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棚ぼた七つ と ルーの法則

  
(707) 棚ぼた七つ と ルーの法則

  口を開いて上を向いていたら、思いがけず棚の上から口に「ぼた餅」が落ちて来た . . . . . 予想外の幸運に モーケタ ! という気分を 「棚ぼた」 と言う。人類は 過去 七つの大きな棚ぼた を経験して現在に至る運命を持つ。

♣ 今から 138 億年前、宇宙は ビッグ・バン (Big Bang) という 「大爆発」 で生まれた(図1)。これが人間の貰った「第一の棚ぼた」でありり、これが無ければ人類はそもそも存在できなかった。

♣ その時にできた主な元素は「水素」だけ … だが、以後 星々は進化して、何十億年の間に 収縮・爆発 を繰り返し、そのたびに水素から炭素・酸素・カルシウムなどの 人の体を作る元素が産み出された。

七つの棚ぼた と ルーの三法則

♣ たまたま 「太陽と地球」 が生まれたのは 90 億年も経ってのことであり、これが 「第二の棚ぼた」 と言える ―― 何故なら 丁度その頃、人体を構成する炭素やカルシウムが準備完了となったのである … それ以前の太陽系なら人類の体はこしらえられなかったのだ。

♣ 「第三の棚ぼた」 は地球が運良く、太陽に 近過ぎず・遠過ぎもしなかった位置であったこと、つまり温暖な気候に恵まれた 有難い棚ぼたの位置だったのである。

♣ 「第四の棚ぼた」 は 「月」 の存在だ。月は、偶然にも、よそから飛んできて 地球を回り始めた小さな天体である。そのお蔭で 地球は 「静か」 に自転でき、海と陸が出現、海に発生した生命が人間の先祖になれた。つまり月が無ければ人類は生まれて来ず、月は有難い 「第四の棚ぼた」 なのであった。

♣ 次の 「第五の棚ぼた」 は 「緑の発生」 であり、植物は酸素を空中に吐き出し このお蔭で動物が呼吸して活動することが可能となった。これ以後は、ダーウィンの進化論で説明できる生命の大躍進が続き、2 億年前の生命は 「恐竜」 の時代となった。でも、恐竜が長生きしていては、人類の出番はない。

♣ ここに 「第六の棚ぼた」 が 6600 万年前、よそから小惑星が飛んで来て 今のメキシコ地方に墜落したのだ。その衝突熱で地球の生物の大部分が恐竜もろとも死に絶えた。これによって 「哺乳類」 が代わって天下を仕切るようになり、やっと人類の出番が訪れたのである。

♣ まことに不思議な巡りあわせで 「六つの棚ぼた」 によって我々は今、地上に住み続けられるのである。人々は人類こそ宇宙の支配者だと思っているが、上に述べた 「六つ棚ぼた」 が、一つでも欠けると、我々は 今 この世に居ないのであり、「棚ぼたの有難さ」 を見直すべきであろう。

♣ さて、人類の時代に入ると、「戦争と平和」 の歴史が一万年続き、人類は 長生きする余裕 を失っていた。がんらい動物は種 (しゅ) によって寿命は決まっている。例に挙げる 「猫」 の場合、正しい寿命は何歳くらいと思うか?考えてみれば、猫の長生きの原因は、飼育方法に依存していたのである。

♣ 放置しておけば猫の寿命は 5 歳くらいで元気、手をかければ 10 歳となり老化、家の中で保護して育てれば 15 歳で認知症 図2)。考えてみれば、我々人類の寿命も、年数こそ違うが、 これとそっくりの経過だ (ヒトの例: 50 歳 → 75 歳 → 100 歳)。

七つの棚ぼた と ルーの三法則

♣ ところが延寿とは案外に 「人手間とお金」 を必要とする。しかし、我々の生活水準が上がったお蔭で 「介護保険」 が導入され、これこそが老人にとっての 第七の棚ぼた」 と言えるだろう。従来の棚ぼたはすべて 「受け身」 であったが、今回の棚ぼたは 人間が編み出した 老人用の 「努力の棚ぼた」 である。

図3 を見よう。これは男の生き様を三つの時代で分析している。この三分類で見ると、卒業学校・就職・子育 てについては 大きな違いはない。

♣ ところが、「子育て後の寿命」 は根本的に異なっている。戦争直後は 55 歳の定年前に死亡する寿命だった。これに反して、昭和 55 年以後では、子育て終了の後に 25 ~ 30 年もの 「長い老後」 が誕生した。逆に言えば、昔の男性には 「老後」 がなかったのだ。老後がない世の中では、年金 も 老人の社会問題 もない。子を産み育てたら、一般の動物と同じように 親は世代を交代したからである。
七つの棚ぼた と ルーの三法則

♣ さて、老後が誕生すると 新たな問題 が現われてきた ―― 老後 30 年間に 親子の年代差が広がり、父母は なんと 昔の祖父母の年齢まで生存するようになった。老後には、仕事も少なく収入も同様、何をして暮らせばよいのか、戸惑いの年月が訪れた。追い打ちをかけたのが健康の問題である。

♣ 動物は一般に、子が親の口元に餌を運ぶような 「敬老の振る舞い」 をしない。人間だって、もし 老後がなければ その必要はない。介護保険は 「老後の誕生 並びに 敬老思想」 があってこそ 人間が考えた七つ目の 「努力の棚ぼた」なのである。

♣ だが、この棚ぼたに安住すると、それの 「費用 効果」 で問題が百出する。つまり保険に安住すれば費用がかさみ、安住しなければ貧しい生活 ... 、どの辺に ポイント を絞り込めば 「ちょうど良い」 のか?

♣ 思えば 第七番目の棚ぼたは 「ルー (Roux) の三法則 と同じ性質を持ち、いまだに 「費用 効果」 の混沌で 悩みは尽きせないのだ。あなたは 「この 第七の棚ぼた」 をどう考えるか?1997字

要約: 人類は、予想外の幸運に恵まれること 6 回、さらに努力による幸運が加わって、「棚ぼた 7 回」 を経験した。 その結果、「元気で長生きの棚ぼた」 を獲得したハズ であったが、実際には 「長生き」 を持て余している。 最後の 7 番目の棚ぼたは無料ではなく、実は 「費用 効果」 を十分に考慮すべき 「努力の棚ぼた」 だったのである。

参考: 新谷:「ルー(Roux) の三法則」; 福祉における安全管理 # 698, 2018.

職員の声

声 1 : 老人が他人に頼らなくても元気に生きて行けるように 「医学の発達」 を進めて欲しい(答: 仮に医学が加齢を防げる時代になったら、世は老人で一杯、問題は更に複雑になるだろう)。

声2: 介護保険は老人が獲得した貴重な 棚ぼた であったが 「費用 効果」 で見ると、問題百出となった(答: 老人問題を解決する姿勢は 尊厳と礼儀 にあるが、それも老人が少数であるか多数か、によって答は違うだろう)。

声3: 昔と今では、人が働く期間はあまり変わっていないが、働かなくなった期間 (老後) は大幅に増えた … こうなれば年金や健康保険の負担が増えるのはあらかじめ分かっていたハズなのに、社会は何の手も打たなかったのか?(答: 考えられ得る手は 経費を負担する若者の数を増やす、依存する年寄りの数を制限する …. 現実には若者が減り年寄りが増え、真反対の結果になった)。

声4: もし第 8 回目の 棚ぼた があるとすれば、「老人問題」 が解決されるような 棚ぼた が欲しい(答: 本文の 「猫の寿命の図」 を見ると、人手間とお金をかければ寿命は延びるが、長生きに伴い 老化・認知症 が必ず訪れる … 物事は ルーの法則 どおり 「ちょうど良い点」 を探すのが大変だ)。
プロフィール

ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
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