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(5) 長生きのひみつ

今回はNewton誌 2010年4月号の特集「老化は防げるか?」をご紹介し、私の意見を述べてみようと思います。

♣ 皆さん方は よく知っています、つまり「新車でも長く使えば“中古車”になる」ということを;いや、使わなくても パーツは古くなり、“新古車”と呼ばれます。生命でも同じです;「老化は防げるか?」などの標題はナンセンスです --- 防げるわけがあろうはずもありません。しかし、この標題は おそらく万人の興味を引き寄せます。よって科学研究の予算も付きやすいのです。Newton誌を紹介する前に、一つ復習を。

♣ 生命の基本は「繁殖するために本人が実在すること」でしたね。「実在」は個体の努力で、繁殖は「遺伝子」によって行われます。遺伝子の設計図には 上記の生命の基本を実現するのに必要なことが書かれています。しかし、生命進化の過程で、繁殖した後の「余生」をどうするかについては、遺伝子に書かれていません。つまり、子を産み終わったら生命は「死ぬ」のです。人間は 生み終われば「更年期」となり、古今東西 それは 50歳前後です。平均寿命が50歳以下だった時代の人類は それで不自由しなかったのです。

♣ ところが人間は他の動物と異なり「知恵」を持っています。現実には その知恵を働かせたので、今の日本では寿命は100歳にまで延びました。50歳から100歳までの50年間は人の知恵によって生きられるのです。知恵の内容を具体的に言うと、平和・保健衛生・医療・介護などが すぐ思いつきますが、上下水道や冷暖房などの都市インフラもその典型です。数年まえ、フランスを熱波が襲い、老人ホームのお年寄りが何万人も死にました。パールでも冷暖房が無かったら、たぶん同じことが起こるでしょう。

♣ そこで Newton誌の内容に移ります。そこには近年の「長生きの試行錯誤」が書かれています。① 女性ホルモンの使用で長生きできる:30年まえ頃に とても はやりました。しかし副作用のガンや認知症のため見捨てられました。② 「腹八分」で寿命が延びる:この成績は「酵母菌」「マウス」での実験によります。でも そこに真理があるようで、空腹によって長寿遺伝子が目覚めると言います。人の場合、「腹八分」ではなく、「腹七分」がbetterとも言われ、否定も肯定もできません。③ 赤ワインが長寿の元:フランス人はデブのわりに長生きだ、という逆説(パラドックス)が由来です。マウスの実験でも証明されましたが、そのためには一日100杯のワインを飲む必要があり、非現実的ですね。④ 酸化ストレスが老化の原因だ!:悪い生活態度 つまり「大食い・酒・タバコ・博打・夜遊び . . . 」と言われますが、これらはみな 体の酸素需要を増やし、細胞が強く酸化され、寿命が縮む、という研究があります。遺伝子の末端にある「テロメア」という構造は寿命の「回数券」です。ヒトに与えられている50枚の回数券を乱暴に早く使い終われば、そこが寿命です。

♣ これらの研究で決定的に見過ごされていることは、「人間の遺伝子寿命は50歳用である」という視点です。50歳までなら、何をしても しなくても「遺伝子」が人を守ってくれます。それを過ぎれば、あとは人の知恵。その結果、寿命は延びるでしょうが、もはや 遺伝子の保護のない生命ですから、無理は禁物。ここで私は「ルー (Roux) の法則」を思い出します。つまり、① やりすぎてはいけない、② やりなすぎてもいけない、③ ちょうどよいのが最高である。介護についても、私の意見は同じです。

職員の声

声1: 「僕は 有意義であれば 太くて短い人生を好む」と言う人がいますが、嘘っぽい;たいてい イザとなれば、細くて長い人生を求めます。

声2: ルーの法則に異論はありませんが、「丁度良い」長生きを決めるのは難しいです;それが理想ですが無理です(係り:95歳でモンブラン登頂、などの報道があり、それが「丁度良い登山」のはずはありませんが、冒険して命を縮めるのは本人の幸せであり、他人が口出しできませんね)。

声3: 「余生」とは何だろう?鮎や鮭には余生がない、しかし象や鯨には余生があるのでは?私は長い余生を送りたい。

声4:長生きって、具体的に何歳ですか?(答え:時代や環境・習慣によって違いますね、2000年前のローマ時代は40歳、織田信長は50歳、還暦は60歳、元首相の小泉さんによると「終末期高齢者」を75歳としています)。(小泉さんは「後期」でなく75最を「終末」と考えておられました)

声5:特養では お世話がよくできるので、要介護5で 周囲との会話がないまま十年余 生き続ける方々がおられるのが現実です——欧米では不可能なことでしょう。

声6:長生きの実態は希望通りに行きませんが、夢の言葉として残しておきましょう。 

プロフィール

ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
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