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(195) 介護 と ゴミ御殿(ごてん)

 (195) 介護とゴミ御殿(ごてん)
 
 在宅介護で 切っても切り離せない問題が「ゴミ御殿」ですね。

♣ ここで言う「ゴミ御殿」は、主に独り暮らしの高齢者が 自室の生活空間に 処理しきれない物品を貯め込み、ご自身と介護者の 衛生上の問題が発生している状況を指します。ゴミ御殿のトラブルは、2000年に介護保険が施行される前から よく知られていました。しかし介護保険が機能し始めた2000年以後、この問題は深刻の度合いを深めました。

♣ なぜって、善意による強権で「ゴミ片付け」をすることは可能ではありますが 一方でご利用者からの反発が根深いし、他方 ご利用者の希望(人権)を優先すると 衛生問題が深刻化し、いずれにせよ 問題は解決しないからです。話を進める前に、まずゴミ御殿の心理の一端をご紹介しましょう。

♣ ① 私の小学校時代の仲良しの友達宅、終戦前の話です。誘われて遊びに行くと、母子家庭でした。昔の日本家屋というのは 畳と障子以外はカラッポの空間が普通ですが、行ってみると その小さな家の中は たまげるほどの雑物であふれ返り、寝るスペースさえ見つけられないほど でした。天井裏を走るの足音、床下にうごめくゴキブリの一団、部屋から外を見渡せないほど うずたかく積まれた家具・書籍・新聞紙の山 . . . 田舎の母子家庭では、経済的に楽(らく)ではないし、どんなものも捨てにくかったのだな、と感じました。

♣ ② 私は18歳、兄と同じ下宿で同室でした。 兄の机の上は乱雑 かつ 清掃なしの状態で、その上にパチンコの景品が積み重ねられて行きましたので、ある日、意を決して片付け それを整頓しました。すると 大きな雷が私の頭に落ちて来ました:「君にとってゴミのように見えるかもしれないが、これは“僕の宝だ ! 混沌の美である !! だから、いじってもらっては困る !!! 」。 まったく反論できない論理でした。これ以来、私は、他人の「お片付け」に口を挟まないよう、注意することを学びました

♣ 要するに「片付いていない」という状況は かなり主観的要素に支配されるものであり(= 趣味か?芸術か?)、他人が入り込むときは、注意に注意を重ねるべきなのでした。

♣ しかし時代が変わって、この10年余、高齢者のゴミ御殿の問題は 日本中 どこでも見られる ありふれた事態です。しかも、従来の心理学者社会学者の解釈では片付けられないようです。従来の「ゴミ御殿」は“普通の人間の心理”で説明されていました。つまり、少なくとも その人が好んで選んだ“能動的な”「ゴミ御殿」でした。反対に、認知症の「ゴミ御殿」は、“減少した脳細胞”が 了解可能な理性的な判断をすることなく、“成り行き的に”もたらされた「ゴミ御殿」です。だから“認知症の心理?”で、これを照らし直してみなければ 新しい説明と対応はできないと思われます。

♣ 認知症のゴミ御殿がどんなものであるかを知ることは大事ですが、皆さん方は 現場の経験をお持ち ですから、お互いに語り合って頂くのがベターでしょう。その後で、この問題の姿と対応を総括してみたいと思います。

職員の声

声1: お年寄りにとって、ゴミは宝物なのです、もったいなくて捨てられません(係り:そうかも知れませんが、どんな基準から見ても“ウンチ”を宝物とみなすことはできないでしょう?)。

声2: ご本人が「綺麗」というのと、私どもが「綺麗」と思う 「その差や隙間」をうまく調整したいです(係り:認知症の世界は 私たちとは異なります;調整というより、理解するほうがベターかな?)。

声3: 「散らかっていても、その方が安心する」とおっしゃいます;私は庭の小枝を切り取ったところ、その方の思い出まで切り取ってしまいました(係り:ご本人の情緒的な意向や思い出を大切にする必要があります;ただし くよくよしなくてもいいですよ;愛があれば、忘れて下さいます

声4: 信頼関係を維持しながらゴミ片付ける事を心がけています(係り:Good ! ゴミ御殿の清掃は「必要最少限」に留めておく とトラブルが少ないようです)。

声5: 臭いがひどかったり、ゴキブリが部屋いっぱいに走っていると、衛生上の問題があり、ご近所からクレームが出てきます(係り:説明しても分かってもらえない場合は、パールに事例をお持ち帰り下さい;清掃を強行するとトラブルが起こることが多いです)。

声6: ゴミ片づけだけに100万円も掛かる場合があるのですか?(係り:あります;私的契約による清掃・区の清掃局・便利屋などを利用して、ある程度良好な状態に整備した後、介護保険のヘルパー導入が望ましいでしょう)。

声7: ゴミ御殿は「ご利用者の体・心」の、どちらも失調するから生じる現象だと思います(係り:人格の失調ではなく、老化の途上で起こる現象ですね;要介護5 のように、体も心も衰えると ゴミ御殿はなくなります)。

声8: 特養に勤めていると、このような例は不思議でなりません(係り:特養でも、N氏の床頭台しょうとうだい)に隠してあった食品にウジムシが湧いていた例があります)。

声9: この問題は介護保険だけで対応しきれないのは分かりますが、根本的解決はどうすれば良いのでしょうか?(係り:総括します。認知症の方に 衛生とか秩序とかの“理性”を説いても根本解決にはなりません;気分を“情緒”にシフトして、粘り強い信頼関係を構築することが大事だと思います—— Body Language と言います —— 言葉の分からない赤ちゃんを包む母親の愛です)。

(194) 食べず、飲まず

 (194) 食べず、飲まず  

 福祉施設では、せっかく食事介助をしても、ご利用者が「食べない、飲まない」という悩みをお持ちの職員は多いと思います。今日は「食べず、飲まず」の生理学と経験談を紹介します。体格指数(Body Mass Index, B.M.I. )についても説明します。

♣ 私の祖父は 脳梗塞のあと「食べず、飲まず」が始まって1週間で亡くなりました。その昔には、点滴・エンシュア・胃瘻などが無かったからです。今 考えれば、栄養失調というより「脱水」が原因だったのでしょう。

♣ 20年まえ、スエーデンの老人施設を訪ねたとき、私は「ご利用者が自分で食べられなくなると、どうなさるのですか?」と職員に訊きました。その方のお答えは「枕元にパンとスープを置きます;ご自分で食べられなければ、それが終わりです」とのこと。私の祖父の時と同じでした ! ちなみに、大正天皇がお亡くなりにたった90年まえ、日本では 初めての「リンゲル液」を注射申し上げたけれど、延命はできなかったと記録されています6) 。ヨーロッパから輸入したリンゲル液一本の御値段は、今の値段でいうと、100万円くらいだったそうです。

♣ さて絶食で、どれだけ生きられるのでしょうか?1) ここで「絶食」とは、自分の意思、または事故・病気によって食事が絶たれることです。性・年齢・基礎疾患の種類により結果は大幅に異なりますが、水分摂取の有無が大きな影響を持ちます。水分摂取がない場合、元気な人でも、ふつう1~2週で死亡します。老人の場合、1週 持つでしょうか? その原因は「脱水」と呼ばれるものです。人間は何もしなくても、水分を呼吸・汗・尿で失います。その水分を補充しなければ、循環血液量が減り、血圧が維持できなくなり、死に至るのです。だからこそ、現代では、お年寄りが入院すると、まず点滴から始める のです。

♣ 食物を摂らないが、水分は自由、これは「断食(だんじき」と言われる宗教的イベントです。過去にいろいろな記録がありますが、1918年のマハトマ・ガンジーの断食は「証拠」もあり、有名です。彼はインドの独立をイギリスに求めるため、21日間の宗教的断食をしました。ただし、水をすするのは許されていました。(非公式の記録では、40日生き延びた例もあります。)水の補給があるから循環血液量はほぼ保たれ、体の栄養は体内脂肪のカロリーで補うわけです。脂肪だけが体内で燃えると、血液は酸性に傾き(ケトン症)、臓器不全が進みます。

♣ 急性な断食ではなく「慢性の飢餓」の場合はどうでしょうか?慢性の飢餓は人類の歴史のなかで頻繁に起こりました。アウシュビッツの強制キャンプは有名ですね。このような場合、甲状腺や副腎の機能が低下し、生命活性は落ちるものの、案外に長生きできます。その代わり、体は骨と皮になってしまいます。

♣ 医療・介護領域では「近飢餓」に出合います。有名なものでは「神経性食欲不全」、「癌末期」および「老衰」があります。ここで「体格指数」について説明します2) 。体格指数は「肥満度」を表わす数値です。文明社会の医療では「肥満」が「痩せ」よりも問題のようで、「肥満」を定義する 新しい計算式が30年ほどまえに世界的に認識されました。それは「体重 kg ÷ 身長 m ÷ 身長 m」です;電卓で簡単に求められます。正常値は 22 ± 3です(正確には 18.5 <= 正常 < 25.0 )。

♣ BMIが25以上を「肥満」、30以上を「高度の肥満」などと呼びます。逆にBMIが18.5に達しないのを「痩せ」と呼びます。ただし、面白いことに 人気のファッションモデルの必須条件は BMI≒17 です。17を越えるとクビになるそうです。特養パールでの13年間の平均値をみると、ほぼ 17 です(平均年齢は91歳)。なお、太った方の長生きは珍しいです

♣ 痩せた方は 驚くほど長生きされます。しかし、それにも限度があり、パールでの経験では BMI≒12 以下で生存された方は3例しかありません。お年寄りは、何事もなく過ごされていれば、BMIも数年にわたっても その人なりに一定です。もし「誤嚥」のステージに入られると、毎年 BMIが 「2」 の割で低下し、BMI≒12 に達すると やがて亡くなられます3~5)

♣ パールの施設でお暮らしの入居者は 基本的にはお元気ですが、ご家族とBMI の経過表を参考にして予後の話し合いをし、Informed Consent(説明と同意の書)を交わすのを慣わしとしております。

参考: 1) How long can a person survive without food? : Alan D. Lieberson in Scientific American 3:104, 2005. 2) 体格指数(BMI)からみる生と死のはざま:新谷冨士雄 新谷弘子 老人ケア研究 No.33 p13~23、2010. ネットで「社会福祉法人 パール」で入ることもできます。 3) パールの安全管理 # 33 : 天寿の終点は BMI≒12。 4) # 76 : 胃瘻のメリット・デメリット。 5) # 99 : 人はなぜ死ぬのか? 6) # 167 : 福祉のショート・ショート。
 
職員の声

声1:枕元にパンとスープを置くだけ、というスエーデンの話、妙に納得しました(係り:彼の国では 百年の歴史で裏付けられているとのこと)。

声2: 大正天皇に使った「リンゲル液」というのを初めて聞きました、生理食塩水のことですか?(係り:生理食塩水は単純に0.9%の塩水、リンゲルは少し高級で、Na+ Cl-の他に、K+ Ca++ HCO3が含まれています)。

声3: インドのガンジーは21日間も断食したのだ ! 断食と絶食の違い を初めて知りました(係り:独り暮らしの老人は実質的に「断食」になりやすいですね)。

声4: テレビで「プチ断食」の紹介があり、一泊二日の断食で体が綺麗になるそうです;でも慢性飢餓は絶対イヤです ! (係り:平和な先進国で 飢餓はありませんが、その人の寿命が終わるときには「飢餓」と同じような現象が起こる のです)。

声5: 医学部の学生のころ「老人をみたら、まず脱水を疑ええ ! 」と習いました(係り:私は“老人の茶飲み話”を聞きました、女性の“井戸端会議”と同じように、老人には“お茶”です)。

声6: 肥満の程度を決めるためのBMIは「生活習慣病」の診療でよく聞きますが、「痩せ」への応用はネットで見ても 見つかりません(係り:パールの研究で BMI≒12の臨床応用は 実務的価値があります2) ;パールではBMIが12レベルで亡くなった方が 先月二人ありました;また、新たに12レベルに入った方が3人おられます;食事と健康の関係を 緊張して見つめています)。

声7: BMIを計算するためには、身長と体重を測らなければなりませんが、在宅では いずれも困難です(係り:たいていの方々は体重だけを気にしますが、身長は一度 巻き尺で測定 しておくと便利ですよ;体重と異なり ほとんど経時変化しません)。

(193) 第四の価値

 (193) 第四の価値  

 人間は一万年まえ、第一次産業(農業)を、その後、第二次産業(工業)、第三次産業(商業や知識産業)を営んできました。

♣ 近年、少なくとも先進国では、これらの全ての産業が「飽和状態」、つまり「閉塞感」で行き詰っています。別の言葉では「飽食の時代」「サービス過多の時代」とも言われます。日本ではバブルのはじけた1990年代以後、モノは豊富であるのに産業のGDP(国内総生産)が上がらなくなり、自分で何かを創ろう・達成しようという志が乏しくなり、就労意欲の変化で「フリーター1) と「ニート2) が増えました。産業の種類は第一から第三だけではなく、もっと多様化していて「第四の価値」を模索する動きも出ているようです。

♣ 最近の若い学生たちは次のようなキーワードで将来像を語ります:こころ、美しさ、生き甲斐、社会正義。これらは「第四の価値」として認識され、「一つのことをやり遂げることの意義」が脚光を浴び始めました。

♣ 宮崎駿(はやお)の「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」を観て涙をこぼす 大人たちが、初めて若者たちの心を感じ取るそうです。日本のGDP(国内総生産)は600兆円、このうち製造業は150兆円、娯楽費は120兆円(パチンコが30兆円)、健康費は40兆円です。日本の高齢者は資産の75%を有していますが、先行き不安のため それを消費したがらず、閉塞感を助長します

♣ 大戦後 第一次の緑革命3) によって世界の食糧は3倍に増え、その後の第二次緑革命によって さらに2倍ほど増え、併せて食糧は6倍に増えました。人口も10億人から6倍増えて60億人にふえました。でも、人は地球上に無限に増えることはできないのでしょうか、人口増は一時、止まるでしょうか?世界不況は このことと関係があるのでしょうか?

♣ モノが無い時には、モノがあることを目標にすることができましたが、モノあふれの今、従来の手法では片付けられない 別の考えで対応しなければ将来が見えないと思われます。幸い、環境問題や高齢者の介護・アメニティ(環境などの快適さ)など「仲間と地域の活性化」を目指す運動が今、求められています。これが きっと閉塞感を緩和する方向に進むだろうと思います。

♣ 皆さん方は、この「第四の価値」をどのように達成したいと思いますか?

  参考: 1) フリー・アルバイター。 2) ニート(NEET) : Not in Education, Employment or Training (教育・雇用・訓練を拒む人々 ≒ 引き籠り。イギリス言葉 1980)。 3) パールの安全管理 # 108 : クオ・ワディスの矛盾。

職員の声

声1: スケールの大きいお話でした、でもパチンコに30兆円を使うとは悲しいです(係り:医療費とほぼ同額ですね; 人が考える“無駄”と“必須”の比率は同率だったのです ! )。

声2: 田舎に帰省するたびに、パチンコ店や無駄な道路が増えるのを見、悲しいです(係り:もしパチンコが禁止されたら、その娯楽気分はどこで満たされるでしょうか?怖いことです)。

声3: GDP 600兆円のうち娯楽費が120兆円とは、考えちゃいます係り:日本は まだ 賭博(とばく)を許していません——地中海のモナコ王国やアメリカのラスベガスなど——もし許されたら どうなるでしょうか?人が健全に過ごすためには、ある程度の娯楽が必須なのでしょうが)。

声4: この4~5年に入った若い職員たちは、積極性に欠け、「技を盗み取る」という気迫に劣ります、もっと私を盗んで欲しい係り:技を盗む、とは久しぶりに聞きました、昔はみな、そうしたものですのにね)。

声5: 「一つのことを仕上げ、達成感を持つ」というお話、私も自分の老後をそのように仕上げたいです(係り:最近の教育の傾向として“中高一貫教育”は能率よく受験成績を上げているそうですが、「受身の姿勢で 点取り教育を受けた子供たち」は社会を牽引しない、と指摘されています;コツコツ自分が求めて能動的に一つ事を完成する姿勢のほうが大切だ との意見が大勢を占めるようになりました)。

声6: 忙しさにかまけて、つい「心」のことを忘れていました;点取り合戦では将来が築かれません係り:物事を数量化し、そしてその数値で競う;これは一面の必要ではありますが、ずっとその姿勢を続けると、いずれ 競争の本質的な意味を失い、虚無・頽廃の自己否定に至るでしょう)。

声7: 衣食住にも困っていた半世紀前の日本、そして今は「飽食の日本」;産業は 農業→工業→商業・知識産業、そして今や「人を大事にする産業」へと移行しつつあります;子供たちやお年寄りを守って行きたいです(係り:それが「第四の価値」なのですね)。

(192) だます~だまされる

 (192) だます ~ だまされる   

 最近 世界がビックリしたという日本のニュースをご存知の方も多いでしょう。それは 今回の東日本大震災の後日談(ごじつだん)です。

津波によって被災地で沢山の「金庫」が流出し、うち 拾って警察に届けられたものは 5000個を越え、中にあった現金は20億円以上あったそうです(11.8.16 毎日)。この事は広く世界にも報道され、特に欧米からの反応は「信じられない ! わが国では あり得ない現象だ !! 」というものでした。確かに “落とした財布が 中味ごと警察に届けられる” という現象は日本独特かも知れませんね。

♣ しかし、逆の場合だって多いのです。二~三 当たってみます:-

 ① 東京のS区の「シルバー・ステーション」という会社が、お年寄りの年金手帳を質にして高利貸しをし、逮捕されました。“だます人が悪い”に決まっていますが、“だまされない”ように、高齢者ケアをする我々職員は “振り込め詐欺”にも目を配らなければなりません。

 ② 何年か前になりますが、忘れられない事件で「池田小学校事件」というのが ありました(疑うことを知らない子供が殺された)。それ以来、日本中の家屋・施設などは戸締りを厳重にするようになったのです。特別養護老人ホーム・パールの建物は 24時間365日、いつでも人の出入りができることを誇りにしていたのですが、この事件以後、「安全会社」と契約を結び 戸締りを厳しく管理するようになり、夜になると、いちいちインタホンで玄関扉の開け閉めの会話です。田舎では、蚊帳を張って寝ている人の姿が、遠目に見ることができる 無防備さが 「古き良き日本の特長」だったのですが、いまや そんなことは“夢”と消えてしまいました。 “性善説”が こうも簡単に否定されるなんて、悔しくてなりません

 ③ ある日本の航空会社は、機体に重大な損傷が何十件もあったことを 国交省に報告せず、営業を続けていました。同じようなトラブル(リコール)があった自動車会社、乳業会社などにもありました。つまり、これには“性悪説”が適用されるのでしょうか?それとも、立派な 意図した“犯罪"なのでしょうか?大きな組織は 安全管理の手抜かりが基で「腐り始める」と言われます。福島原発事件も「想定外 ! 」という 有名な言葉で責任逃れが図られそうです。

④ 逆に、手前みそですが、私たちが前回報告しました「音姫の提案 は、資源節約と年間193万円の経費節約に繋がり、立派な「安全管理」と言えると思います。

♣ 日本は特別に「安全な国」ですが、それでも“だます~だまされる”ことから無縁ではありません。やはり、安全には「常に見守り改善する姿勢」が必要ですね。「生き馬の目を抜く」という諺(ことわざ)は 日本の諺なのです ! 怖いな !!

  参考:  パールの安全管理 # 190 : 音姫の提案。

職員の声

声1: お年寄りが詐欺にあって困る状況がマスコミで頻繁に報じられます;昔のお年寄り は尊重され、だまされることはなかったのでしょうか?(係り:それを証明する統計はありませんが、一つの考えは こうです:百年前には“癌”が少なかった、50年まえには“認知症”がほとんどなかった . . . というのは事実ですが、その裏には、病気の基になる“お年寄り”の数 が少なかった のです——昔の人が今よりも お年寄りに親切だった、とは にわかに言えないと思います)。

声2: お年寄りが なぜ「年金手帳」を担保にするのでしょうか?その理由を知りたいです(係り:お年寄りは簡単に口説き落とされる;それだけの理由です——たぶん 昔も今も)。

声3: ケアする立場で考えるのですが、人を理解するのに「性善説」は無理なのでしょうか?(係り:今日のお話の中にあった“金庫や財布”のように、日本では驚くべく「性善説」が通用します;でも同時に マスコミが報じる詐欺事件も後を絶ちません——現役世代の詐欺は“大人同士の戦争”と理解できますが、お年寄り相手の詐欺は“弱い者いじめ”です、許せません)。

声4: 緩んだ大組織が「腐り始める」という認識を改めて考えました(係り:他国から輸入できない種類の組織は、悪いからといって 他国からよりよい人で取り替えることができず、競争もできず、どうしても横柄になります;民主主義は それをなんとか防ぐ原理なのですが . . . )。

声5: 日本は犯罪大国になって行くのでしょうか?(係り:400年ほど前、石川五右衛門いしかわ ごえもん)という大盗人(ぬすっと)がいて、天下人の豊臣秀吉は彼を捕まえて「釜茹で」の刑に処し、後世の“みせしめ”にしました。ところが、いつまでたっても一向になくならず、「詐欺・泥棒のたぐいは飯の種」と呼ばれるほどです。でも、日本だけが犯罪大国になることは ないでしょう)。

声6: 地域内・国内・国際間などで、だます~だまされる が、美徳であるはずは“ない”と思います(係り:まったく同感 ! 少なくとも“福祉の中”では 安心して働けるようにしましょうね)。

(191) 安全管理 から 事故管理へ

 (191) 安全管理 から 事故管理へ
  
 昨日(2011.8.17)の「天竜川下り」の遊覧船事故、ビックリでした。

♣ 第二天竜丸という舟が お客を乗せて 淵の渦に巻き込まれ、23人が川に投げ出されて、死亡が4人、行方不明が1人の事故となりました。私はテレビの初報を聞いたとき、すぐに救命胴衣(ライフジャケット)はどうだったのだろうか?と案じました。案の定、ライフジャケットは「お飾りの役目」に過ぎませんでした。

♣ 私自身の「川下り」の経験は三つあります。一つは 和歌山県と三重県の境にある「熊野川」です。もう40年以上の昔で「プロペラ船」でした。半径が人の背丈もある大きなプロペラで川を上り、そして下ります。川が浅かったので、ライフジャケットなど考えも及びませんでした。

♣ 二つ目は「保津川下り」。北京都の亀岡から 名所・嵐山に至る保津川峡を下ります。舳先に立つ船頭さんが 勢いよく迫る岩の塊を 竿でグイと押して舵を切ります。 急流の中で、もし岩を押し損ねたら . . . もちろん 間違いなく 私の乗っていた舟は 今回の第二天竜丸と同じ運命をたどったことでしょう。震えました。その時も、ライフジャケットなんて、みじんも思いつきませんでした。

♣ 最後は、ドイツのローレライライン川下り。この時の船は 外輪船 で、たぶん300トン程度の中型船であったこともあり、ライフジャケットよりもライフボートが問題なのでしょうが、景色に見とれて 能天気な旅をしました。いずれの場合も「事故管理」の世界など、思いもつかなかった“お粗末さ”でした。まったく、人様の事故を批判する立場 ではなく、恥ずかしい限りです。

♣ 話は違いますが、私が印象的に覚えている戦闘機の装備のことをお話しし語ります 。日本の「ゼロ戦」は 太平洋戦争の初め、向かうところ敵なし、を誇りました。速度・操縦性・航続力・20ミリ機関砲など、世界一の性能を持っていました。対する「グラマン F4戦闘機」は、すべての性能においてゼロ戦より劣っていましたが、どっこい、思考法が彼我の間で違ったのです。グラマンは操縦席を厚さ1cmの鉄板で覆ってありました。そのため襲撃を受けても操縦士が銃弾を受けることはなく、さらにガソリンタンクが防火装置で覆われ、弾を受けても燃え上がらないように工夫されていました。さらに、さらに、万一墜落する運命になれば、パラシュート・食料・SOS通信機・ゴムボートまでくっつけられていました。このために必要な余分の重量は500kgを越え、その欠点を補うために、エンジンの出力は1,500馬力(ゼロ戦は1,000馬力)でした。ゼロ戦は「追う立場」にあると無敵ですが、「追われる立場」になると、パッと燃え上がり、操縦士は失われました。この違いは何に基づくものでしょうか?

♣ 今回の天竜丸の事件と何か似ているものを感じませんか?そうです !! 舟や飛行機は事故を想定せねばならず、「安全管理」のほか「事故管理」も必須なのです。事故が発生したら、どういう手順で、被害を最小に留めるか、これが「事故管理」ですね。グラマンは「あっぱれ ! 」です。

♣ そして、「事故管理」についてはパールにも関係があるのです。お年寄りは転びます。転べば「骨折」です。いくら「ヒヤリハット・レポート」でりきんでみても、このひと月、パールでは、トイレの中で 2件もの骨折を起こした実態があるのです !

♣ 私はここで言いたいです:私たちはゼロ戦で戦いますか?それともグラマンで? 

   参考:坂井三郎:大空のサムライ 株式会社 光人社 昭和42年

職員の声


声1: 天竜川下りの事故にビックリですが、ライフジャケットを座蒲団代わりにしていたことにも驚きました;“無事故神話”は ここでも「福島原発事件」と同じです;事故は "絶対無い“というけれど、あったじゃないですか ! 事故管理をしていないから深刻な騒動が起こったのです。

声2: 社長は 安全管理→危機管理→事故管理のように深刻な対応を すべきです;つまり「もし事故が起きたら、被害を最小にする管理」のことです(係り:たとえば、フランスでは、原発施設周辺の家庭に「ヨード剤」を配っておき、イザと言う場合に ヨード剤を飲んで頂く;さらに一年に一度、新しいヨード剤に差し替える——教科書にはそう書いてあるけれど、福島の現場では その知恵もなく、国もヨード剤の備蓄も用意していなかった——事故は絶対無い、だから安全管理は不要であり、事故管理もしない;はたしてこれでいいのでしょうか?)。

声3: 日本では一般に「事故は起こらない」という想定のもとで物事が処理されているようです;だから事故が起こると「想定外 ! 」で 軽くいなします;私は 「ヒトや自然に想定内はない」と思います;それゆえ パールの「ヒヤリハット・レポート」は軽く聞き逃してはいけません。

声4: 最近、偉い人たちが「想定外 ! 」や「遺憾である ! 」と言って、問題をすり抜けるケースが多く、全くケシカラン ! 相手が「自然力」であれば 予定通りには行かぬこともあるのだ ! (係り:神様のなさること(地震とか津波)には服従して対策を考えますが、「ヒトのしゃべる想定外」には服従しかねますね)。

声5: 私は45年間 無事故の運転歴をもっています;ハンドルを重ねることで独特の「第六感」を獲得し、事故を未然に防いでいます;天竜川の事故も船頭さんの「第六感」の不足が原因だったのでしょうか?

声6: 静岡県出身の私は「天竜川下り」を何度か経験していますが、ライフジャケット装着したことはありません;舟内に置いてあった茶色の袋は座布団だと思っていました;私も 選ぶなら「ゼロ戦」より「グラマン」です;だって「負けた時、弱い時」に踏ん張るチャンスのあることが大事だからです。
プロフィール

ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
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