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(747) 介 護 遺 伝 子っ て あ る か ?

(747) 介 護 の 遺 伝 子っ て あ る か ?
   
現在の日本では、在宅介護のうち約半数が 「親子の介護」 だと言われている。これにより 高齢で介護する子が過労と不健康で、将来を危ぶむような報告が後を絶たない 。この問題を解決する効果的な方法があるだろうか?

♣ 子を育てる努力なら、一般動物の行動を見れば分かるように、明らかに遺伝子に組み込まれている; しかし動物一般で 「老親を介護する遺伝子」 なんてあるのだろうか?

♣ 「サル」 の子は親の口元に餌を運ぶことはないが、「人間はサルと違っていつ頃の昔からか 親の介護をする生き物」 になった。はっきりした証拠はないけれど、「言語の発達」 と深い関係があるようだ。

♣ しかしながら、親の介護を行う遺伝子は存在しない。だって生命と言うものは 子孫繁栄の未来 に向かってあるものであり、すでに 過去になった 「老いの処理」 は遺伝子の役目ではない。

♣ 実は 親の介護は 「人間の大脳 が考え出した知恵によるものである 。戦前の介護なら親は還暦 ( 60 歳) 前後で他界し、短期間の介護で済んだが、今は高齢社会となったため、老父母の介護は 何十年 にも及び、その介護は 「重いストレス」 となってきた。この点で子の養育とは訳が違う。

介護遺伝子ってあるか?

♣ 介護でなくても、人間というものは 単純な仕事を無期限に強制されると、自尊心 が壊されてしまう —— 介護の場合なら、親を敬う気持ちが消え去ってしまう。厚労省は 「親の介護は自宅で看てくれ」 と勧めるが、これでは全く解決にならない。

♣ そもそも人間が 「親の介護」 を創始したのは、大脳 の知恵によったものであり、遺伝子の力によってではない。だから、介護の問題を効果的に解決する対策は、やはり 「人間の大脳」 が 工夫して考え出すほかに良い方法はない。

♣ 日本は 「親離れも子離れも悪い」 ことで有名だが、それは遺伝子に関係ないのか?いや、それは大脳が作用する 「決意」 の問題であろう … この決意には介護の予想期間が大いに関係するし、昔は 還暦 ( 60 歳) まで介護すればそれで ご用が済んだが、今は 100 歳までのロングランだ。

♣ 100 歳の古老の 「調理・摂食・ おしも・ 入浴など」 を 70 歳の若老がお世話する。 そんな毎日って体力的に ムリではないか?若老自身が介護をして貰いたい程に 両者の年齢が重なっている。介護先が若い親 なのか、それとも祖父母に相当する程 齢取った親 なのか? 時代はすっかり変わってしまった。

♣ 死に場所 も問題である。昔の死に場所は 1 対 9 で自宅が多かったが、今は完全に逆転して病院・ 施設が多くなってしまい、子は自分の身辺で親の死が起こることを 怖がっている。親を介護するムードはきれぎれになった。

♣ この点は海外でも同様のようだが、イギリスやスエーデンでは、その解決法として 「老親と子の責任関係を “法律的に無用“」 とする法案 が 2012 年に可決されている――つまり、親の去就の責任は子にはなく、国が面倒を見る ことになったのだ。

♣ 日本も 2000 年には介護保険が施行され、一歩 西欧に近づいたが、まだまだ圧倒的に子の関与と責任は重く、親の運命はほぼ子の意思に沿って決められる。

♣ 先進国の日本、とは言われるけれど、「親の長生き」 と 「子の親孝行」 の関係は矛盾に満ち満ちている 。つまり、福祉標語の花形は 「親は元気で長生き」 であるけれど、その蓋を開いてみれば 「親は病気で長生きし、子は全くの当て外れ」 と言う現実が否定できなくなった。

♣ その上、 これらの矛盾を解いてくれる人は 肝心の 「子」 ではなく 介護施設の 「職員」 だったのである。しかし子の親孝行妄想をむやみに 介護職員に押し付けることは控えるべきであろう。

♣ 解決法は二つある―― 遺伝子には書いてない内容 (親孝行) を あたかも遺伝子の中に書いてあるかのように 間違った妄想をしないこと 親と子のいずれを優先するか――つまり人生 50 年と思えば 「親」 を、人生 100 年と信じれば 「子」 を取らなければ、社会は崩壊するという事実である。

♣ 西洋の先進国は を受け入れている … 親孝行の遺伝子があるなんて妄想をしないし、未来の終った 「親」 よりも、将来に続く 「子」 を優先する。 すなわち、単に子を説教するだけではなく、きちんとした考えで将来の社会を守っていくのである。1988字

要約:  子育て遺伝子はすべての動物にあるが、親を養育する遺伝子なんて存在しない。 人生 50 年のころ、親孝行はせいぜい還暦 ( 60 歳) まで、今は 100 歳までのロングランになり、孝行する子自身が老いてしまい 孫の孝行を受けるほどの巡り合わせになった。 親の最期を保護する介護保険はまことに時宜 (じぎ) を得た制度であり、それに従事する介護職員の行いには誰もが頭を下げている。

参考:  鳥居 りん子: 「頼むから今日死んでくれ」; プレシデント On Line 2018.1.31

職員の声

声1: 老親の介護をする遺伝子は ナイ と初めて聞く… 親の介護は 「文化」 であって、文化の引き継ぎだと思うが(答: 昔の介護は 3 年間程度、今はその 10 倍…文化と思うにしては心理・ 肉体の両面で矛盾が多すぎる)。

声2: カッコウ は自分の卵を他の鳥に抱かせる … 人間は自分の親の介護を他人にまかせる おかしな生物です(答: 昔の親は更年期を過ぎると死んでいたので、当時 できたことは介護ではなく、逝った親を惜しむことだけだった)。

声3: 私の知っている 100 歳の人、その息子も介護認定を受けた…日本は金余りなのか?(答: 高齢老人の多くが介護を受け、さすがの福祉大国・日本も滅びる?と囁かれる)。

声4: 介護遺伝子は存在しないの?なら 「育児放棄」 と 「介護放棄」 はどちらの罪が大きいか?(答: 良い設問だ、答えは自明である ! )。

声5: このまま時代が進むと、親の介護は遺伝子に取り込まれて行くような気がする(答: そうかもね…でも、生物の習性が遺伝子に取り込まれるのには 100 万年単位の時間が必要である――しかも、もし親優先が続けば 日本の歴史はやがて 絶滅 に陥るだろう)。
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ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
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