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(778) 適 正 な 老 人 層 の サ イ ズ

(778) 適 正 な 老 人 層 の サ イ ズ
     
 日本でも戦後の昭和 25 年の統計を見ると (図 1)、人口ピラミッドは底辺が 1 年に付き約 100 万人、毎年約 1 % ずつ減って 高さが 92 歳の “完全な” ピラミッド であった。

♣ ピラミッドの三角形は 上に行くほど狭くなる形で、これは毎年 “一定の割合で人が死ぬ” ということだ。だからこそ 昔は少なくなった老人を多数の若者が支える事に困難はなかった。

♣ しかし、国民のみんなが長生きを希望し、死者が少なければ 平均寿命は上がる。つまり、図 1 の左のように “毎年 人口が すでにゼロ歳から減り続ける” と言うのは 望ましくない社会であろう ―― 望むらくは 70 ~ 80 歳くらいまでは 事故以外に あまり人は死なず、「平均寿命を越えたら ある日 コロッと死ぬ」 というのが理想的なパターンと言われている。

♣ もしそのパターンなら、人口分布は必然的に ピラミッド型 から 灯篭型 となるはず (図 1の中央) ―― この型なら、各年代に関して どの年代もほぼ 100 万人× 100 年分=1 億人という人口構成となる( ただし、戦後の団塊の世代とその子供たちの部分は例外をして突出する)。

♣ 近代の先進国では、70 歳を越えると人口は毎年 3.3 % ずつ直線的に減って 100 歳でゼロに至ることが多い (図 1の中央)。これは、以前発表した提言 「屈折年齢 = 70 歳」 が意味することに呼応する

♣ この理想的な 灯篭形 人口構成であるなら、若い頃に命を落とす人が少ないから、喜ばしい反面、残念ながら若者と同数または若者より ずっと多い老人が常に頭の上に存在し、その 福祉経費 (年金・ 医療・ 介護 など)を 若者が負担するのは相当に困難な仕事となる。高齢者が元気過ぎてどんどん貯まってくれば 「煙突型」 の人口構成になりかねない(図 1の右端)。

♣ もし これを解決するために 老人の数に見合った 元の 「ピラミッド型の人口構成」 に戻したいとすれば、ピラミッドの裾野 (すその) を、つまり幼若児を増やさねばならない(図 1の左のように)。

♣ 本気でそれが可能な計算をすると 15 年後の日本人口は裾野が広がり過ぎて 4 億人程度必要となり、その後、8 億・ 10 億などなどと増え … これでは 世界が日本人だらけになる ―― すなわち老人が増えた型で日本人口を期待するのは明らかにムリがある。実際には “子供をたくさん産む案” は “山の神どの達” が命を張ってでも きっと反対するだろうし。

♣ 増えた老人の数に合わせて福祉経費の辻褄を合せようとすると、ムリ に ムリ を重ねねばならない。すなわち老人に限らず 「働く人口」 と 「楽 (らく)する人口」 の両者は 妥協の余地がない矛盾関係に陥る。―― 自然界の動物の場合なら 「餌を自分で見つけられず、楽(らく)し始めたら、命はおしまいだ」。

♣ ところが人間は動物とは違い、敬老の精神をもち持ち合わせるし、日本人は特にその気持ちが強い。したがって老人の数を減らすまいとする敬老派の人たちが立ち上がる。だが、敬老派に反対する減老派も立ち上がって争い、「働かずに長生きする老人の問題」 は未解決のまま次世代へ引き渡されるだろう。

♣ 昔のピラミッド型人口の時、経済は原始的で生活は苦しかったが、老人問題は存在しなかったところが経済発展で人々が能率よく楽 (らく) をし始めると、人口構成は 灯篭~煙突型 になり、「老人問題」 が深刻・ 困難になった ―― つまり老人の数は増え過ぎてはダメ、昔のように少数の特別の老人だけが長生きを許されることを意味している(図 1の左)。

♣ しかし私らの願いは福祉の心にのっとり、若者でも誰でも 「満寿まで長生きしたい」 と思う。つまり老人が増え過ぎたら問題がややこしくなる半面、みんなが高齢になるまで生きていたいという矛盾があるのだ。

♣ 老人層は戦後 全人口の 4 %、福祉が頑張って今 10 倍の 40 % に増えた。老人を増やすのは福祉の得意技、でも老人が今以上に増えても健康な社会は成り立つのだろうか?

♣ 普通の若者が支えられる老人層の量はどれくらいなのだろうか?(図 2)。50 年まえは若者 10 人で一人の老人を支えたが、いまは若者 一人で老人 一人を支えている。これでは老人はラクチンだが、若者はへたばってしまう。

♣ じゃ、老人を減らす? … とんでもない … 介護保険は老人が増えるための制度なのだ。ならば、若者を増やして対応する?とんでもない … 昔の女性は 18 歳から子を産んだが、今は女性の結婚が 30 歳からの時代だ … 子が増えるは可能性は絶対ゼロ!困った!困った!この矛盾をどう解決しよう?

♣ だが、みんなは正しい答を知っている … ただ 「言い出しっぺ 」 になりたくないだけだ。もしこの問題が私らの知らない国で発生したと仮定すると―――例えば ウズベキスタン とか ブータン という国でなら、適切な答はすぐ言えるでしょう。でもね、日本ではこれはきっと困難で避けたい問題だと思う。1967字

結論:   人口ピラミッドが後進国型の三角形であれば、当然のことながら老人問題は存在しない …それは老人が長生きできないからだ。 みんなが長生きするようになれば、人口ピラミッドは 煙突型 () になり老人問題が多発する。 日本の現実は老人率が 4 % から今 30 % へ、さらに 10 倍の 40 % 以上に増える。老人は大切に扱わねばならないが、“老人の層が どのくらいのサイズであれば みんなが幸せになれるのか”? あなたの 「本音の意見」 を教えて欲しい。

参考: * 新谷:「屈折年齢と福祉」; 福祉における安全管理 # 679, 2016.
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「ふじ」=新谷冨士雄
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