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(740) フ レ イ ル ーー 老 人 性 虚 弱

 フ レ イ ル ―― 老 人 性 虚 弱 

現在、日本の平均寿命は世界一の国と言われている。男性 81 歳 … 女性の方は少々高くて 87 歳。

♣ しかし寿命の終末期は介護依存時代とも言われ、男性 9 年・ 女性 12 年間の病気状態を過ごす。それはなぜか?

♣ 人は年を取ると段々と体の力が弱くなり、外出する機会が減り、病気にならないまでも手助けや介護が必要となってくる。このように 「心と体の働きが弱くなってきた状態」 を フレイル と呼ぶ。この言葉は、海外の老人医学界で使用されている言葉 「フレイルティ」 の日本語訳と言われている。その意味は 「虚弱・ 老衰」 である。

フレイルーー老人性虚弱

♣ この有様を 図 1 に示す。虚弱 (Frailty) は普通・ フレイルと呼ばれ、三つの要素より成る :―― 身体 のフレイル (筋肉の減少など) 、 心 のフレイル (ウツ、認知機能の低下) 、 社会性のフレイル (閉じこもり、 孤食)。

♣ フレイルは齢を重ねて衰えて行く心身の全般を指すので、出来るだけ防ぎたい。元気で生涯現役、それが私たちの願いでもある。思い出せば、W.H.O. (世界保健機関) が述べる 「健康の定義」 は 図 2 に示すように、「身体・ 心・ 社会」 の 3 要素を示すものであった。だから、フレイルとは これら 3 要素が危うくなった状態とも受け止められ、健康 → 病気 への橋渡しでもある訳だ。

♣ 家に閉じこもり勝ちになれば 記憶も衰える。体力低下は、生活の質を落とすだけでなく、様々な合併症を引き起こす危険もある。脳梗塞や転倒などの事故により、突然に介護が必要になる事もある。身体の問題のみならず、加齢による 認知機能低下・ 「うつ」 や 不安による 精神的・ 心理的問題 はもちろんの事、経済的不安など社会的な問題も含まれ、フレイルとは多面的な概念であることが知られる。

フレイルーー老人性虚弱

♣ フレイルを具体的に再現すれば、 筋肉の減少、 関節や運動器の機能低下、 孤立感から始まる認知機能障害である。

の筋肉減少症は 「サルコペニア」 と言われ、全身の筋肉の量と力が落ちる。がんらい正常の 25 歳の筋肉を 100 % とすれば、誰でも、75 歳で 1 / 2 へ、100 歳で 1 / 4へ 減って行くのだ。サルコペニアでは日常生活の不活動によって、筋肉量は上記の数値よりも更に減り、歩行困難・ 転倒・ 骨折 の原因となる。

♣ の運動器の故障は 「ロコモーティブ症候群」 (略称 ロコモ) と言われ、脊椎関節・ 股関節・ 膝関節 などの不調によって身体の活動性が制約される。

♣  の孤立感は 「人との交流・ 社会との繋がり」 が欠損すること、つまり体も心も ニート (孤立)になってしまう。 ① ② ③ を併せて 「フレイル」 が完成に近づく。私たちは温かい心を伝えあい、共に生きていける地域にして行き、100 年間 現役、元気で長生きすること、これがみんなの希望であろう。

♣ フレイルの原因は齢と共に起こる肉体の変化が主な原因であり、その予防について触れてみる。70 年前までは 結核が亡国病であり、病人の半分は命を失った。現在は、医学の進歩で結核は治癒できる病気になった。現在 問題になる病気は:――およそ 50 歳で 糖尿病、60 歳で 脳卒中、70 歳 なら 癌、85 歳を超えるとその人口の半数が 認知症 になると言われる。

♣ しかしその前に、加齢に伴って変化を起こす状況を考えてみよう。まず 「脳」 の変化。大脳の細胞数は 150 億個、その内 10 万個の細胞が毎日減って行く。だから齢を取ると若いときほど頭が回らなくなる。覚悟しよう。

♣  頑丈なハズの「骨細胞」 は毎日入れ替わり、50 歳を越えると、出来る骨より消えて行く骨が増え、骨粗鬆症は避けられない。「神経と筋肉 の細胞数」 は減りこそすれ、訓練しても決して増えない ―― それどころか上に述べたように毎日減って行く。

フィレイルーー老人性虚弱

♣ 血液の 「赤血球」 は 4 ヶ月使われると寿命が来て新品と入れ替わるが、毎年薄くなって行く。「リンパ球」 は身体に外敵が侵入すると直ちに現場に行って闘い、その場で消えていく。このように、身体部品の減少の実態を知るとがっかりすることもあるが、でもこれが我々の体なのである。

♣ 人にも喜ばれ、自分も喜びを見出すことが出来るような所作、それが社会の為にもなっている。 図 3 に示すような 三つの工夫 (栄養・ 身体活動・ 社会参加) を重ねて、何としてもフレイルの予防に励みたいものだ。 実地の例では 「パールライフ活動」 は、お年寄りたちを集めて それを率先して行っている。1718字

要約:

「心と体の働きが 年齢と共に 弱くなってくる状態」 をフレイルと呼び、その 3 要素を図で示した。 ヒトの肉体は 50 歳を越えると機能の減退は避けられないので、その減退を一つずつ臓器ごとに認識しよう。 フレイルを、あるがまま放置してはいけない ―― ここで、それを 栄養・ 身体活動・ 社会参加 の三方面から防止することが大事である。

職員の声
 
声 1: フレイルの三要素 (体・ 心・ 社会性) のうち 「心」 ほど大切なものはないと思った(答: 「心」 は生きていることの 楽しみ・ 生き甲斐 を表す … 多くのお年寄りは 「心」 と 「社会性」 の点で落ちこぼれやすいものね)。

声2: フレイルの防止は 「栄養・ 身体活動・ 社会参加」 の三分野で乗り切る(答: 誰かに必要とされる、これほど大事で嬉しい 社会参加 はないようだ )。 

声3: ご本人が 「ピンコロ」 で逝きたいと言っても、家族から見れば 「ジワコロ」 のほうが 覚悟・ 恩返しの点 で有難いが … (答: スエーデンは 「寝たきり」 を嫌うが、日本ではもっぱら 「ジワコロ」 が主力である … 「ピンコロ」 の線で行くと、いろんな トラブル が発生するのだ)。

声4: 家の中に閉じこもらず、パールライフ・ サークル に参加して人の交流を楽しみたい(答: このサークルは、介護保険 の等級を貰っていないレベルの人達が、「体 = いろんな運動」、「心 = みんなでお話しし合う」 のほか、「社会性 = バザーなどのお手伝い」 にいそしんでおり、加入時と活動時では 見違えるほど 人物が美しく見えてきます)。
プロフィール

ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
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