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(780) ジ ワ コ ロ 万 歳 !

(780) ジ ワ コ ロ 万 歳 !

聞いて驚くニュースであるが、世の中 ピンコロ地蔵・ ポックリ寺の人気 は不動の強みを誇っているとのこと。

♣ しかし、平均寿命が伸び続けている現代、死のあり方についても考える人が増えてきた。只今 健康であっても死ぬときは、誰にも迷惑をかけず 苦しまずに逝くことを望み、その願い成就のために全国各地にある ポックリ寺 を訪れる高齢者が増加していると言う。参拝すると 無病息災、健康体のままピンころで天寿を全うできる と信じられている。

♣ 本気でそのご利益(りやく)に恵まれた人がいるだろうか?でも 「鰯(いわし)の頭も信心から」 という言い習わしもあって、お祈りが大事、効能を期待したらそれは信心ではナイ … 日本人て 本気でそう思っているのだろうか?

♣ では ここで人が本当に逝くときの 「三つのパターン ① ② ③ 」 を復習してみよう。第一に ピンころ」 を挙げる。これは上に述べたように誰にも 「迷惑をかけず、本人は苦しまない」 で死んでいくことである。よく引用される実例は、脳出血で突然意識を失い そのまま回復することなく死に至る、あるいは 急性心筋梗塞で心臓が止まり、治療の始まる前に昇天している、などがある。

♣ その は「ジワころ」、これは じわりじわり長い年月をかけてゆっくり逝くことを表現する。介護施設での死亡に限らず、世間一般の死亡は圧倒的に 「ジワころ」 であり、子守歌の “ねんねんヨー おころりヨー” からとって 「ネンころ」 とも言われる。

♣ 日本女性の統計では、健康寿命の後 「12 年間」 の病気寿命があり、その全期間を 「寝たきりする」 とは限らないので、むしろ 「ジワリジワリ逝く “ジワころ”」 と呼ぶほうが実態に合う。

♣ 認知症介護の真の目的は 「ジワころ」 であるが、本人が口で言う希望は 「健康なままピンころで死にたい」 と真逆 ある。その実態は医療・ 介護の極が求められるので、当然の結果 ジワころ に落ち着くのである。

♣ 三つ目は 並みころ」 であある。これは言葉の意味する通り、並みの期間 寝付いた後 逝くことであり、「並み」 とは 逝く人もケアに当たる人も 程よく疲れる範囲 のことだ … 「何か月」 という期間かな?

♣ さて、現在の日本で 現実に圧倒的に多いのは なんと言っても 「 ジワころ」 である、だって世界一長命なのは日本でしょう?つまり 健康寿命も病気寿命 も世界一長いんだから、理屈通り死ぬ経過も長い。

♣ 現在の死亡者年齢は 8 割以上が老齢になってからの死であるから、「ジワころ」 は老人の死亡パターンとして当然なのである。この死亡パターンには 「ヒト・ モノ・ カネ」 もどっさり掛かるが、これは如何(いかん)ともし難い。本人に聴けば “早く死にたい” であっても、希望と実態が泣き別れている。

♣ 次に多いのが の 「並みころ」 だ。もし小説で書くなら、並みコロは一番単純で面白味がないし、医療の発達した日本ではあまり見かけない。

の 「ピンころ」 は意外なことに一番少なくて、滅多なことではお目にかかれない ! ピンころ地蔵 までの需要が高いのに、ピンころが 「稀」 とは一体どうしたことか?その理由と実態を考えてみよう。

♣ 「ピンころ」 には一定の定義がある訳ではなく、死亡が 「1 時間以内」 または 「1 日以内」 などに起こることを想像させるが、大事な意味は 「ピンピン」 していた人が 知らないうちに 「ころり」 と逝っている現実を表現するものである。当の本人の気持ちとしては、痛み・ 苦しみがなくて死ねることを切望する。

♣ さて、ピンころの現実には 3 種類があり、 病気、事故、 自死である。大抵の人は病(やまい)で ピンコロ と逝きたいと言う。図 1 を見よ … 突然死の原因は 8 割は 「循環器病」 であり、具体的には 「急性心筋梗塞」 であるが、今の時代、初回の心筋梗塞は大抵治療が成功して なかなか死なせては貰えず、慢性化する。

♣ 「心筋症や心筋炎」 は稀であるし、しかもそれは事前に診断されている---藪から棒ではない。ビックリするのは、大動脈瘤破裂 が稀に見られるくらいであり、心臓の急死は思ったより遥かに少ない。その上、刑事事件・ 病理解剖の処理が待っている。

♣ 2 番目の 「事故」 は予想外に多いので驚く(図 1・ 2)。日本の年間死亡事故は交通事故 15,000 件だったのが 1/3 に激減し、今や窒息(誤嚥)・ 転倒・ 風呂溺れが 8 千人程度の主力となり、これらは 大抵 超老人の事故であるから、あなたの希望には一致しないだろう。3 番目に多いのは 「自死」 であり (毎年 2 万人越え) (図 3)、数の面で考えれば ① ② よりずっと多く、3 ~ 4 倍もあり、驚くばかりだ。

♣ つまり、こういうことである:―― ピンころ地蔵・ ポックリ寺 で個人のピンころ願望がどんなに強かろうとも、急死例の各論をみれば、 「ピンころ」 は稀の稀で、その内訳は 事故・ 誤嚥・ 溺死などが主力なのである!また初回の脳・ 心筋梗塞なら助けられてしまうが、実はピンころどころか多くは慢性化する。要するに、まともな人ならポックリは願い下げられている !

♣ ゆっくり考えてみれば、政府は建前からして 「治療・ 介護・ 延命の結果のジワころ」 を勧めているし、まじめに病院通いをするあなたの 「本心」 も、ピンころはイヤなんでしょう?要するに人の心の結論は 「ピンころは口先で求められるが、本心はジワころ万歳」 なのでありました。1977字

要約:  「私はピンころで逝きたい」 と誰もが言う。そこでピンころの各論を調べてみた。 数の上で一番多いピンころは「自死」 であり警察沙汰。次に多いピンころは事故(誤嚥・ 転倒・ 風呂溺れなど)であり、オヤ?と思うほどの結果。 循環器の突然死は派手な割にとても少ない。我々日本人は やはり 世界一長生きで、世界一 ジワリジワリと超高齢で逝くこと を求める 「ジワころ民族」 なの でした。
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ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
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