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(663) 親 知 ら ず と 親 の 恩

 (663) 親 知 ら ず と 親 の 恩
   
  パールの職員は “若い” 方(かた)が多いので、ひょっとすると 「親知らず」 を まだ知らない方があるのではないか?「親知らず」 とは、「第三大臼歯」 のことだ。

♣ 復習しよう: 歯の列は 上下・左右は対象的だから、右下列だけで述べれば、「門歯」 2 本、「犬歯」 1 本、「小臼歯」 2 本、そして「大臼歯」が 2 本 プラス おまけの 1 本となる。この最後の 1 本は 歯列の一番奥に ずいぶんの痛みを伴って生えてくる。この歯は 「第三大臼歯」 と呼ばれ、「親知らず」の名でも知られている。

♣ ナゼ 「親知らず」 と言うのか? その理由は、第三大臼歯が 20 歳前後に生えてくるからだ。つまり それが生えるころ、大抵の親は平均寿命の 50 歳を越え、生存寿命 を越えていた。だから この歯のことを 「親知らず」 というニックネームが付いたのだ。

♣ ところで あなたの「親知らず」は何歳のときに生えてきたか? え? 生えてこない? そうなんだなー、最近の日本人は柔らかい
食品を食べるせいで顎が小さくなり、「親知らず」が 生えるスペースが狭くなった。このため、4 人に 1 人の割で「親知らず」が まともに生えて来ず、困難な事態が発生している()。その上、「親知らず」が生えても、親が長寿になったので、「親知らず」が「親知り」に変わってしまったのだ。

親知らずと親の恩

♣ 昔と違って、親は長生きするし、あなたも長生きするので、今どきの「親知らず」は昔の人の悪夢だけに変わってしまった。

♣ 話が変わるが、最近の統計によると、「世界人口」は 今年の秋に なんと「 60 億人 → 70 億人」に達するそうだ。2100 年には更に増えて100 億人と推計されている。ところが、日本の人口は だんだん減っていき、2070 年には今の 1 億 2 千万人から 1 億人を割り込み、2100 年には 9000 万人に減るとのこと。

♣ ビックリするのは、そのころの平均寿命は「男: 89 歳、女: 96 歳」と推計される … つまり男女とも、今より 10 歳程度 長生きになり、 したがって “パールの主力顧客層” は 110 歳代になりそうだ。あなたがたも きっと 後期高齢者になってケアの職業を続けるのかもね。こんなに皆が長生きすると、子供の 「親知らず」 の話題は陳腐(ちんぷ)になり、きっと 「総入れ歯」 をいつごろ入れるかの知恵を比べるようになっちゃうかも知れない。

♣ ところで、「親」 と聞けば 「親の恩」 を思い出す。私が若かったころには こんな諺(ことわざ)があった: 「親孝行 したい頃には 親はなし」。つまり、自分の 「親知らず」 が生える 20 歳前後、人は やっと自分なりに一人前の生活が営めるようになり、親に楽(らく)をさせてあげよう、と殊勝なことを思い始める。自分が 20 歳の頃なら、平均寿命が 50 歳の時代だったから、たいていの親はもうこの世にいない。いない親に孝行のしようもなく、それを嘆く残念な気持ちがこの句に表われている。

♣ ところが 戦後、親はグングン長生きになり、還暦( 60 歳)どころか 100 歳に達する勢いである。親が長生きすれば、生えるべき「親知らずの歯」は必ず生えて「親知りの歯」になり、元の意味が失われてしまった。そこで ブラック・ジョーク が現われる: 「親孝行 したくはないが 親がいる」、と。親の恩を感じなかった若者が、齢とって認知症になった親の面倒をみるのはまったく難儀なことであり、諺(ことわざ)まで変更しなければならない現代になったのだ !!

♣ 昔の親は自分の老後の面倒を見てもらうために、ぜひ 自分の長男に嫁 を持たせる必要があった。そのために、自分の財産は全部 長男に相続させた。ところが 「国の憲法」 が変わって、財産相続は 「均分相続」 になり、自分の老後を考えていた親にとってはショックだった。でも幸か不幸か、親たちの寿命は一世代以上 長生きになり、その上 なかなか死ななくなったので 相続問題のトラブルは遠のいた。

♣ そうこうしているうちに、2000 年に 「介護保険」 の恩恵が世に広まり、親たちは たいした貯蓄さえする必要もなくなり、子供たちに支えられなくても安心して長生きができるようになった。今、要介護 5 で概算一年に 500 万円の経費は国がカバーする。もしそれで親が 10 年暮らすと、子にとって 5,000 万円の恩恵となる ! 両親の二人なら 1 億円のボーナスが国から子に貰えるではないか ! なんと有難いご時勢ではないか ! !

♣ 親のほうだって自分で老後の貯蓄をしなくても、また子がいなくても露頭に迷うことはない。子は 「親知らずの歯」 が生えて来るときの痛みもないし、「親孝行の苦労」 もなくなった。今の時代は、親も子も 過去のどんな時代よりも幸せとなった !! これも、日本の 「介護福祉制度」 のお陰なのである !!

♣「親知らずの歯」や「親の恩」に戸惑うことのない 親子の幸せな時代が堂々と訪れた … あなたはそう思いませんか?1999字  

要約:  若い頃の「親知らずの歯」の悩みは 今時代「親知りの歯」に変わってしまった。 親は著しく長生きになって、「親への恩返し」は「介護保険」が代行してくれる有難いご時勢に変わった。  親にとっても、子にとっても、現代は 最高に幸せな福祉時代 だと言える。
 
参考: * 福祉における安全管理; # 133 : 中福祉・中負担。
                                                      
職員の声

声1: 親は、娘を嫁に出す前に「親知らず」を抜歯しておく… 日本にそんな風習があったのを知らなかった(答: 女性が妊娠、親知らずの痛みの診療でレントゲンなどは胎児に悪影響があるだろう… それを予防しておくのだ)。もっとも現代は女性の初婚平均年齢が 29 歳の時代であるから、一件落着(らくちゃく)しているけれど。

声2: 歯の治療は医者にも出来るが、親の長生きは誰にも止められない… 90 代の親の介護を 若い子がするなんて悪夢だ ! (答: 親の “本音” は「迷惑を掛けるために長生きしとるんじゃない、でも勝手に死ぬ訳にも行くまいしノウ」 ―― ところが国や病院は “建前 ” でやっきになって老人の数を減らすまいと している… 本音と建前の大矛盾 ! )。

声3: 両親が要介護 5 で 10 年ほどお世話になると「1 億円」の経費が国から家族へ下りるとのこと、私の将来もそうして貰えるか?(答: そのことを決めた政治家は、次の選挙で自分が当選fできるる法案しか考えない…将来は将来の政治家が考えるだろう、と言う)。

声4: 今の豊かな制度を持続することはとても困難だが、その恩恵を受けている老人は さぞお幸せなのだろうか?(答: 老人は一般に “長生きは辛い” とおっしゃる――つまり、老人は辛く、それを支える若者も辛いのだ… どちらも楽になる方向で協力できないものかなあ ! )。
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ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
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