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(779) 元気で長生きしたい 

  (779) 元気で長生きしたい  

100 歳のお婆ちゃまが 「元気で長生きしたい」 とおっしゃる。そこで 彼女のお名前を GN 様と呼ぼう。彼女が 「元気で長生き」とは どんな事を考えておられるのか? ここでは一般的な 100 歳の方の身体状況を 「100 歳標準」 とみなしてみよう。

♣ まず 「元気」 とは 「健康」 と考える。健康の 三要素 は、身体・ 精神・ 社会 な側面を見つめる。「精神的 (生きがいを持つ) 、社会的 (他人との交流がある) も大事な健康の要素である。そこで最初に 「100 歳標準」 を総括的に述べてみよう。

{目:} 白内障・ 緑内障があって、視力は落ちる。レンズの変形によって像の湾曲率も変わる。老人性縮瞳により黒目は小さく、このため景色は暗く見え、夜間にはつまづきやすい。テレビで野球や相撲を見ても 勝ち負けがはっきり分からない。要するに 「ガチャ目」 である

{耳:} 老人性難聴により、小さくて高い音は聞こえにくい。体温計の 「チッ」 という終了音は聞こえない。会話では、母音(ぼいん)はよく聞こえる反面、その間に挟まれる高音の子音(しいん)は耳に残りづらく、 え? え? とよく 聞きなおす。極端に言えば、“お早う” が オアオウに、“こんにちは” は オンイイアに聞こえて戸惑うのだ。テレビの音量を上げ、家族に文句を付けられる。

{味覚・臭覚:} 歳とともに 「味蕾」 「臭蕾」 は減り、感覚は鈍る。味めくら、匂いめくらに近い。ただし味覚・ 臭覚の減退は他人へあまり迷惑をかけない。

{知覚:} 視・ 聴・ 味・ 臭 に次ぐ残りの感覚。温・ 冷・ 痛覚 など五種類の受容体は数が減り感度がすべて鈍る。

{歯:} 100 歳の基本は 100 % 入歯であろう。

{骨:} 女性の骨粗鬆症は殊更に有名、骨折の頻度は増し、膝・ 脊椎骨の変形も増える。

{肉:} 随意筋の量は 25 歳時に比べ 75 歳で 1/2 に、100 歳で 1/4に 減り、ヨロヨロ。 

{脳:} 成人以後、脳細胞は毎日 10 万個ずつ減ると言われ、認知の脳細胞も影響を受ける。認知症の頻度は 80 歳で 5 割、100 歳で 8 割。

♣ 100 歳の GN 様が 「わたしゃ元気だよ」 とおっしゃっても、その身体的基盤は上記の通りであって 「病気」と は言えないが、”はたち の健康“ とはまるで違うものである。つまり 100 歳の GN 様の元気は 「100 歳相応の健康」 に過ぎないのである。

♣ 次に 「長生き」 について、長いとは 「どれほど長い」 のか?戦前ならば 「還暦(60歳) 」 は長いと言えただろう。今は長いといえば 100 歳であろうか。しかし今が 100 歳の人なら上に天井はない。ここで長生きの現実を実物の図で観察しよう。

図 1 は 横軸は年齢、縦軸は人口を示す。0 歳から 70 歳までの人口はその時どきの社会状況に応じて デコボコ であるが、70 歳を越える人口は 95 歳に向かってほぼ直線的に減少する。この 70 歳からの直線減少所見は全世界の先進国で共通であり、従って 70 歳の別名は統計上の 「屈折年齢」 と呼ばれる 1 )

2016.5.5 人口推計 2007年 (2)x
♣ もちろん個人差はあるが、人間という種(しゅ)は一般に 70 歳という限度を超えると長く生存することは困難なようである。図 1で年齢の末端の 95 歳より先をみると、縮尺の関係で超高齢の人口はゼロのように見える。そこでこの部分を詳しく拡大して 図 2 で示してみる。
2020.02.26① Bx
♣ 驚くことに男性の場合 高齢人口は 107 歳あたりに向かって、双曲線のように ほぼ 0 人に 収束 している ! 男性よりも人口が数倍も多い女性も、男女差を反映して 110 歳に向かって やはり双曲線的に ゼロに収束 している。つまり現実の男女人口は、合わせて 110 歳近辺でゼロに 収束 すると見られ、これこそが 「高齢 100 寿人口の特徴」 と言えるのであろう。

♣ もちろん個人差はあり、110 歳を越える人たちのデータをみると 「個人姓名付き」 であることが多い … 例えば 田中かね 117 歳、松下しん 115 歳、渡辺智哲 112 歳などだ。この渡辺智哲氏は 2020 年に亡くなったが、生存時には 「世界一長寿な男性」 としてギネスブックに載っていたほどの高齢であった。

♣ 日本の統計現状では 100 歳越が 7 万人、110 歳越えは 150 人ほどである。つまり 110 歳を越える長寿者は統計領域を越える稀な人達と言えるだろう。それは 「数字で扱う人口」 と言うよりも、「ギネス・ 神仏の領域の人」 と見るべきであろう。従って人間の 「天寿の境界」 と言えば 110 歳と考えて大きな誤りはないと思われる。

 ♣ さてそこで 「元気で長生きしたい」 とおっしゃる 100 歳の GN さまを振り返ってみよう。彼女は 「元気さ」 を保持していらっしゃるが、上記したように 彼女の健康は具体的には 「100 歳標準」 の故障だらけ であるから すでに 「健康」 の意味では失格である。つまり、彼女は過去すでに 「健康の領域」を 通り越しており、単に今以上 病気が重ならないように念じておられるだけなのである。

 ♣ 次に 「長生き」 の願望もあるが、GN さまはすでに 100 歳であり、参考までに 「余命表」 を見ると 余命はあと 2.5 歳と記載されているから、110 歳の実現は かなり困難である。

 ♣ その上 100 歳の GN さまは 「 認知症」 である確率が 8 割もあり、もし 110 歳であれば 10 割 (100 %) 認知症となろう 2) 。認知症の特徴の一つに 「時間観念の喪失」 という 見当識異常があって、過去~現在~将来 を弁別し難い。つまり 「長生きしたい」 とおっしゃる希望はどこまで本心なのかが分からないのである。2138字

要約: 「100 歳標準」 を定義し、100 歳の 「元気」 とは この故障だらけの健康を 「自覚的な元気」 とみなしている。 通常の人口分布図では、100 歳寿の人口は目には見えないほど微細だが、それを拡大して観察すれば、男子は 107 歳に向かって、女子は 110 歳に向かって見事に人口ゼロに収束していた。 通常の統計分析が可能な人口領域は 110 歳までで、それを越えると 統計確率の届かない 「ギネス・ 神仏の領域」 になることが示唆された。

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