、染色体を保護する構造物であり、それは細胞が分裂するたびに短くなっていく(図 1 右下)。それが限度いっぱいまで短くなると細胞は 分裂・ 再生 出来なることから、テロメアは細胞分裂の 「回数券」 に例えられることもある。人の回数券は通常 50 回分 あり、一枚で 2 年分 の命を支えるので、一生の 100 年分 の細胞分裂が可能である。

図 2 は、子供から老人に向かって、年齢が進むにつれテロメアが短縮している様子を描く。
介護とテロメア

図 3 の 50 歳 平均では、テロメア回数券はもう半分くらい消費されている。80 歳 平均ではテロメアの長さは限度いっぱいに短縮、疾患リスクも高くなる――感染症・ 生活習慣病・ 癌などへの抵抗力も落ちてくる。テロメア回数券は細胞分裂を重ねる年齢に沿って短縮するが、年齢の他に その短縮を促進する外部条件がある(下記)。
介護とテロメア

♣ テロメアは生活パターンによって短縮、または延長する。 図 4 は肥満によってテロメアが短縮する影響を示す(短命になる)。 この他に 「短気は損気」 の効果もあり、テロメア回数券は余分に失われて、長生きできなくなる。 テロメア短縮をもたらす他の要素には次のようなものがある―― 多食・ ストレス・ 睡眠不足・ 早飯・ 早糞・早駆け など。更には生活習慣病や認知症など。これらはテロメア回数券を早く消耗する生活パターンである。
介護とテロメア
♣ (図 5 ) 我々の普通な細胞は、歳をとるにつれテロメアが短くなり身体は老化して行く。ここにそれの例外が 3つ あり、それは (かん)細胞、 生殖細胞、 癌細胞である。例えば、① 赤血球の寿命は約 4ヶ月 であり、一生の間 何百回 も分裂再生し、テロメアは短縮しない。② 男子の精子テロメアも長期にわたって再生し続ける。
介護とテロメア

♣ ところが ③ 癌細胞はテロメア短縮を食い止める 「テロメラーゼ」 という酵素を吐きだし、いつまでも細胞分裂を続ける。この場合、分裂は脳中枢の命令に従わず、無限に勝手な分裂を起こし、ついに人体を食い荒らし、人を死に導く(図 5 )。

♣ 以上のように、正常な人の命はテロメア回数券 50 枚 の 一枚一枚 を大事に使った人は 120 歳 まで生きられるが、それを使い終わった人は逝く運命にある。昔は 仮にテロメアが残っていても、食糧不足・ 病気・ 戦争 などで人は死んだものだが、今は長命になった。しかし、いずれにせよ、テロメアの終わりの時期は高齢人生であり、それは「生命の終了形式」の一つではないだろうか?

♣ 人の願いは、癌細胞のような滅茶苦茶な細胞分裂ではなく、年齢とともに減っていくテロメアのスピードを程よく緩やかにすることではないだろうか?そのやり方として、上に述べたような 悪いと言われる行いを避ける方法 があるし、薬物の開発も世界中で盛んである。
介護とテロメア

図 6 はテロメアを保護して、いつまでも若々しく輝きのある肌を守る薬物の例であり、夢の長生き薬である。また、日常生活の中でも、元気で長生きするための方法がある。それは一枚一枚のテロメア回数券を大事に長く使う姿勢であり、それを 一口に述べれば 「生活習慣病」 を食い止めることではないか。

要約 : 以上の知識は、介護老人になってしまった人には、もう間に合わず役立たないかも知れないが、若い皆さん方の励みにはなると思われる。

職員の声

声1: テロメアは生活習慣等のパターンによって 短縮・ 延長 するのか?(答: 実地の研究ではそれが肯定されている)。 

声2: テロメアの短縮に関係がある 「早飯・ 早駆け・ 早糞」 などで現代の多忙な生活を維持することが可能だろうか?(答: 多忙なだけなら問題なし; 強いストレスと感じる生活環境ならば寿命が縮まる)。

声3: 普通の生活を営むのにテロメア回数券は何枚あれば良いのか?(答: 赤ちゃんは 50 枚 を所有、二十歳なら 40 枚 … のように、2 年 の生活につき回数券 ほぼ一枚が消耗されていく … 乱暴な生活では回数券は早く消えて行く)。

声4: テロメラーゼとは何物か? (答: 癌細胞が増殖する機序として考えられた酵素 … 癌などが 脳神経からの指令を無視して細胞増殖するときに発生する異端酵素であり、天然の老化に違反する物質である)。
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ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
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